知恵を得た猿が覚えたのは・・・
カトキ立ちだった。
いや、きっちりほんとにカトキ立ちってわけでもないんだけど、ピンと両足と背筋を伸ばして、少しカメラに対して斜めに立ちながら、ぐっとカメラを睨む。これがかっこいい。猿のくせにやたらとかっこいい。
このシリーズは、猿が世界を支配しているという悪夢のような設定が売りだが、今作はそこへと至る経過を描くエピソード0的な内容。シリーズ4作目に当たる「猿の惑星・征服」のリ・イマジネーション版と言っていいだろう。したがって、旧シリーズ5部作とも、ティム・バートンのリ・イマジネーション版とも直接リンクするものではない。それでいて、映画が終わった後で猿と人間の関係が逆転することになるであろうと示唆して、苦い後味を残している。そこはこのシリーズのポイントを外していないわけだ。
猿に感情移入させるため、あくまで猿を被害者として描き、人を襲ってもトドメを刺す描写は避けている。少なくとも、直接的な人死の場合は主人公以外の猿が手を下している。そうした辺りを甘い描写だと感じてしまうが、まぁ理解のできる範囲であり、上記のように苦いオチを入れることで、全体としては引き締まった印象を与えている。なかなか楽しめる映画だった。
(以下、知らない人のための過去作ネタバレ)
「猿の惑星」:地球を発った宇宙船が、とある惑星に不時着。そこは猿が言葉を話し、下等生物である人間を支配している世界だった。傑作の中の傑作SF映画。実は未来の地球だったというオチ。
「続・猿の惑星」:言葉を失った人類とは別に、地下に逃れた人類がミュータントとなり、猿の支配を覆そうとしていた。無理矢理な後付け設定で、最後は地球爆発エンド。駄作の中の駄作。
「新・猿の惑星」:現代の地球に宇宙船が落下。中から出てきた操縦士は言葉を解する猿だった。1作目を逆転させた設定が衝撃的。物語も1作目にリンクすることを匂わせて、その暗い予兆がたまらない。
「猿の惑星・征服」:知恵のある猿は、人類によって奴隷として扱われていた。耐えかねた猿たちは人類に反旗を翻す。設定は良いが、低予算のため見るに忍びない出来となった。
「最後の猿の惑星」:人類と猿との戦争の後、一時的に両者は共存する社会を作っていたが、猿の種族間闘争があったり、新人類が陰謀を企てたり。これまた低予算で無残な出来になっている。
「PLANET OF THE APES 猿の惑星」:「バットマン」のティム・バートンがシリーズ1作目を大胆に翻案して玉砕。まぁ1作目が傑作過ぎるわけで。
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