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2025年09月15日23:49

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富士山静岡交響楽団第133回定期演奏会-allシューベルト~1/2

9.14(日)、アクトシティ浜松中ホールで富士山静岡交響楽団の第133回定期演奏会を聴く。

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今回の公演はallシューベルト、首席指揮者 高関健(1755- )が交響曲第4番《悲劇的》と第8番《ザ・グレイト》を指揮した。

開演前に高関のプレトークがあった。
今からちょうど50年前の1975年、カール・ベーム(1894-1981)率いるウィーンフィル来日公演、今や伝説と化した感があるこの公演について。
当時大学生の高関は3.19(水)のチケットを握りしめてNHKホールへ行った。ひょっとしたら23(日)だったかもしれない。着席が遅かったので、メモする事ができなかった。
両日は共にallシューベルトのプログラムで、交響曲第7番《未完成》と第8番《ザ・グレイト》だった。

実は私も抽選に当選しこの来日公演に行っている。
3.17(月)も同じプログラムだったが、私が行ったのは3.22(土)だったと思う。ベートーヴェン《レオノーレ》序曲第3番、ストラヴィンスキー バレエ組曲《火の鳥》(1919版)、ブラームス交響曲第1番。
アンコールにはヴァーグナーの楽劇《マイスタージンガー》第1幕への前奏曲を演奏してくれたのだった。
最近の演奏会ではオーケストラによるアンコールはまずない。

他に、3.16(日)はベートーヴェンの交響曲第4番と第7番。
3.25(火)はモーツァルトの交響曲第41番《ジュピター》とヨハン・シュトラウス2世の喜歌劇《こうもり》序曲及びウィンナワルツやポルカのプログラムだった。

高関はその時、桐朋学園大の学生(最初はヴァイオリン専攻のち指揮に移籍)で、他でなくシューベルトのプログラムを選んだのは、彼の内なる嗜好を物語っていると言えるかもしれない。その時のベームのシューベルトから受けた強い感動を、彼はつい先日の事のように語った。

高関は1978年に同大を卒業後、ベルリンフィル・オーケストラ・アカデミーに留学。翌年から1985年の間カラヤンのアシスタントを務める事になる。1977年にカラヤン指揮者コンクール・ジャパンで優勝した事が縁になったのかもしれない。

そして、1978年、ベルリンに着いて最初に聴いたカール・ベームの演奏会が、同じシューベルトの交響曲5番と第8番だった。オーケストラ名は聞き洩らせしたが、この文脈からすればベルリンフィルか?
その演奏会が終わり、感動を胸に秘めてホールをうろついていると、翌日ベーム演奏会の第2夜があり、当日券がまだあるらしいと高関は漏れ聞き、家(どこにあったか知らないが)に帰って翌日また出かけてくるよりこのままホール前に居残った方が良いと判断、徹夜して翌日チケットをゲットしたとの事。20歳代前半の高関の若さと情熱を垣間見るようなエピソードだった。(笑)

彼に言わせれば、シューベルトの交響曲のみで演奏会を構成するというのは「ドイツロマン派の王道のプログラム」で、また「巨匠プログラム」と言ってよく、「それを今回挑戦できるのは非常に光栄」で「非常に嬉しく」、だがある意味で「非常に厳しい」と感じてもいる、と。
おそらく彼の脳裏には、1975年の日本と1978年のベルリンにおけるベームのシューベルトが強く刻まれているに違いない。
しかし「富士山静岡交響楽団もこうしたオーソドックスなレパートリーを築いていく必要があり、今回はとても大事なステップアップの演奏会になる」と顔を引き締めた。
「シューベルトの当時の演奏習慣だとか、表現方法とか考えながら」練習を重ねてきた。
「今日の私の演奏を聴いて、中には、ひょっとしたらベームの歌わせ方などの特徴を思い起こす方もいるかもしれない」、そう微笑んでプレトークを終えた。

さて、では当夜の2つの交響曲について。

◆交響曲第4番 ハ短調D.417《悲劇的》… プログラムにおける時間表記32分

フランツ・シューベルト(1797-1828)の交響曲というと第1番から第6番が16歳(*1)から21歳迄の若い時代の作品として分類されるが、中で、19歳で完成させたこの第4番が強く自分の芸術性を期した初めての曲だった。それ以前の曲は彼の周囲にあったアマチュア的なオーケストラ(*2)で演奏する事を念頭にして作曲された。

(*1)対して、ベートーヴェンが自身の交響曲第1番を完成させたのは29~30歳と考えられている。単純な算数的比較に意味はないが。
(*2)ウィーンのコンヴィクト(寄宿制神学校)のオーケストラかシューベルトの家庭音楽会で結成されたオーケストラ。

シューベルトの交響曲は全て2管編成だが、第4番のみホルンを4本使用している。より規模の大きなオーケストラで演奏する事を想定していた可能性が高いと指摘されている。
また、この第4番は彼にとって初めての短調の交響曲で、しかもハ短調という、崇拝したベートーヴェンの"宿命的調"を選択している。《悲劇的》というタイトルも、後年、自身でつけたとされている。新しい時代、ロマン主義的なパトスを感じさせる作品に仕上がった。

高関は、「シューベルトの8つの交響曲はこれ迄全曲演奏してきたが、中で第4番だけがなかなか機会がなく、取り組んだのが最も遅く、つい2~3年前であった」とも語っていた。順序はともかく、シューベルトの初期の交響曲を採りあげるコンサートは殆どなく、彼のシューベルトへの愛着の強さを物語っている。

次に曲の構成。

◦第1楽章 アダージョ・モルト〜アレグロ・ヴィヴァーチェ、ハ短調~ハ長調、3/4、序奏付きのソナタ形式。
…暗く劇的な序奏。ソナタ形式の第1主題は不安に駆られるが如き雰囲気。
 第2主題から転調を繰り返す。

◦第2楽章 アンダンテ、変イ長調、2/4、ロンド形式の緩徐楽章。
…主題はピアノのための即興曲D.935の第2曲アレグレットに似る。
 副主題はヘ短調で第1楽章の第1主題と関係する。楽器間のかけあいが面白い。

◦第3楽章 メヌエット、アレグロ・ヴィヴァーチェ、変ホ長調、3/4。
…スケルツォ風でトリオを挟む。トリオは第1楽章第1主題に基く。

◦第4楽章 アレグロ、ハ短調~ハ長調、2/2、序奏付きのソナタ形式。
…不安な第1主題、このモチーフは執拗に繰り返される。第2主題は軽快な掛け合い。
 そのコントラスト。
 結尾は盛り上げて簡潔に終える。

(続く)
 
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