今年もあとわずかとなった。この一年間に劇場へ足を運んだ回数が104回。リバイバル上映やリピート鑑賞を除けば、新作映画を89本観たこととなる。
「映画ファンを名乗るなら年間100本観てから書き込め」というネット特有の煽りがあるが、数をこなすだけでも結構大変なのだと思い知らされた。年間100本も観ようとするのは結構キツイ。というか、暇人だと思われるだけだ。
まだ年内に何か映画を観たくなるかもしれないが、とりあえず今日までの段階で個人的な年間ベスト5+αを選んでみた。
1位:「ヒックとドラゴン」
少年向け冒険ファンタジーの王道。優等生的にバランスの取れたアニメ映画。
えてして、そんな優等生映画よりも、むしろ歪でも一点突破的な魅力を武器とする映画にこそ、人は強く思い入れを抱くものである。自分の場合、今年の上半期時点では「劇場版なのは」を超えて面白いと思う映画が現れるとは思っていなかった。
だが、物語、映像、演出、音楽などのすべて点で平均以上のクオリティを持ち、かつ目立った欠点がない「ヒックとドラゴン」の総合力には、これを今年のナンバー1映画としてあげざるをえない。傑作である。
2位:「魔法少女リリカルなのは THE MOVIE 1st」(絶叫上映仕様)
特定ファン層向けの極めて歪なアニメ映画であるが、それゆえにファンの支持は強い。
個人的には、初見で駆け足のダイジェストにしか見えなかった映画が、絶叫上映オフ鑑賞では全く違う映画といっていいほどに楽しい映画になったことに驚かされた。応援したいチームの有る無しで、野球観戦の楽しさが全然違ってくることに例えれば分かりやすいだろうか。
オタクの中でもとりわけ奇行を揶揄されることが多い「なのはオタ」の生態を間近に見られたことも貴重な経験だった。おかげで自分も今更ながらTVシリーズを「無印」から見始めて、正月休みには「StrikerS」を一気見しようとしているところだったりする。
3位:「おまえうまそうだな」
今年最大のダークホース。絵本のアニメ化ということで、完全に幼児以外お断りの内容かと思いきや、大人視点でもアニオタ視点でも楽しめる素晴らしい映画だった。脚本と音楽は、これこそプロの仕事だと感嘆させられる。是非、多くの人に観てもらいたい。
4位:「第9地区」
米アカデミー作品賞の候補となったSF映画は、決して多くない。これはその稀有な事例。もう目新しいアイデアなんて出てこないのではと思っていたジャンルに、まだまだこんな切り口があるのかと感心させられたことも嬉しい。
5位:「処刑山 デッド卍スノウ」
笑いとアクションを程よくミックスしたノルウェー産痛快ホラー映画。
サム・ライミの「死霊のはらわた」の再来と言っても過言ではあるまい。
次点:「涼宮ハルヒの消失」
5位までの枠には入らなかったが、今年の一本として触れておきたい良作。
実写での描写が難しいことから、アニメがSFやファンタジーに向いていることは言うまでもないが、一流のスタッフの手にかかれば、人物の感情表現にこそ力を発揮するのだということを認識させられた作品。この映画における長門の機微を演じ切れる女優が実在しえないことなど、考えるまでもなく分かることだ。それをアニメで描き切った京アニの技術に、観客側の十分なリテラシーが合わさって、一本のアニメ映画を芸術と呼ぶに値する域にまで押し上げているのだ。いい年をして尚アニメを見続けてきたことを、改めて良かったのだと思える映画との巡り合いである。
これを言葉を変えて表すなら「長門萌え」「三次元より二次元」ということになってしまうのだが。
以上、今年はアニメの傑作佳作が目立つ良い年だった。上位にはあげたALL TIME BEST級のアニメ以外にも、「宇宙ショーへようこそ」「カラフル」といった地味に応援したくなる良作があったことも印象深い。
また、懐古主義的な企画のアクション映画にも良作が多かったとも言える。「エクスペンダブルズ」「ユニバーサル・ソルジャー:リジェネレーション」「十三人の刺客」といった映画がそれだ。
来年に目を向ければ、やはりアニメの新作が楽しみだ。邦画なら「マクロスF」や「忍たま乱太郎」。洋画では「塔の上のラプンツェル」「メガマインド」といった辺りが待ち遠しい。他にはSFパニック映画「Skyline」の日本公開予定がどうなるか気になるところだ。
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