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2026年05月08日11:00

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野島青茲展 /「吉野屋」及び「姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館」

5/3(日)、日本画家 野島青茲(せいじ/1915-71)の展覧会を観にいった。
会場は、浜松市浜名区細江町気賀(きが)にある老舗旅館「吉野屋」と、そのすぐ近く、「姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館」。我が家からは車で西へ10分程。
「吉野屋」は、数年前に旅館をやめ日本料理店に専念している。牛丼とは関係ないのでくれぐれもご留意下さい。

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・「吉野屋」会期 4/29~5/5

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・「姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館」会期 4/25~6/7

4/30の中日新聞朝刊が、この2つの展覧会について書いていた。
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今回「吉野屋」の広間に展示された作品のメインは、DMと記事の写真にも収められていた《文殊菩薩像》(1968)である。
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本作で野島は、輪郭線は白描画風で太さは均一、同じ白描画でも鳥獣戯画の線とは異なる。肌は地のままで色を使用せず明暗もない。衣服装飾品は1面1色で濃淡を加えていない。
落款には「法隆寺金堂壁画文殊菩薩復元模写 青茲試作」とある。

この文殊菩薩像があるのは法隆寺金堂壁画である。
制作されたのは7世紀後半~8世紀初頭と想定されている。経年による劣化が進み、1940~49年に模写が行われた。
当時の一流画家を動員して模写は開始され、野島青茲も1944~49年の間、この事業に参加した。野島の技量が画壇で認められていた事の証しである。

だが、ご存知の通り、同壁画は1949年、原因不明の失火により焼けてしまった。
壁画が焼損した1/26は、のち「文化財防火デー」と定められ、日本各地の社寺等で消火訓練が行われるようになったが、失われたものは戻ってこない。
その後、1967~68年には壁画の再現が行われ、野島はこれにも参加、文殊菩薩を担当した。

再現は以下4つの班で取り組まれた。
・安田靫彦班
・前田青邨班
・橋本明治班
・吉岡堅二範
野島は槁本班、平山郁夫は前田班に入った。

これも「吉野屋」に展示されていたもので、会場では何の写真か特定されていなかったが、メンバーを見るに、壁画再現を開始するに当って撮った記念写真ではなかろうか。

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写真の下の紙にメンバーの名前が記されているので、見にくいがご覧頂きたい。
前列に座っているのは、向かって右から槁本明治,安田靫彦,前田青邨,吉岡堅二。
後列右から2番目に立っているのが野島青茲だ。平山郁夫は後列左から3番目に顔だけ見える。
この推理が正しいとすると、この時野島は52歳前後。
3年後の1971年に彼は55歳で急逝、肺がんを原因とした心不全だった。

ついでなので更に脇道に逸れると、法隆寺金堂の焼損した文殊菩薩(第八壁画)はこんな惨状だった。
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これを野島らが再現したのが以下。
再現の到達目標は事前に行った模写、即ち1940年代の現状であるから、着色を含めここ迄が精いっぱいだったという事は理解できる。

これは、正式には《第八号壁(文殊菩薩像)再現壁画 全図》と呼ばれる。サイズは縦3.10m横1.53~1.58m。
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今回「吉野屋」に展示された《文殊菩薩像》(1968)は、これをベースにしつつ野島が制約を意識せずに描いたものと考えればいいだろう。データは不詳だが、幅は1m強程ではなかったかと思う。

その他展示に《法隆寺五重塔塑像》《スズメ》など全15点。
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光の写り込みで見にくいが、ご容赦頂きたい。

新聞記事にもあった通り、実は「吉野屋」は野島青茲の実家である。この長男として野島は生まれたが、旅館は継がず、東京美術学校(現 東京藝大)で日本画を学び、画業に専念した。

野島青茲の画家としての略歴は以下レポート参。
・「野島青茲について付記」(2016.5.10記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1952592382&owner_id=3341406&from=list_diary_search

次に「姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館」の展示品(全10点)からピックアップする。
《蘭と俑》(1962)
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《枇杷と絵皿》(制作年不詳)
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《椿》(1955)
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《モデル》(1960)
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本素描の顔部分の習作が「吉野屋」の別室に展示されていた。
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新聞記事中に写真があった《うちわ》(1970)は、〈付記〉のリンク「野島青茲と吉野屋」で画像を見る事ができる。
国登録有形文化財となっている「吉野屋」の建物と、美しい庭の写真も貼付しているので、併せてご覧頂けたらと思う。

〈付記〉
「吉野屋」と「姫街道と銅鐸の歴史民俗資料館」で並行して野島の展覧会を行うようになったのはたぶん2024年からではないかと思う。
以下レポート参。

・「野島青茲と吉野屋」(2024.5.5記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1987528297&owner_id=3341406&from=list_diary_search

・「野島青茲と武原はん」(2025.4.30記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1989877835&owner_id=3341406&from=list_diary_search
 
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