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2026年09月19日11:00

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映画実写版 『ルックバック』 是枝裕和~1

9/16(水)、TOHOシネマズ浜松で『ルックバック』を観る。

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原作は2021年に発表された藤本タツキ(1992- )の同名漫画。
監督 是枝裕和により実写映画化。
映画は2026年ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門正式出品、金獅子賞受賞は逃したが、公式独立賞で3賞と特別表彰を受けた。詳細は別途。

漫画を描く事が大好きな藤野歩(ふじのあゆむ)と京本奏(きょうもとかなで)、スタートは小学4年の女子。彼女達の出会いと友情、成長と喪失の物語。
2度と戻らないかけがえのない時間への哀惜に満ちていて、それは青春そのものだとも言える。誰も胸の奥にその歓びと傷を持っているのではないか。

2人は秋田県にかほ市(旧 仁賀保町他の合併)の同じ小学校の生徒。映画はこの地で1年半に亘って撮影し、四季の自然と人を見事に映し出した。にかほ市は原作者 藤野タツキの故郷でもある。

藤野歩は学年新聞で4コマ漫画を毎回掲載、同級生や家族から絶賛され、それは彼女の大きな誇りだ。
ある日、担任の教師から、次の学年新聞の漫画の1枠を京本奏という女子に譲ってやって欲しいと言われる。
その子は別のクラスで、不登校のため顔に記憶もないし、漫画を描くという事も初めて知った。

学年新聞が発行されると、藤野と京本の4コマ漫画が並べて掲載された。
周囲の同級生は、京本の絵と並ぶと藤野のはフツーなどと残酷な事を平気で言う。
漫画を成り立たせるものは画力だけではないという事、小学生が分かる筈もないのだが。

自分が一番だと思っていた藤野は内心屈辱を感じた。もっと絵の練習をしなければと、様々な教材を買い集め、自室に籠ってスケッチブックに向かう日々。友達付き合いも二の次。自然クラスメートとは距離ができる。

コンを詰める妹に姉は、美大にでも行くつもり?美大行っても仕事なんかないよ、と冷たく言われる。
それでも頑張る歩だったが、学年新聞の隣に掲載される京本の絵を凌駕する事ができないという思いに囚われる。
藤野は6年生の途中で漫画を描くのをやめてしまう。

小学校卒業の日が来た。
藤野は教師から、京本の家へ卒業証書を届けてやって欲しいと頼まれる。

住所を頼りに彼女の家へ行き、玄関を開けて声をかけるが返答がない。
廊下を見ると、スケッチブックが両脇にうず高く積まれている。京本の日々の努力の跡に違いない。
4コマ漫画の白紙枠をその上に見つけると、藤野はつい描きこみをしてしまう。と、風が吹き、その紙はドアの下の隙間から中へ滑り込んでしまった。
藤野はよけいな事をしたと思いつつ、卒業証書を置いて京本の家を出る。

去っていこうとすると、家から飛び出てきた同じ背丈の女の子が後ろから「藤野先生!」と叫んだ。続けざまに、どうして漫画やめちゃったんですか? 私毎回楽しみにしてた。藤野先生の大ファンなんです。サイン下さい、と。
初めて見るが、これが京本奏に違いない。
紙がないため、京本は自分の半纏の背中に書いて下さいと、マジックを押し付けた。
藤野は彼女が着ているまま半纏に太く大きくサインを書いた。

藤野は嬉しかった。雨が降ってくるにも構わず、藤野はスキップをして家へと向かった。
彼女はまた漫画を描き始める。

中学校に入り、相変わらず不登校を続ける京本を藤野は家に呼び、一緒に描こうと誘った。
キャラクターとストーリーは専ら藤野、背景は京本が描いた。これで漫画家としては完璧。
2人は「藤野キョウ」というペンネームをこさえ、漫画賞受賞を目指す約束をする。

同じ目標を持ち、2人は藤野の部屋で毎日毎日熱心に描いた。
窓際のツクエで描く藤野の背中、畳に置いたこたつで描く京本の横顔、その姿は一心同体のようだった。
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原作者 藤本タツキの心中にあっては、藤野と京本は1人の少女の欠く事のできない半面ずつだったのかもしれない。
食事するのも2人一緒、出掛けるのも一緒だった。そして、夢について熱く話し合った。
引き籠りだった京本だが、未だ学校には行けないものの、毎日のように藤野の家にやってきた。
呆れる母や姉。

何時間でも描き続ける主役2人は、いつの間にか子役(2014年生まれ)から俳優(2001/2002年生まれ)に切り替わる。

中学2年で漫画雑誌に応募した作品が準入選となる。
雑誌がコンビニ店頭に並ぶ早朝時間に間に合うよう、2人は降り積むにかほの暗い雪道を、手を握り合い、しがみつきながら歩く。
その姿の上へ、雪はきらきら輝きながら降りつづけた。
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(続く)
 
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