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2025年08月29日11:00

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松本第2日目〜中町通りから市博物館へ (松本の旅最終レポート)

(続き)

松本城を出て大名町通りを南下、再び女鳥羽川を渡り左へ折れると、川と並行して東西に走る「中町通り」へ入る。
この通りには民芸家具や漆器・工芸の店やなまこ壁の蔵、おやきや和菓子の店などが並び、町中にあるにも関わらずゆったりした時間が流れている。
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ファサードの屋根の形や薬のメダイヨンのレリーフも実に素晴らしい。店先には赤いポストも見える。きっと今も使われているのだろう。

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蔵の玄関先には手漕ぎポンプの井戸があり、きれいな水をかぶって遊んでいる子供もいた。
松本は江戸時代末期より再三火事に見舞われたため、その経験から、商人達は多くの土蔵を造ったと伝えられている。

13:00頃、そろそろお腹も空いてきた。
猛暑の中を歩いて汗をかくと何故か無性にカレーが食べたくなり、食べ物と関係のないある店で美味しいところがないか訊くと、女性店主が丁寧に教えてくれた。
言われたように、中町通りを本町側へ少し戻り、小路を北へ入ると店はすぐ見つかった。カフェ「Since 1933 OKINADO」とある。
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整理券によれば5〜6組待っているらしい。ふと店の向かい側を見ると、藤棚の下の長椅子に腰かけている人達がいる。せっかく教えてくれた美味しいカレーを食べるためには致し方ない、と、私も藤の葉陰で待つ事とした。
意識した訳ではないが、写真の上辺に藤の葉が写りこんでいた。
しばらくして番号を呼ばれたので入店。
漆喰の天井からぶら下がる扇風機やローズウッドのカウンター、ステンドグラス風の内窓などレトロな風情。
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メニューを見て、早速ロースカツカレー(1300円)と飲み物(500円)を注文。
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どアップの写真から、私のその時の食欲が推察されるのではなかろうか。(笑)
忽ち完食。
支払いを済ませてレシートを見ると「時代遅れの洋食屋おきな堂」とプリントされている。笑みがこぼれた。

元気が出たし、帰りの電車迄は時間があるので、もう少し歩く事にする。

通りのあちこちにこんなチラシが貼られているのを見つけて、興味が湧いた、ちょっと毒々しい写真とキャッチだが。
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やっているのは松本市立博物館。大名町通りにあって、確か中町に来る時その前を通った気がする。
写真は1906(明治39)年に開館し、2023年に移転新築した同博物館の南東角。

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チラシは松本市放光庵《十王座像》の閻魔王だという事が分かった。。
・特別展「地獄の入り口〜十王のいるところ」
・会期 7/5〜9/1
・観覧料 1100円

「ウソをつくとエンマさんに舌抜かれるぞ!」
小さな頃、両親や大人達からよく言われたものだった。
日本では昔から閻魔王に怒られたり、地獄に落とされたりしないよう、悪い発言や行いは戒められてきた。
こうした民間伝承は多くの人々に染みついていたが、現代の子供達はどうだろうか?
本展は、長野県,松本市内の寺社他に遺されている文化財より、閻魔王と彼が率いる十王の姿、そして、その先に広がる地獄の風景を表現したものを集め紹介している。

「十王」は冥府で亡者を審判する10人の王。
古代インド・ヒンズー教の「ヤマ」という神を起源として仏教に取りこまれ、中国に伝わり「閻魔」という漢字が充てられた。
そして中国古来の冥界観と融合して「十王」が生まれ、その後日本に伝わり地獄思想として定着した。

以下主な展示。
�機崕讐Α遡宿椶虜枷輯院�地獄の王」
《地獄十王図》11幅(15世紀)より〈閻魔王〉/駒ケ根市光前寺【長野県宝】
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《地蔵十王経》(江戸時代)より/松本市博物館
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�供崔蝋�の風景」
《地獄絵図・阿弥陀三尊来迎図》5幅(文政年間)より/林照寺
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�掘崗硝椶僚讐β臀弦隋�
《十王座像》他14躯の内13躯/松本市牛伏寺
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後列中央の小さな〈地蔵菩薩半跏像〉と前列中央の黒い〈奪衣婆(だつえば)坐像〉(南北朝時代)。
前者【松本市重要文化財】、後者【長野県宝】。
他(室町時代)も【松本市重要文化財】。

《閻魔王座像》他12躯(時代不詳)/松本市放光庵【松本市重要文化財】
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展覧会のチラシはこの閻魔王座像の部分アップだった。

平安時代中期の僧 源信(942-1017)が『往生要集』(985)にまとめたところによると、死後、人は生前の行いから六道(天道,人間道,修羅道/以上三善堂、畜生道,餓鬼道,地獄道/以上三悪道)に分けられる。
その行先を決める裁判官が十王である。
人は没後7〜10回(*3)の裁判を受けるが、その5番目で最高位が閻魔王だとの事。
 (*3)初七日から7日おきに四十九日迄7回、加えて百か日,一周忌,三回忌とあり、合計10回の裁判を受ける由。

別世界のように見えるが、閻魔王と地蔵菩薩には深い関係があるらしい。
おおらかな言い方をすれば、地獄行きを決めるのが閻魔王で、(弥勒菩薩が現れる迄の56億7千万年という長い期間に亘って)地獄で救済を図ってくれるのが地蔵菩薩。この両者表裏一体の教えが「本地垂迹(ほんちすいじゃく)説」。
十王と本地仏の関係は以下の通りだとされている。
 初七日 秦広王/不動明王
 二七日 初江王/釈迦如来
 三七日 宋帝王/文殊菩薩
 四七日 五官王/普賢菩薩
 五七日 閻魔王/地蔵菩薩
 六七日 変成王/弥勒菩薩
 七七日 泰山王/薬師如来
 百か日 平等王/観音菩薩
 一周忌 都市王/勢至菩薩
 三回忌 五道転輪王/阿弥陀如来

展示は全18組。私は宗教に興味はないが、文化史としてなかなか興味深い展覧会であった。
私は一体どの地獄に落とされるのだろうか?
来館者の多くも、喰い入るように展示物に見入っていた。


これで、松本で見聞きしたものについて、レポートは全了。

松本市博物館を出て、預けた荷物を取りに本町のホテルTに戻り、歩いて松本駅へ向かった。
2日間よく歩いて疲れた。
スマホの万歩計によると、20日10,077歩、21日12,573歩。

この後に起こった予想もせぬ出来事については、下のリンクから、帰宅した8/22夜遅くに書いたレポート「松本へ、予定の崩れた、貴重な旅の経験」でご確認頂けたらありがたい。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1990570203&owner_id=3341406


長いレポートにお付き合い頂きまして、ありがとうございました。
感謝申し上げます。
 
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