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2006年06月17日16:02

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『ヴェラ・ドレイク』を観て

DVDで『ヴェラ・ドレイク』を観ました。

監督 マイク・リー
主演 イメルダ・スタウントン
受賞 2004年ヴェネチア映画祭金獅子賞,最優秀主演女優賞
背景 1950年代のロンドン、豊かならざる下町
    人口妊娠中絶禁止法と貧しい人々

“絶対真実から逃げない”・・・これが、マイク・リーの、この作品でのスタンスです。

一部の人達には、後半が長過ぎるとの評があるようですが、そうではありません。
真実を最後迄見つめ続ける、それが彼の愛の証しだと、彼は言っているように見えます。

最後迄?、そうこの作品では、何処迄行っても夢見たいな救いはやって来ないし、かと言ってヒステリックなヒューマニズムに訴えるのでもない、理想論を唱えるのでもない。そしてまた、シニカルな絶望の淵に身を投げるのでもない。
冷静にリアリティを追いかける。その向こうにしか真実は見えて来ないと、マイク・リーは知っているのでしょう。

途中で投げ出さないという事は、全てを描き切るという事ですから、非常に残酷ではあるのですが、実はその視線は愛情が溢れています。
最後に、カメラはヴェラの刑務所の中にも、ついていきます。
そして、暗転、エンドロールの終わりにマイク・リーの献辞、
・・・「医師と助産婦であった両親の愛情に溢れた思い出に」。

間違えてはいけないと思います、愛情に溢れる事と、安易な救いを施す事とは違います。
甘い甘いアメリカンファンタジーは、この映画とは無縁です。

イメルダ・スタウントンの演技は、マイケル・リーの意思の延長線上で、本当に素晴らしいものでした。
そして家族、回りの人間達の事件に対するそれぞれに異なる反応と葛藤も、類型に堕さず、深い省察に満ちていました。

私も、老後はああいう夫婦になりたかった、と思わないではいられませんでした。
 
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