今日のちょっと物思い
アメリカの兵隊が日本の少女を暴行。アメリカの兵隊が強盗殺人。不法侵入、万引き、酒気帯び運転・・・・・。自分が東京にいて、東京を中心に報道する全国紙を読んでいると、米兵が起こす事件のニュースには、米国政府側からも、日本政府側からも、きまって「綱紀粛正」「再発防止」の四文字熟語が発せられ、話はそこ止まり。
沖縄に行って、沖縄の人と話をし、「琉球新報」 と 「沖縄タイムズ」を読んでみれば、まるっきり違う視点が得られる。アメリカの占領地として扱われる沖縄は、市民生活のあらゆる面に基地の存在が影響を及ぼし、事件が絶え間なく起きていると分かる。「占領支配」 の当然の併発症として。
ニュースになって東京まで伝わってくる事件は一部にすぎず「綱紀粛正」で、どうにかなる次元の問題ではまったくない。
「再発防止」のために有効な手段はひとつだけ、軍の基地をなくすこと。しかし、その 「摘出手術」 の代償を払いたくない日米国両政府は、インチキ粛正のエアブラシで、修整を施すのだ。
1960年に結ばれた「日米地位協定」は、事件が起きてもニュースにならないよう、予防修整装置として機能しているのではないか。米兵が罪を犯した場合、その「身柄が合衆国の手中にあるときは、日本国により公訴が提起されるまでの間、合衆国が引き続き(拘禁を)行なうものとする」―要するに、容疑者の取り調べができないので、立件になかなかこぎつけられない。
地位協定を読んでいると、現在起きている事件がみんな、最初から想定内だったのではと、邪推したくなる。
(アーサー・ビナード『亜米利加ニモ負ケズ』)
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