北野武監督の映画は初期の三、四本を観た程度で、個人的にはそれほど思い入れがなかったりする。批評家評価は高くても、それが客足に結びつかない北野武作品群の中では珍しく、最新作は現時点でそこそこ劇場に客が入っているっぽい。自分も気合の入った宣伝量に釣られて観に行って来た。
あいたたたた・・・歯医者さんに行くのが恐くなる〜。
監督が「色んな死に方を考えてから、それを繋げて話を考えた」と言うように、これはバイオレンスを売りにしたポルノだ。不謹慎な残虐シーンで「わちゃー」と手で顔を覆いながら、指の間から眺めてニヤニヤするようなタイプの映画だ。「芸術病を治して、観客を喜ばせる」という監督の意図は、見事に芸術大好きカンヌ映画祭で一部の不評を買ったそうだが、これは普通に面白いだろう。自分もホラー映画を見る感覚で楽しんだ。
キャッチコピーのとおり「全員悪人」なので、次は誰がどんな死に方をするのかな〜と、細かいことを抜きにして楽しめばいい。何しろ感情移入すべき善人がほとんどいないため、誰が死んでもメシウマなのだ。暴力描写も過激さゆえに、基本的に不快に思うより先に笑ってしまう。
唯一のカタギキャラで、抗争に巻き込まれてどんどん落ちぶれて行く外国人がいるのだが、同情した観客が不快感を覚えないためかギャグキャラとして描いている。もっとも、その辺のギャグだけがこの映画の中では明らかに滑っており、その他の残虐描写よりも笑えなかったりするのは、なんだかなー。
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