公開講座「オペラ《サロメ》〜世紀末芸術と頽廃の美学」
・2026. 9.19(土)/静岡文化芸術大学 南176大講義室
・講師 静岡文化芸術大学 芸術文化学科 教授 上山典子
リヒャルト・シュトラウス(1864-1949) 歌劇《サロメ》Op.54(1904-05)。
・1904~05年作曲、上演時間約105分の1幕オペラ。
前奏なしに始まり、1夜の出来事をほぼリアルタイムで展開、結末も唐突に訪れる。
・約100名規模の巨大オーケストラによって、濃密で色彩的、官能的な音響を生み出す。
・台本はオスカー・ワイルド(1854-1900)のフランス語戯曲『サロメ』をもとに、ヘートヴィヒ・ラハマンのドイツ語訳をシュトラウス自身がオペラ台本として編集。
ワイルドが題材を取ったのは『新約聖書』「マタイ伝」第14章。但し、そこに「サロメ」の名はなく、「へロディアの娘」とのみ。
・1905年12/9、ドレスデン宮廷歌劇場で初演(指揮 エルンスト・フォン・シューフ)。
・初演後わずか2年ほどで、トリノ、ミラノ、ブリュッセル、パリ、ニーューヨークなど約50の歌劇場で上演され、シュトラウスの国際的名声を決定づけた。
・〈七つのヴェールの踊り〉と、ヨカナーンの首に語りかけるサロメの終幕場面は特に有名。
・官能と死、美と残酷さを、妖しくも絢爛たる音楽で描いた「世紀末芸術」の代表的オペラ。
[舞台設定]
紀元30年頃、ガリラヤ地方ティベリアスのへロデの宮殿。
[登場人物]
サロメ:若い王女(16歳)、ヘロディアスの娘、へロデの義娘。
ヘロデ:四分領主、サロメの義父。
ヘロディアス:ヘロデの妻(再婚)、サロメの母。
ヨカナーン:預言者(洗礼者ヨハネ)。
ナラボート:若いシリア人、ヘロデの衛兵隊長。
[あらすじ]
ヘロデの宮殿。宴を抜け出したサロメは、地下牢に囚われた預言者ヨカナーンの声に惹かれ、衛兵隊長ナラボートに命じて彼を連れ出させる。ヨカナーンに激しく心を奪われたサロメはロづけを求めるが、彼はサロメを退ける。
やがてヘロデはサロメに踊るよう求め、言う事をきいたなら、望むものは何でも与えると約束する。
サロメは「七つのヴェールの踊り」を披露した後、褒美としてヨカナーンの首を要求する。
恐れたへロデは思いとどまらせようとするが、サロメは譲らない。
ついにヨカナーンは斬首され、その首が銀の盆に載せて運ばれる。サロメは切断された首にロづけし、欲望の成就に陶酔する。
その異様な光景に恐怖したヘロデは、兵士たちにサロメを殺すよう命じる。
オーブリー・ビアズリー(1872-1898)『サロメ』(1894)挿絵より「クライマックス」。
・ワイルド『サロメ』英訳版に掲載されたビアズリーの挿絵。
・サロメが、切断されたヨカナーンの首にロづけしようとする場面〜–細長く垂れ下がる髪や血の表現によって、サロメの極端な執着と異様な高揚感を強調。
・欲望と死、恍惚と破滅が一体化した、世紀末デカダンスを象徴するイメージ。
上山典子教授には2015年に半年間、静岡文化芸術大学の社会人聴講を受講した。
以下でサロメについて触れている。参考迄。
「文芸大聴講〈文化と芸術C〉第2回〜世紀末芸術」(2015.10.9記)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1946810032&owner_id=3341406&from=list_diary_title
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