睾丸の美少年と噂されていた中学時代のおいら。
当時、オフコースとグレープという存在は「レコードを持っている」「ファンである」という公言は憚られ、地下室にもぐって聴かなければならなかった。たとえば、隠れオフコースだったことがバレてしまった場合、クラス中から石を投げつけられるし、「あの人って、根暗のふにゃちん男ね」などと噂されるようになる。
ある日『ワインの匂い』を口ずさんでいたら、彼女にばれて追及を受けた。

「オスカーさんって、オスコースファンなの?ふにゃちん野郎なの?」

「Offcourse Not!」
この時から、このイディオムが好きになった。生意気な中学3年生。
ごめんね、小田さん。踏み絵を踏んづけて、シングルレコードをバリバリにした。
“暗い”が代名詞になるほど、小田和正が描く歌詞には「別れ」「悲しみ」「風(しかも冷たい風)」「明日」というウジウジした言葉ばかり並んでいた。『秋の気配』なんか、典型的な根暗ミュージックだ。
中学の時にどこかで聞いた『もう歌は作れない』のメロディライン。
今でも一番好きなオフコースの楽曲である。
2人デュオだった時代は、このように日陰の身だったが、同じ2人デュオのグレープなんて、さだまさしがソロになっても日蔭の身な存在だった。
『無縁坂』を聴くと、今でも大竹しのぶを抱きたくなる。なんでやねん。

高校生になると、すでに『愛を止めないで』がスマッシュヒットを記録しており、人気沸騰の5人組バンドに変身を遂げていた。
それでも、周りではチューリップや甲斐バンド、長渕剛などと博多の連中ばかりもてはやされ、方やロックンローラーはRCやARB、ハウンドドッグ、つのだ☆ひろが市民権を得ている。
やはり隠れオフコーサー(彼は隠れさだまささーでもあった)の友人からひそかに借りたアルバム『FAIRWAY』をカセットテープにとりこんで、ひとりウォークマンで聞いていた。
もろちん、カセットテープのラベルには“RCサクセッション”と書いておいた。
自分でもわからなくなってしまうので、小さな“ッ”を入れておくのがミソ。本当の中身はオフコース。
ちなみに、テープのラベルが“RCサクセシヨン”なら、さだまさしだよね。Why not!


さて、睾丸の美少年から、アセモしたたる井伊直弼に性徴を遂げた高校時代。
音楽の趣味も邦楽から洋楽に移り、Offcouse Not!は、当たり前のようにAbsolutely yes!に変わっていく。なんのこっちゃ。
小田和正のソロ時代なんて、明治安田生命の曲しか知らないし、年末1週間前に『クリスマスの約束』を観ながら、彼の生存確認をしている昨今だった。
一体、なにが起きたのやら。
2月4日、代々木第一体育館。VIP席の真横辺りのスタンド席で『本日、小田日和』ライブに臨むことになろうとは。
小田和正、67歳。
事前に新譜『小田日和』を聴かせていただいたが、美しいメロディライン皆無。相当に曲作りで悩んでいる様子がうかがえる。
並んでいる歌詞は、相変わらず「君」「どんな」「風」「さびしい」…いくつかの歌詞をこねくり回して、循環コードをリフレインさせて適当に作っちゃった曲ばかり。そんな第一印象だったから、このライブに期待値ゼロ。
セットリストにオフコースの楽曲が限られているのも、あらかじめ知っていたしね。
寒風吹きすさぶ代々木公園。
周りを見ると、おばさん7割、おじさん2割、おねえさん1割、おいら。
年の頃、同級生からそれ以上のご婦人がうじゃうじゃと列をなしていた。
みんな、日蔭のオフコースファン時代をじっと耐えて生きてきたのかな。
ライブが始まった。
ステージからMの字に伸びている花道を、小田さんたらクリスタルボイスを聴かせながら歩いたり走ったり。
こっちもスタンディングで声援しなけりゃ孟子わけない。
いや、申し訳ない。
先日、ライブを観に行ってゲンナリしちゃったゴダイ●のタケカワユキヒデや、松任谷由美(通称:ユ●ミン)とは比べ物にならないほどの声質、声量の確かさ。スゴイ!
知らない曲ばかりだったが、まるでカラオケルームのように四方八方のスクリーンから歌詞が流れ、小田和正のメッセージを受け取れる。
ほぼ満席の会場には、おばちゃんたちの元黄色い声。せっかくだから、おいらも「オダサーン

」と、だみ声を放ってやったら「はい

」って応えてくれた。小田さん、LOVE
中盤から知っている曲が立て続けに4曲。
『愛を止めないで』『Yes-No』「君が、嘘を、ついた』『YES‐YES‐YES』。
代体が盛り上がっている。
ピアノ独奏独唱『言葉にできない』、いい曲じゃないですか
さすがはベテラン、MCも上手く、映像も飽きないように使いこなしている。
知らない曲がほとんどだったから、あれだけど★4.は、期待以上の評価。
もう二度と行かないだろうけど、オフコース当時の曲ばかりのライブだったら、密かにチケットを買うだろう。mixiにも伏せてね。
蛇足
どうでもいい《オフ・コース》マイベスト。

もう歌は作れない

やさしさにさようなら

愛を止めないで、そこから逃げないで

言葉にできない

あなたのすべて
■「スタンディングライブが辛い」40代のあるあるは
(dot. - 02月05日 11:41)
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=173&from=diary&id=3259974
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