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2026年09月11日12:00

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映画 『Backrooms』~2

(続き)

クラークから音沙汰がなくなったため、メアリーは、彼の家具店を訪れてみた。
どういう訳か、家具店前には重機が入り、取り壊しが始まっていた。訝しむメアリー。
店の前に残されていた古びたニュータウン開発の看板を見て、メアリーは思い出す事があった。

…幼少期、彼女の母親は精神を病み、長くメアリーを束縛して家から出さなかった。窓を開けようとするだけで、母親は彼女をきつく叱った。
母娘の古い家はニュータウン開発時に取り壊される事となり、一方、家具店の方はその時建築が始まったのだと思う。
店の駐車場工事が始まり、コンクリートがまだ柔らかな時、幼いメアリーと母親は両手をそのコンクリートに押し付けてみた…。

その時の手の跡が残ったコンクリート片を、メアリーは取り壊しが開始された店の前で見つけ、ポケットに入れて暗い家具店の中へ入っていった。

クラークから貰ったスケッチを頼りに、メアリーはBackroomsに恐る恐る入っていった。
奥へ進むと、メアリーは何かの気配を感じ、恐怖に駆られた。
とある通路に曲がって振り返った時、黄色の壁紙に映った影が揺れた気がした。
誰かいるの?と叫ぶと、しばらくして物陰からクラークが現れた。
彼は静かに言った、他人から否定される事もないここが気に入った、この空間は自分の居場所だ、と。
そして、メアリーを奥へ案内し、狭い場所に入れた。メアリーは母に束縛されていた頃を思い出した。

クラークがメアリーを食事に誘った。食卓の周囲には、眼がいくつもある異形の男女がいた。
クラークはナイフで男の首を刺し、食べられるからと、その腹から肉をもぎ、女の髪の毛を引き抜いた。血は出なかった。それらを皿に盛って出されたメアリーは心底震えた。
クラークが冷蔵庫の扉を開けると、行方不明になったキャットの頭部がその中に見えた気がした。

クラークが奥に向かって呼べば、海賊姿をした2m以上もある男が現れた。これは、クラークが店のCM用に撮影した自分の肥大化した複製のようだった。
愛おし気に大男を抱きしめようとすると、海賊は軽々とクラークの身体を抱き上げ、彼の肩にかぶりついた。
クラークの悲鳴をあとに、メアリーは大急ぎで逃げだした。海賊姿の大男は、大股でメアリーを追いかけてくる。
メアリーはBackroomsの構造がよく分からない。小さな通路に入って追跡から逃れようとしたが、大男の手は思ったより長い。
とうとう海賊につかまり、持ちあげられそうになると、メアリーは店の前で拾った手形の付いたコンクリート片をポケットから出し、大男の顔を滅茶苦茶に殴った。

隙を見つけ、メアリーは店内へと逃げた。
すると、放射能防護服のようなものを着た男達が現れてガスを吹きつけ、メアリーは気を失った。

あとから、男達が「Async研究所」の所員だった事が分かる。
Async研究所は、以前からこの異常空間(Async=同期しない)を認知し、研究してきたらしい。
所員の1人フィルからメアリーは尋問を受ける。
メアリーは、自分がこれからどうなるのかフィルに尋ねたが、フィルはそれに答える立場にない、と。
どうやら、この空間について、部外の人々に知られたくないようだ。

映画はメアリーのその後には触れず、カメラは再び例のBackroomsへ入り込んでいく。
空間の中には、いつの間にかAsyncの尋問ルームの歪んだ複製らしきものができている。
そのルームの中には、表情のないメアリーの姿の複製が座っている。
Backroomsの空間は入り込んだ人間の記憶を吸収し、それから忽ち複製をこさえ、どんどん増殖して膨らんでいくらしい。
但し、眼鼻がたくさんあった男女のように、どうやら古いものは複製の精度が低いようだ。

本編はこれで終わるが、エンドクレジットが終わると、16分の追加映像が流された。
これはAsyncの側の過去からの調査記録と言えばいいだろう。
この調査員の中には、クラークが壁の蓋を剥がしてバッグの中から見つけたIDカードの男もいた。

初めて観る新しい種類のホラーである。


監督・音楽 ケイン・パーソンズ
脚本 ウィル・スーディク
撮影 ジェレミー・コックス
編集 グレッグ・ン
プロダクション・デザイン ダニー・ヴァ―メット
音楽 エド・ヴァン・ブリーメン(共同)

出演 キウェテル・イジョフォー,レナーテ・レインスヴェ 他

2026年/米国
 
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