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2026年09月30日11:00

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オペラコンクール公開講座~3「オペラ劇場と初代帝国劇場」

公開講座「オペラ劇場と初代帝国劇場~劇場とは何か」

・2026.9.26(土)/静岡文化芸術大学 南176大講義室
・講師 静岡文化芸術大学 芸術文化学科 教授 永井聡子

1.近代オペラハウスからバイロイト祝祭劇場へ

劇場は単なる「ハコ」ではない。
「劇場」を「人材」「空間」「作品」「観客」が融合する概念と捉えると、「舞台と客席がある建築空間」という一般的なイメージを超えた風景が見えてくる。
劇場は上演ジャンルによって調合され、歴史を紡いできた。

・空間の変遷;
古代ギリシャの野外劇場から、ローマ劇場の「スカエナエ・フロンス」による都市内部への包摂へ。
ルネサンス期以降、ファルネーゼ劇場(1618)に代表される「プロセニアム・アーチ(額縁舞台)」と遠近法が導入され、貴賓席を通じた階級社会の可視化と社交の場として機能した。

・バロック・ロココ様式のオペラハウス;
パリ・オペラ座(1875)やミラノ・スカラ座(1778)など。シャンデリアが灯る明るい客席で、ボックス席の貴族が互いを値踏みし合う「見ること・見られること」の相互監視的社交空間。
オーケストラは完全に露出していた。

・ワーグナーの改革;
商業主義や近代劇場の堕落を批判し、1876年、バイロイト祝祭劇場を建設。
~扇形座席(アンフィシアター形式)による客席の一体感創出。

~「神秘の淵」と呼ばれる隠蔽された多層構造のオーケストラピット(直接音の遮断と音の融合)。

~劇場史上のパラダイムシフトとなる「客席の完全暗転」。

2.初代帝国劇場の劇場改革

・開場と背景;
1911(明治44)年、皇居前に日本初の欧風大劇場として横河民輔設計によりオープン(約1700席)。
株式会社が運営する民営の国際的文化施設。有楽座(1908)に続く欧風化の展開。

・舞台・建築的特徴;
仮設花道(下手側に斜め)、日本初のオーケストラピット併設、電動廻り舞台、防火幕、背景画室や電機部などの近代設備。
付属技芸学校による「帝劇女優」の育成など、総合芸術を創造する環境を整備。

・サービス部門の近代化;
切符売り場、食堂、売店などの整備により観劇の楽しみ増大。
二代目(1916)へとその精神と名作上演の歴史が継承されている。

3.劇場空間と舞台プロデュース

劇場が芸術・文化の拠点となるためには、居心地の良さだけでなく、オリジナル作品の創造や国内外の公演を招聘するプロデュースカが不可欠。
様々なジャンルを上演する初代帝国劇場の多目的空間は、新たな観客層も育てた。
関東大震災後は築地小劇場や東京宝塚劇場が誕生、照明を用いた新しい演出等が登場した。
劇場自体が非日常と日常のメカニズムを生み出しており、総合的な改革が観客の感動を創出してきたのである。


永井聡子教授には2018年に半年間、静岡文化芸術大学の社会人聴講を受講した。
以下、参考迄に、今回の講座と関係する部分をピックアップしておく。

・「文芸大聴講 [演劇文化論]~第1
-2回 舞台芸術史」(2018.4.26記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1966275219&owner_id=3341406&from=list_diary_search

・「文芸大聴講 [演劇文化論]〜第3回 劇場空間近代化」(2018.5.2記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1966376142&owner_id=3341406&from=list_diary_search
 
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