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2022年10月07日12:39

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愛知の旅�А前豕�"あいち2022"(続き)

(前日から続き)

旧一宮市中央看護専門学校を出ると、隣接して「旧一宮市スケート場」がある。
1965年にオープン、設備老朽化のため今年2022年3月に閉鎖した。
会田誠と女性は先に入っていった。

黒く厚いカーテンの間から入ると、青色照明の下、氷を張るためのパイプがリンク内に剥きだしになっている。
アンネ・イムホフ(1978- /ドイツ)の新作映像作品《道化師》(2022)を映しだしている2つの大型スクリーン。そして重低音を発する大型スピーカー。

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イムホフは2017年のヴエネツィア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞、現代アート界で最も注目される1人らしい。
本作はジェンダーのはっきりしない若者達の風変わりでセンシティヴなパフォーマンスを映像記録し再編集している。それは日常の再構築の欲求から来ているのだろうが、実現は困難に満ちているようだ。
映像の中には、彼等を取り巻いてパフォーマンスを観ている観客も写っている。
ここには現代の監視世界と個人の関係が潜んでいるかもしれない。
自己確認は社会または他者との接点においてこそ可能だと思われるが、制御不能となったメディアの中で、個人は社会の実態をどう把握できるのか。
主人公の1人は、あたかも「舐める」というパファーマンス(自己露出)によって必死にそれを掴もうとしている。
しかし、不確実で、不安定で、不透明な社会に対する若者の抗いは、喉の奥に不満、怒り、葛藤等の残滓しか残さない。

会田は座りこんで観ている。

暗く広いリンクから外に出ると、陽射しが眼に眩しい。
適当に入って、昼の定食を近くの小さな喫茶店で食べる。
この間に会田等とは行き別れてしまったようだ。

食後、すぐ近くの大宮公園へ。
位置関係で言うと、真清田神社の森の裏手にあって、静かで緑も多い。
日陰のベンチでは読書をしている女性もいる。
ここには「つむぎロード」の公衆トイレを作品にしていたバリー・マッギーが再登場、公園の小屋を賑やかな幾何学模様で塗りこめている。《無題(大宮公園)》(2022)。

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後ろに回ってみると、まるで窓から男が顔を覗かせているように見えて愉快。
この顔はロードのトイレにもあったものだ。

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一旦一宮駅に戻り、今度は循環バスに乗って駅の西側、下町のエリアへ行く。
10分程で降り、近くにあったのこぎり型屋根の旧毛織物工場に入ると、そこは塩田千春の真っ赤な世界、《糸をたどって》(2022)が待ち構えている。
森美術館で観た糸の造形作品(前掲レポート参)の系統であるが、環境によって随分違って見えるものだ。
工場内にはまるで毛細血管のように赤い糸がみっしりと編まれている。のこぎり屋根の窓からは陽が射しこむ。

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当時の工場で使用されていた糸巻の芯が、糸を通され、まるで浮かんでいるように見える。

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奥に入ると、使われなくなった大型織機にも蜘蛛の巣のように赤い糸が絡みついている。

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赤い糸は運命の糸かもしれない、延々とつながる血縁の糸かもしれない。
その昔は、こんなのこぎり型屋根の工場がこの辺りにはいっぱいあって、織機がガシャガシャと元気な音を立てていたに違いない。
それらの多くは海外に移転しただろう。
隔世の感がある。

更にバスに乗って西に行くと木曽川の土手にぶつかり、その手前には丹下健三が設計した尾西生涯学習センター墨会館、そして、芸術祭とは関係ないが、三岸節子記念美術館(*)等もあって、いろいろと観て回りたかったが、時間の制約もあり、これで"あいち2022"一宮散策はエンドとした。

その��迄続いた国際芸術祭"あいち2022"の長いレポートもこれでお終い。
お読み頂いた方々には厚くお礼申し上げます。


(*)三岸節子記念美術館には2012年の10月に訪れた事がある。
 
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