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2018年04月26日10:00

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文芸大聴講[演劇文化論]〜第1-2回 舞台芸術史

前回の聴講レポートは、判り易さの為ガイダンスに絞ったが、それ以外に本論に踏み込んだ話もあり、今回のレポートでは第1回(4/12)と第2回(4/19)の講義内容から拾い書きをしておく。

担当 永井聡子

「劇場」は旧来の理系・文系という棲み分けで可能な研究テーマではない。
劇場は空間の話で終わらない。
そこには舞台作品があり、演出家も役者もいる。劇団組織が運営され、臨場感を生むものがある。
総合的に考えるべき場である。

パリ・オペラ座。1875年、パリ都市計画と連動して、演劇の為に作られた大型建造物。
舞台と客席が近い。
帝国劇場。1911(明治11)年、海外のオペラ座を参考にし、日本で初めてできた近代劇場。

パリ・オペラ座の舞台と客席の関係は、日本にはないものだった。日本=歌舞伎座=升席。
オペラ座は舞台脇に客席(ボックス席)を垂直に積み重ねる=桟敷。ヨーロッパでは、劇場は社交の場という考え方も重要だった。
舞台を囲む客席=馬蹄型の平土間。

舞台と客席を分けつつ、臨場感を得られる構造。
舞台と客席を分けるもの=額縁型プロセニアム・アーチ。
その存在が意味するところは何か?
絵画の額縁の中を覗き込む。
イリュージョン、夢のような世界を壊さない、それが劇場建築家、演劇人の重大テーマだった。箱(容れもの)を作ればいいというのとは違う。

バイロイト祝祭劇場(1876)
舞台/客席構造、パリ・オペラ座とは違う。
脇に客席を積み上げる社交的構造はない。
扇形客席=ワーグナーの舞台に集中せよ!
二重のプロセニアムアーチ=ソデ幕

舞台と客席の融合を得る為に苦心してきた歴史。レパートリー作品を如何に臨場感を以って客席に届けられるか。
舞台と客席の関係性、単なる馬蹄形や扇形等を超えるものとして試行されていく。舞台作品と観客が双方で創造する臨場感。
特殊な場、専門的空間、とも言える。

その日どんな客が来るか全く判らない。
客によって作品の出来も変わる=一過性の世界。

帝国劇場。パリ・オペラ座をモデルにして作った。
関東大震災(1923/大正12年)では屋根が焼失。→防火幕設置。
それ迄は、舞台脇に貴賓席が設けられた構造。皇族等が座った。

帝国劇場は、多くの明治人,演劇関係者に影響を与えた。
日本の演劇世界を劇的に変えた。
お抱えの作品を持った。

劇場の中にモノを作るシステムを持つ。
プロデューサーがいて所属役者がいる。
衣裳部屋があり、製作のその他専門部署が置かれる。
トータルで、作る人と観る人を育成した。

今の公立劇場の殆どは、こういう創造的仕組みを持っていない。
演劇はどうあるべきか?大問題。
現代の公立劇場は専門人物ナシで運営しようとしている。

帝国劇場出発を契機にして、日本の演劇界は変わった。
舞台作品を創造し、発信する事によって、初めて劇場となる!
それ迄日本にあったのは、歌舞伎劇場=花道のある日本独特の舞台と演出の機構。
歌舞伎・能・文楽では主役演者がプロデューサーを兼ねる。

東京宝塚劇場(1933)
有楽町という場に、家族団らんでき、買い物ができ、食事ができ、観劇できる場所を小林一三は作ろうとした。

ハードウェアとソフトウェアの境界領域を探る、掘り下げる。
劇場は単なる箱ではない。
劇場空間と作品創造の密接な関係性がそこにある事。

         音楽
          ↑
舞台 〜 美術 ← 企画/構成 → 照明 〜 客席
=作品を作る     ↓      =観客を作る
          演者   (どんな客をどれ程の数)

・・・・・・

劇場空間と作品製作の関係性。
→プロデューサーの存在に集約される。
プロデューサーは金を集めてくる人ではない。
その劇の成立性全てを考慮する。

演劇・劇場〜舞台と観客をつなぐもの。
・舞台作品の制作
・空間の設計
・必要な専門家の配置
・観客の資質の想定

パリ・オペラ座ができた1875年の直後、明治10年代後半〜20年代にかけて、明治の「演劇改良運動」が立ち上がる。テーマは近代化、欧化。
・演劇改良会の発足 1886(明治19)年
・改良劇場の経営はどう考えればよいか

歌舞伎座開設 1889(明治22)年開場。
帝国劇場1911(明治44)年開場に伴い、対抗策として純和風改修。
升席、中にレストランも設置。
帝室として外賓接遇の劇場。
1906(明治39)年2/24、歌舞伎座での皇室外交。
英国コノート候アーサー殿下を招き、日英同盟締結記念のプログラムとして歓迎の観劇会が行われた。
 
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