緊急事態解除となった初めての日曜日。
ようやくマスクで顔を隠すことなく、堂々と外を歩けるようになった
クソ自粛警察の連中もこれにて失業。
勘違いの正義は、これからどこへ振り向けられるのか。
23区内で唯一の渓谷は世田谷区にあり
自粛疲れの真面目人たちが、まるで登山家のような出で立ちで繰り出していて、狭い渓谷に三密の予感。
ほんの少しだけ森林浴を楽しんで、この日の目的地、隈さん建築物へ足を向ける。
世田谷区内のオフィスから至近であるのに、実はその存在の価値を知らず、古びた庭木が散らかった一戸建てという認識でしかなかった。そもそも、ここ等々力は著名人が多く住む高級住宅街。
《村井正誠記念美術館》
ここに村井正誠なる洋画家の美術館があり、それが隈研吾のものであることを先生からご教示いただき、この日、ここに立つことができた。
コロナ自粛中でもないのに、正規の営業時間がものすごい。
「3月〜5月、9月〜11月の日曜日のみ開館」「入館は事前に往復はがきで申し込み」
この難関をギリギリ乗り越えた、まさに奇跡の訪館
庭木は生えるまま、いかにも隈研吾のルーバーも木材が朽ちて歯抜けになっている。
水盤の一つにはお玉杓子がうごめき、もう一つには廃車になって久しい画伯の愛車が水に漬けられてさびている。タイヤから生えている水草が瑞々しい。
恐る恐るアトリエを覗くと、館主であるご婦人が笑顔で迎えてくれた。

「今日はもう一組、外人さんがお越しになりますよ

」

→TOEICスコア300点(自称)であることは黙っておこう。
開館時間の11時から少し過ぎたあたりでやってきたアカデミックないでたちの外人夫婦。聞けば、フロリダ出身で2年前から横浜在住。奥さまが建築ファンで日本語担当、ご主人は横浜国大フェローだそうだが、日本語はほぼ無口。
館主やおいらのつたない日本語を奥さんが訳してフェローに伝えていた。

「隈研吾作品が好きで来ました」などとは言うこともできず、村井画伯の作品を見に来たことになっている。
あながちウソではない。笠間日動で村井画伯のパレットを観ているわけだし。
『自画像』

「モンドリアンみたいですね

」

「あっ、先生はモンドリアンに例えられるのがあまり好きではなかったわ」
いけね。掴み失敗
但し、これが唯一のミス。あとは口八丁手八丁の懇親を図り、画伯と館主婦人の”朝ドラにでもなりそうな”愛に溢れる逸話を聞かせていただいた。
アトリエをそのまま美術館として公開。
この美術館創立に至るプロセス。そのご苦労は81歳になる刀自が生き証人。

「朝ドラになりそうなストーリーですね」

「とんでもないわよ。そんなことしたら、やっかみで大変よ」
いけね。再び失敗
後方に掛けられた茶系の壁画はイイノホールにパブリック展示されていたもの。
イイノホールの建て替えで一部引き取っているが、今もなおこの片割れが壁画として描けられているという。何度も何度も試写会のたびに訪れていたイイノホールに楽しみが加わった。

「ところで、どうして隈研吾さんが?」
あくまでも建築物はついでとばかりに、刀自に質問をぶつけてみた。
村井画伯は亡くなる前から自分の美術館を建てたいと願っていた。
願いがかなわずに亡くなると、未亡人となった彼女は「生誕100年」を目標に、知縁を得て隈研吾に設計を依頼する。
1991年、環八沿いに『M2ビル』なる突拍子もないコンクリート建築物をぶっ建てて、その悪評から失意の12年間を過ごしていた隈先生。
或る意味、先見の明あり。
「この先生にお願いするわ」「お受けいたします」
こんな感じで木造の旧宅解体で出た廃材を再利用して美術館を新築。
2004年《木の隈さん》が誕生する。50歳。
隈研吾曰く「私が一番好きな作品」
遅れてきた出世作ということだろうか。
それからの活躍は周知の通り。
ところで、おいらのマイベスト隈さんてどこだろう。3つほど思い浮かべてみた。

サニーヒルズ南青山

守山市立図書館

STARBUCKS RESERVE ROASTERY TOKYO
スタバは、中で働くスタッフたちのホスピタリティあってこその1位かな。
国立競技場はどうなんだと問われれば、外観はスペシャリティだが、使い勝手が★1つ。
来年、万が一オリンピックが開催されるなら、国際的に恥ずかしい競技場をお披露目となりそうで、インバウンドの方々に申し訳ない。隈さんに変わってお詫びする。
《村井正誠記念美術館》
作品はもとより、館主刀自の怒涛の人生に感銘を受けた。
ありがとう
■お父さんのための「秘密基地」が誕生したゾ テレワークで使える段ボール間仕切り「マイブース」発売
(まいどなニュース - 06月02日 19:40)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=262&from=diary&id=6105092
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