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2017年07月08日23:19

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三浦綾子の言葉

ふいに近くで女の泣き声がした。胃けいれんの女だった。
「ドウシマシタ?」
宣教師の声は落ちついていた。救命具のひもが切れたと女が泣いた。
「ソレハコマリマシタネ。ワタシノヲアゲマス」
宣教師は救命具をはずしながら、続けていった。
「アナタハ、ワタシヨリワカイ。ニッポンハワカイヒトガ、ツクリアゲルノデス」
啓造は思わず宣教師を見た。しかし啓造は救命具をゆずる気にはなれなかった。


(三浦綾子『氷点』上)
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