3月16日(月)。
ワイフさんが大好きだった祖母が亡くなられた。
自分にとっては、義祖母。娘たちにとっては、曾祖母で“大きなおばあちゃん”。
享年満98歳、白寿まで1年を残されての大往生でした
脚を悪くした以外は、ほとんど病気知らず。
ワイフさんの郷里・庄内にいる義兄から入ってくる刻々の連絡。
20時を過ぎた頃には、救急車に乗せられてどこかの病院に運ばれた様子。
なんとか逢わせてあげたい。
ネットを駆使して帰り道を探ってみた。
ちなみに、終夜おいらがハンドルを握る選択はない。危ないし、雪道だし、マーチだし。
夜行列車が多くの希望を運んでいた時期だったなら、上野駅発の寝台列車があったし、ほんの少し遡れば、村上までのんびり走り続ける《ムーンライトえちご》なる夜行快速もあった。
唯一残った「夜行バス・夕陽号」も平日便ながら満席。
運行会社の庄内交通、国際興業も電話受付は20時まで、と締め切られていた。

「ダメもとで、渋谷バスターミナルまで行ってみよう。キャンセルがあるかもしれないし

」
ワイフさんに喪服を持たせ、乗れたら乗る、乗れなかったら早朝便の飛行機で駆けつける、という2者択一。
22時。渋谷マークシティ、雨
山形県酒田市行きのバスがやってきた。22時30分に出発して、明朝7時着。
これがワイフさんを一番早く祖母のもとへ届けるための手段。
しかし、ネット予約には「×」がつけられ満席を示している。
運転手さんが降りてきて、トランクをあけて乗客を迎え入れる準備を始めた。

「行ってくる。ここで待ってて。ダメもとでね

」
この10分前。
義兄からの電話で、眠るように息を引き取ったと連絡があった。
無念。
しかし、苦しみも痛みも、あるいは周りに大きな負担を掛けることもなく去っていった。
羨ましい亡くなり方であることは事実だと思う。

「お願いがあるんです。妻の祖母が亡くなって、どうしても明朝に帰りたい。キャンセルがなかったかどうか、調べられないか?」

「今夜は満席なんだよね」
懐かしい庄内弁。
おいらが、山形へ行くと、この訛りが飛び交っていて、とても優しい気持ちになる。

「ダメでしょうか」

「んん〜、あんたたつ、ふたりかの?」

「いや、妻1人で」

「ひとりか、ひとりなら、いいよ。一番後ろ、A-10の席でよければ乗っていいよ」
このような時のため、ということではないだろう。
が、指定席には1つ、何らかの理由で空きがある。
遠くの待合室で沈んでいるワイフさんに大きく○のサイン。
目を赤くした彼女が、荷物を持って飛び込んできた。

「ありがとう」

「いや、運転手さんだ」

「ありがとうございます」

「まんず、たいへんだったな」

「もっけだの

」
川崎にしか住んだことのないおいらには羨ましい方言の会話を交わしながら、夜行バスに乗り込んでいく。
母、兄だけが待つ郷里へ帰っていく。
ワイフさんがいないと、我が家は意外と静かになる。
23時過ぎて、渋谷から一人帰宅した。
娘たちが3人、寝ないで待っていた。
生と死をテーマに、悩み考えながら会話を続けていた。
そんな娘たちを見てちょっと嬉しくもあり、ワイフさんから届いたLINEに寂しくもなった。
合掌。

ぽかぽか陽気 東京は20度超す
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=3323724
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