言わずと知れた名作アニメ。何度観ても面白いものは面白い。
今回の注目点は、もちろん立体映画化されたうえでの再上映であることだ。最近流行りの3D立体アニメはすべてCGアニメでもある。コンピュータ内に空間とキャラクターを作成、配置しているものを立体視化する技術は、もう十分に普及しており、日米共にそうした作品は少なくない。
しかし普通の2Dアニメ、いわゆるセルアニメのデジタル3D化というのは前代未聞のことだ。
「美女と野獣」は本格的なCGI導入が話題になった映画でもある。ひょっとしたら背景動画をCGで描いた有名なダンスシーンだけを立体視化するのか?とも思ったが、そんなことはなかった。
あるいは「アリス・イン・ワンダーランド」のように、妙に書き割りくさい映像になってしまうのではないか?という心配もしていたのだが、それも杞憂だった。驚くべきことに、ごくごく自然な映像なのだ。
書き割りっぽくないのは、ちゃんとキャラクターに立体感があるためだろう。人間キャラを見ているだけでは分かりにくいが、巨体で顔面の起伏が多い野獣を見れば、キャラのCGモデルを作って、元の映画と全く同じに見えるようにテクスチャを貼って動かしているのであろうことが分かる。背景についても同じようにCGモデルを作っているはずだ。
そうした工程自体は、多くの実写の3D立体映画と同じはずだ。立体映画専用カメラを使わずに撮影された映画は、フィルムの上では2Dの映像にすぎない。それをコンピュータに取り込んで後処理で立体視化するというのは、写っている映像から元の被写体とその背景を3Dで再構成する工程にほかならない。ある程度の自動化が可能になったとはいえ、映像に写っていない部分を補完する作業が無くなるはずもなく、大変な労力が掛かるものであろうことは想像に難くない。
というわけで、アニメの技術的に非常に興味深い作品ではあるが、それ以上に久しぶりに大スクリーンで好きな映画を観るという意味も大きい。すでにブルーレイも発売されているというのに、劇場がまぁまぁ賑わっていたことからも、多くも観客にとってこの映画が特別な存在であることは明らかだ。
なお、ラージ・スクリーン・フォーマット(IMAX仕様)で追加された「人間になりたい」のナンバーは無かった。未収録シーンの復活はあくまで特別編仕様ということなのだろう。また、エンディングにはスタッフロールの背景にキャラクターの線画が追加されていた。その線画がまた立体視化されており、ガストンに惚れている三人娘がやたら肉感的に見えた。今のところ日本公開されるホラー映画のエロシーンはことごとくカットされているため、これが初めての3Dおっぱい体験である。まさかディズニー映画でおっぱいおっぱい言う羽目になるとは・・・。
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