瀬戸芸tripenartと時を同じくしてNHKBSで放映されていた『二十四の瞳』。
壺井栄の原作を読むこともなく、映画すら観たことがない。
時代に翻弄され、子どもたちに次々と訪れる不幸の連鎖。
夢も希望もない暗澹な物語だけど、いのちを残した7人と泣き虫先生。謝恩会のシーンに感動した
土村芳演じる大石先生の優しさがほんとうにステキだった。こんな女先生に出会いたかったものです
《瀬戸芸9》承前
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女木島から高松港経由でもっと大きなフェリーニ、否、フェリーに乗り換えて60分。
二十四の瞳たちが産まれた小豆島へとたどり着く
人生3度目となる上陸で、初めて泊った港近くの旅館。ここの女将がとても親切で、フレンドリーで、痒い所に手が届く評判通りのフロントウーマン
施設は古いがホスピタリティ満点★5.
2022瀬戸芸・夏・
ラストデスティネーションは新作インスタレーションとかソフトクリームとか。
寒霞渓には寄らずに、これまで未踏の地を中心にレンタカーは島内一周を試みる
とりあえず島内にある八十八ヶ所巡りの代わりに、道端の勧請所に立ち寄って朱印を拝受。
いざ、小豆島tripenartのスタート。
小豆島はオリーブの島、そうめんの島、そして石切りの島。
中心の寒霞渓を避ければ、土庄の反対側、北浦〜福田へは有効に時間を使って芸術鑑賞ができる。
土庄港からは最遠地、福田へ向かい『福武ハウス』を訪ねてみる。
《葺田八幡神社》
蝉がワンワンと啼き叫ぶ森の中、御朱印を揮毫してくれた宮司さんの目が「よく、来てくれました」と、とても優しい。
境内には豊島美術館を思わせる『葺田パヴィリオン』は西沢立衛作品。
福武ハウスの舞台ともなっている廃校のリノベーションも、西沢設計。
『アジア・ギャラリー「時代の風景・現在の肖像+++」』
お蔭様なのか、悲しむべきなのか。ここまでやってくる鑑賞客は数える程度。
暑さが原因か、コロナくんが原因なのか。瀬戸芸夏開催3日目のこと。
今回のtripenartでどうしても見学したかった新作『小豆島ハウス』
芸術祭の予習を兼ねた《北川フラム塾》1月開催のテーマだった。
この時にプレゼンした作家たちのレビューを、フラムディレクターが一刀両断。

「芸術祭のコンセプトがわかっていない

」
それから7か月。果たして、出来上がった作品は…なるほど、フラム氏の慧眼が確かなようだ。
同時にプランニングされたフードカーのプロジェクト。
移住して地元の魚介をフライドしたフィッシュ&ティップスがメニューだったけど、これもまた残念な結果に泡を噴いていた。がんばれ、若者
『スターアンガー』&『アンガー・フロム・ザ・ボトム 美井戸神社』(ヤノベケンジ)
2013年からのインスタレーションで、小豆島のシンボル的な存在にもなっている。
予定にはなかった。港のコンビニでいただいたパンフレットで、この美術館の存在を知り、そしてこの美術館が昨年9月にオープンしたばかりのことを知った。
《醤の郷現代美術館》★5.
入館料1,500円。なかなか強気のプライスだったが、それほどの期待はしなかった。
著名(当社基準)は植松奎二のみで、あとは渡辺信子、中川佳宣らの地元アーティストオリジナル作品が10点ほど。
足を進めていくと、映像コーナーがあって1時間弱のドキュメンタリーが4本順繰りに流されていく。
パイプ椅子に座って”ちょっとだけの鑑賞”と覗いてみると、驚いたことに杉本博司先生のドキュメンタリー。この僥倖。
さすがに、瀬戸芸tripenart最終日とあって、コクッとルーティンな時間もあったようだけど、やはりおいらは持っている
そして、こののちに現れる驚愕の作品群に泡を噴く神奈川県民。マーベラス
杉本博司、森村泰昌、宮脇愛子、磯崎新、イサム・ノグチ。
川島猛、菅井汲、大岩オスカール、リー・ウー・ファン、柳幸典。
さらには圧巻のボルタンスキー。
出口に着くころにはフラフラになっていて、スタッフさんも笑顔で迎えてくれた。
コレクターの人となりを知りたく、会えることを願ったが、その奇跡はまた次回に持ち越そう。予想外の作家群に驚き、小豆島一番の感激を得て、さぁスイーツタイム。
日本一クラスのソフトクリームフリーク・川オス(自称)。
その彼(←おいら)が日本一と豪語する小豆島・つくだにソフト。
今回、再び食してもその地位は変わらず。
帰りの船が迫ってきた。
土庄までクルマを戻す前に《迷路のまち》へ入り込む。
作品名『立入禁止』(土井健史)
町役場や植え込み。ただ、普段の立入禁止場所にロープを敷いて「立入禁止」の表示がされているだけ。
もし、鑑賞者が疲れていたり、暑さに参っていたら、きっと腹の立つ作品になる。
最後は『迷路のまち〜変幻自在の路地空間』。
インタラクティブなアーチスト集団=目:me=が仕掛けたのは、外壁の白壁をそのまま建物内部まで埋め尽くし、迷路を造り上げてしまった洞窟型居宅。
周り廻って汗を搔きながら、そして腰を痛めながら、やがて外に出る
16時30分発、高松行きフェリー。
適度な乗船客が、それぞれに想い出を詰めて帰っていく。
夕方フェリーのルーティン
前列に座っていたちびまる子ちゃんのような少女(小学1年生)との会話が弾む。
彼女のお兄さんが参加する少年野球タイガースの応援にお付き合い。

「夏休みはどこかに出掛けるの?」

「どこもいかへん。あんたはどうなん?」

「来週、アメリカ行くよ

」
遠い目になりながら、少女がひと言。

「アメリカには行かへんやろ。そんなお金あらへんで

」
お金は大丈夫なんだと、神の声。

「けっ、帰ってこれへんで

」
お陰様で楽しい帰りの航路だった。
少女の断言するようなセリフを耳に残し、コロナ蔓延下にある異国から”絶対に安全に帰国するんだ”という新たな誓いが芽生えていた。
小さな少女のささやきが、次にやってくるアメリカ大大大tripenart に、さらなる慎重さを植え付けてくれたのは間違いない。名前も聴くことはできなかったが、あらためて彼女との出会いに感謝を伝えたい。
(瀬戸芸・夏会期 了)
■JR四国が運賃値上げへ 高松―岡山で110円増、定期でも大幅に
(朝日新聞デジタル - 08月26日 19:21)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7087399
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