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2019年06月28日21:15

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【三浦綾子読書会ツアー部門主催旭川ツアー報告】 6月24日(月)その2 登別地獄谷

【三浦綾子読書会ツアー部門主催旭川ツアー報告】
6月24日(月)その2
登別地獄谷

バスが地獄谷に近づくと温泉街特有の硫黄臭さが漂ってきました。バスを降りで地獄谷の遊歩道を散策しましたが、人が住む場所ではないですね。草木も生えぬ(生えにくい)。

三浦文学に『地獄谷』って登場したっけ?
はい!しっかり登場しています。

それはこの記事の最後の方でご紹介します。

まず地獄谷と登別温泉について地学的な説明をしておきます。

<地獄谷ってどのようなところ?>
地獄谷は活火山「俱多楽」の西麓にあり、大湯沼や日和山とともに後カルデラ火山の「登別火山」を構成している。地獄谷の直径は約450 m、面積は約11 haあり、高温の噴気・熱水活動が続き登別温泉の源泉になっている。支笏洞爺国立公園の「特別保護地区」に指定されている(wikiから)

<登別温泉の源泉として>
自然湧出量は1日1万トン、9種類の泉質、毎分3,000 リットル湧き出しており、「温泉のデパート」と呼ばれるほどである中でも、地獄谷は登別温泉最大の源泉エリアになっている。
〇硫黄泉
〇食塩泉(塩化物泉)
〇明礬泉(含アルミニウム泉)
〇芒硝泉(硫酸塩泉)
〇緑礬泉(含アルミニウム泉)
〇鉄泉(含鉄泉)
〇酸性鉄泉
〇重曹泉
〇ラジウム泉

<三浦文学的に地獄谷とは?>
関係ないと思っていましたが、「積木の箱」の中にその名も「地獄谷」という章があります。
そこから関連する箇所を抜粋します。
**********************
「出て行け!」
一郎は椅子から立ち上がった。
「一郎さん、」出て行ってもいいわ。でも、その前に少しおねえさんの話も聞いてちょうだいね」
うすいネグリジェの下に、放漫な肢態が透いてみえる。一郎はくるりと背を向けた。
「一郎さん、あたしね、生まれた時に、もう父親がなかったのよ。母はあたしを登別温泉の地獄谷のそばに捨てて、どこかに行ってしまったの」
奈美恵は声を落とした。
だからね、あたしは生みの親にさえ、捨てられた人間なのよ。出て行けと何べん言われて育ったか、わかりゃしないわ。いま、一郎さんが出て行けと言ったわね。あたし、出て言ってもいいわ。どうせ生まれた時から、この世にあたしの住む所なんかないんだもの」
思わず一郎はふり返った。奈美恵は淋しい横顔をみせたまま、静かにつづけた。
「おねえさんはね、悪い女なの。ママだって、みどりさんだって、そして一番なついてくれた一郎さんだって、みんなあたしが悪い女だと、憎んでいることはわかってるのよ」
「・・・・・・」
「でもね、一郎さん。おねえさんだって、初めから悪い女じゃなかったのよ。飲み屋をしている人に育てられて、また次によそにもらわれたら、そこもやっぱり同じ飲み屋だったわ。おねえさんは誰にも、ほんとうにかわいがられたことなど、一度もなかったのよ。お皿一枚こわしただけで、すぐに出て行けってどなられたわ。だからおねえさんは、自分が捨てられていた、あの地獄谷のゴウゴウと地鳴りするそばに立って、何度泣いたかわかりゃしないわ」
(「積木の箱」地獄谷の章から)
**********************

この箇所を地獄谷に向かうバスの中で長谷川先生が読んでくださいました。

着いてみると地獄谷は硫黄臭のきつい場所で、ここに赤ん坊の奈美恵が捨てられたのですが、よりによってこのような場所に・・・と心が痛くなりました。

地獄谷は私たちの住む世界の一部を表しているのかも知れないと思わされまたよ。

次は洞爺湖です。
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