06『江之浦奇譚』(杉本博司)★5.
奥付には令和2年10月、第一刷。
今年1月、小田原少年刑務所への往訪ののちに、人生2度目となる江之浦測候所訪館で、先生からいただいた著者サイン本
その美術館の、とてもお話好きだった男性スタッフによると、

「クソコロナで本拠地であるニューヨークへ帰れなくなった杉本先生が、日本滞在中に書いた江之浦測候所の誕生記録です

」
ありがたくてありがたくて、とてもページを開くことができなかった
《岩波書店》の4文字が、ブックオフやメルカリばかりのおいらに重くのしかかる。
”自分には、まだこの書籍を読む資格がないのではないか”…とか。
僕にとって杉本博司との出会いは2013年の直島、護王神社からとなるはずだ。
そのあと、多くの現代アーチストたちに混在するように、どこかしらで彼の作品に出会ってきた。
2018年・冬。
初めて江之浦を訪れたその感動を引きずって、ルーティンの一つであったワールドアートの旅《2019年・フランス》のプランにベルサイユを入れたのも、旅行期間中に杉本博司の個展がベルサイユ宮殿内で開催されるという記事が切っ掛けで、その後の深い縁を暗示する。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970298235&owner_id=8666179&org_id=1970288186
その年の1月、前夜までの大雪で、土も見えないほど雪原に覆われたヴェルサイユ宮殿のただただ広い庭を、汗をかきながら一人歩いて回った当時が懐かしい。
国内に戻って、小柳ギャラリーや茶洒・金田中に顔を出し、日経新聞の『私の履歴書』を連日拝読し、借り物だけど『空間感』も完読。京セラ美術館の杮落しに立ち会い、そして、先日ようやく杉本作品国内最多所蔵を誇る島根県立美術館に間に合った。
これでもう大丈夫だろう。
『江之浦測候所』構想からオープンまでの25年の回顧録。1ページ目を開いてからは、もう杉本ワールドに溺れていた。
今朝までに50ページほどを残していたが、今日のランチ終わりの昼下がり、BGMに大瀧詠一や浜田省吾を流しながら、一気に完読。たまには、そんな時間があってもいい。
呆れるぐらいドン・キホーテ。夢を現実に変えている。
さらには、終わりのない江之浦測候所。杉本博司が生きる限り、成長を続けていく。
2度目となる今年1月は『大祠台』と『片浦稲荷大明神』が新設されていた。
3度目に尋ねるころには、きっと春日大社の御霊入れも終えているに違いない。
先日、ランチに寄ったホテル・ニューオータニ。
人間の証明のキーアイテム《麦わら帽子》に見下されながらひっそり構える日本庭園に、神鹿や茶室、そして十三塔。
古今の素封家たちの集めるモノに、それほど変わりはない。

「骨董とは、持ち主が累々と変遷して、その持ち主の人生までもが積み重なり、価値を育むもの

」
『はじまりの記憶』(2011年)★5.
杉本博司ドキュメンタリーDVD。
WOWOW放映がオリジナルで、映画公開は2週間程度。
未見だったが、手元に『江之浦奇譚』がやってきたのちのある日、ブックオフで見つける。プライスは中古なれど5,400円
それだけ希少なのだろうと、勝手に判断して清水の舞台から飛び降りる気持ちでpaypayクリック。
あとで調べたら、新品2万円以上、中古市場でも1万円はくだらないという、掘り出しものだった。
古物商だった杉本博司が、写真家としても名声を重ね、建築家や芸術家など多才ぶりを追いかけたドキュメンタリー。ゲストアーチストも豊富。
これを見たお陰で、またフランスに行かなければいけなくなった。(←いく)
まだまだ国内に残した杉本作品は数あれど、これはいつか、藤森作品、隈作品などとともに、いつかは足跡がつけられる
旅は終わらない
■「日本一太い」マツ、枯死で伐採 バイオリンに転生?
(朝日新聞デジタル - 06月11日 12:03)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6551089
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