『私たちは甘えているのですよね。自分に会ったら、人は笑顔を見せるものだと、決めてかかっているのですよね。
人にはそれぞれの生活があって、ある人は自分の病気に心を捉われている時もあります。
ある人は家業がうまくいかず、そのことで心を暗くしていることもあります。ある人は離婚問題が持ち上がり、大声で叫び出したいような、辛い思いの中にいることもあります。
それなのに私たちは、そんな状態の人びとにも、笑顔を見せろと要求しているのです。優しい言葉をかけて欲しいと、期待しているのです。私たちはあまりに自分が可愛いのです。』
(三浦綾子 『風はいずこより』より)
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