mixiユーザー(id:8666179)

2020年02月11日18:42

216 view

《2020長野3》無言の絵画

人生においてのつながりに感謝して生きている。
小さなことでも、或いは大きなことでも、一期一会が一期多会、多期多会へとつながっていく。
例えば、今回の長野紀行。
あらかじめ決まっていた松本泊の機会に、幾つかのつながりで余禄が出来上がる。
同級生がつぶやいた『碌山美術館』、そしてマイミクさんがコメントしてくれた窪島誠一郎に反応して検索した『無言館』。いずれの地も松本から守備範囲内。
アンテナを高くしておくと、こんな僥倖に恵まれる。感謝。
フォト
『無言館』★5.
コンクリート打ちっぱなしの堅牢な館には入館のチケット売り場がない。
フォト
ドアを開けて入館すると、十字架をイメージしたであろうワンフロアの展示室。
順路に沿って作品を鑑賞して、無名作家のキャプションに涙する。
太平洋戦争という国同士の自分勝手な殺人合戦のコマになり、不本意に命を落としていく若い画家たちが、無言で遺していった作品たち。鑑賞する者も自然に無言で頭を垂れる。
フォト
途中、自分と同年代と思しき夫婦連れが入館してくるまで全くの貸し切り状態。
入ってきた夫婦のうち、奥さまはゆったりと鑑賞をしていたが、旦那さんはどうやらおいらにとってのワイフさんのように、コンクリートの床に大きく足音を鳴らして、まるで風神雷神のようにあっという間に去って行った。何しに来た、旦那さん。
フォト
2巡回と半。存分に作品を鑑賞し、出口に向かう。
入館料1,000円が出口での支払いとなっている。
どうせ、レジのおねえちゃんもヒマそうだ。おいらの退館が今日の27人目という「正」の文字をノートに付け終わったおねえちゃんと、しばらく『無言館』談議。
内壁のレンガにはこの美術館の維持に寄付をした寄進者の名前が多数刻まれている。
別館として在った『信濃のデッサン館』は、残念ながら経済的理由などで無期限休館中。おいらにできることはポストカードを買うこと。3枚買ったドル袋(←偉い)
フォト
《裸婦》(日高安典)
〈あと5分、あと10分、この絵を描きつづけていたい。外では出征兵士を送る日の丸の小旗がふられていた。生きて帰ってきたら、必ずこの絵の続きを描くから…。安典は、モデルをつとめてくれた恋人にそう言い残して戦地に発った〉
フォト
戦没画学生慰霊碑『記憶のパレット』
フォト
フォト
第二展示室『傷ついた画布のドーム』
フォト
美術書を中心に蒐集された3万冊の蔵書『オリーブの読書館』
フォト
屋外展示物も無言で哀しみを告げている。
血染めの筆とグレイのポストは、一体なにを意味したものなのか。
フォト
第二展示室のマイベストウマ
幾つかの作品に、彼が生きていればきっとどこかの美術館で彼の新作を観ているおいらがいるだろうな。と、思いを深めた。

入館すると主宰者である窪島誠一郎氏の言葉が刻まれている。自らの記憶のために。
【あなたを知らない】
遠い見知らぬ異国で死んだ画学生よ 私はあなたを知らない 
知っているのはあなたが遺した たった一枚の絵だ 
あなたの絵は朱い血の色にそまっているが 
それは人の身体を流れる血ではなく 
あなたが別れた祖国のあのふるさとの夕やけ色 
あなたの胸をそめている父や母の愛の色だ 

どうか恨まないでほしい どうか咽かないでほしい 
愚かな私たちがあなたがあれほど私たちに告げたかった言葉に
今ようやく五十年も経ってたどりついたことを

どうか許してほしい 五十年を生きた私たちのだれもが 
これまで一度として あなたの絵のせつない叫びに耳を傾けなかったことを 
遠い見知らぬ異国で死んだ画学生よ 私はあなたを知らない 
知っているのはあなたが遺したたった一枚の絵だ 
その絵に刻まれたかけがえのないあなたの生命の時間だけだ
(窪島誠一郎)

最後に訪問ノートへ記録した。
蟹座「戦争は殺人ではないなんて戯言(ざれごと)を信じていたあの時代。死に行く若者を万歳三唱で送り出す護国かぶれの狂人たち。将来ある若者たちが犬死にしていくというのに、鉄砲撃った殺人者たちは英雄かい?」



アート2万ドルのアート作品が粉々に壊れてしまう事故 美術評論家の行動に非難集まる
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=5969301
14 8

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2020年02月>
日 月 火 水 木 金 土
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829

最近の日記

もっと見る