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2026年05月16日10:11

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闘牌記

麻雀歴50年。
中学2年生で協会2段の資格を取得して、競技マージャン大会の常連となる。
中高時代は映画代稼ぎに友人たちと卓を囲み、日に日に友だちを失くしていく日々を送っていた。
大学時代、周囲には打つ相手もおらず、フリー麻雀で命を賭けてしのぎを削る。まるで坊や哲になったような気分。
社会人となり、初任給の足らずめを友人が経営する麻雀荘のメンバーとして稼ぎまくり。
しかし、いつぞや卓を囲む人口も減っていき、常連だった新宿や川崎のフリー雀荘の閉店が相次ぐ。
結婚を果たしてからは徹夜で打つようなこともせず、いつしか牌を持つこともなくなった。

令和。Mリーグが設立されて毎週火曜日の放送を逐一録画。
観るだけ雀士の称号をほしいままにしていたところ、ワイフさんが競技マージャンへの道を踏み出した。
夕食後に卓を設えて、ファミリー3人マージャンで初歩からの講座を教授していくにつれて、実践感覚が蘇ってきた。その昇華。

いす闘牌記
犬「ここまでの順位を申し上げます。1位〇〇、2位〇〇、3位川オス(←おいら)、4位〇〇。ボーダーは15万点を予想します」
1日4回戦。半荘または制限時間50分。その総得点上位4位までが全国大会への出場となる。神奈川県民920万人の代表を賭けた最後の半荘。
これまでの3回は3位、2位、1位だったから、上位3位にいること自体に驚いていた。
ケセラセラ。
出場者の平均年齢73歳、川崎オスカーなんてまだまだひよこの若輩者。
年寄りに華を持たせよ、やがて来る道。
フォト

それでも娘からプレゼントしてもらったTシャツを着て、スマホには天狗の聖地からいただいた《勝守》をぶら下げて、気合だけはなかなかの上位にいる。

4回戦。起家(東家)妖怪、南家・ドッスン、西家・川オス、北家・ビビリィ。
齢80代をとうに越しているであろう妖怪は手を震わせながらの理牌に及んでいる。
しかし、彼が実はこの大会で一番強い雀士であることおいらは知っていた。
あとから彼の成績を訊ねると、
雪「1回戦でビリ引いてしまって、あとは1着を取っているけどダメだった」との弁。
順位点として1位・4位に±12000、2位・3位に±4000がつくので、4回の内、一度でもビリを引くとかなり厳しいのが競技マージャンルールの世界。

4回戦が始まった。東1局。
起家の妖怪が案の定、飛ばしてきた。
0本場の先制リーチはおいらが振り込んでリーチ・タンヤオの3900。安くてホッとした。
そのあと、親マンを積もり、小さな手を一つあがり3本積んだところをドッスンに流される。

東2局。
50000点を確保していた妖怪が親のドッスンに7700を振り込んで、1本場はようやく川オスが役牌のみのノミキック。
いかんせん「30年振りの麻雀です」というビビリィのアクションが遅く、50分の制限時間が刻々と迫ってくる。到底南場にはたどり着けないロースピード戦。
競技マージャンはマナーこそが最高のルールであるので、「ちっ、おせぇよ」は完全禁句。もろちん、三味を引くなどもってのほか、ロッテのモカ。
とにかく、おいらとしては親を呼び寄せて連荘するしか勝ち抜くすべがない。

1妖怪43900、2ドッスン27500、3川オス16600、4ビビリィ12000。
トップとの差が27300点。半ば絶望的でさえあるこの点差は、当然最終4位に残れるはずもなく敗退の憂き目を見る。
「年寄りに華を持たせることができました」そんなエクスキューズを用意して。

東3局0本場。
軽い手が入り、単独リーチで平和ツモドラ1。1300オールを回収するも、まだまだ2位すら遠い。
1妖怪42600、2ドッスン26200、3川オス20500、4ビビリィ10700。

東3局1本場。
フォト

連荘を続けるなら發を泣いてのチャンタ系だけれど、ドラもなくそれではテンパネしても3900がようやくのところ。残り時間が迫っている。
發のひと泣きを見送り、打牌を繰り返していたところ、おそらく9巡目。
フォト

高め天国、安め地獄の聴牌が整った。ほか3人の動きはなく単独リーチ。
高め親マン、安めが出ればたかだか4800点。但し、連荘に可能性は残していく。
そしてツモ。
高校時代は二万、三万のモーパイも確実なほどに優れていたぼくのサムだったけれど、さすがに30年も遠ざかっていたら南と發すら区別のつかないオールドサムに陥っていた。

蟹座「よし、ツモッた」指でOK
冷静こそが有段者の掟だというのに、つい声が出てしまう。
なぜなら一発で掴んできた牌は、おいらのサムは「9策」と判断したからだ。
頭の中でインパチがこだまする。
フォト

卓上にツモ牌を晒すと、おやおや3本足りないげっそり
モーパイしているうちに3本削ってしまったか。
クソ安めではあったけれど、一発ツモがついて満貫確定。
この時、早合点していたのが「10分前で〜す」の主催者の告知を、この局が最後になると勘違いしていたこと。
今の持ち点で親マンツモなら、2位にはなれるが、全体4位には入り込めず予選敗退。
それでもいいか。楽しい一日だった。
そんな走馬灯の考えをしながら裏ドラをめくる。
フォト

鼻血が出た。
何も書いていない衝撃

蟹座「6100オールです」
冷静にコールする川崎オスカー。
後方で観ていたスタッフさんがやってきて、
ひよこ「安めツモでも跳ねましたね」
ブタ「高めなら親倍かげっそり」
ドッスンがつぶやいた。

全自動卓、点数表示あり。
ひよこ「お見事です」
1川オス38800、2妖怪36500、3ドッスン20100、4ビビリィ4600。

しかし、まだ5分の時間を残していた。
これで終わりではない。
妖怪との差がわずか2300。
親かぶりで4本・7本でも逆転されるかなりの接戦。
しかも相手は強敵妖怪。ここでトップを取れば、4・1・1・1で4位入賞も捨ててはない。

東3局2本場。
ドッスンがなぞの役牌仕掛け。これもあとで知ったことだけれど、3回戦の途中結果でトップに位置していた。従って、3位で終わっても(もしかしたら)ボーダー確保と考えていたようだった。実際に3位で終えて、総合でも3位に残っていたから計算は明朗だった。

ドッスンの泣きにも強い牌を仕掛けてくる妖怪。
案の定、妖怪からラストリーチのコール。上がればトップ確実。
おいらの手は、くっつきイーシャンテンから、妖怪リーチ後にカンチャン待ちイーペーコーの聴牌を完成した。妖怪の現物であり、当たり前のように闇聴。
3巡ほどロンの声もなく回っていく。意外とおいらも妖怪に対して強い牌を勝負していった。上がられたら2位となるのだから、当然の勝負。
2筒をツモり5筒と入れ替えて、イーペーコーを諦めてのタンヤオピンフの両面待ちに変えて、闇聴継続。
やがて、勝利の神が正しく微笑んだ。
おいらのサムに4筒の感覚。
蟹座「ツモ、タンヤオ、ピンフで700オールは2本場900オールです」
妖怪の悔しそうな顔がステキだった。

1川オス42500、2妖怪34600、3ドッスン19200、4ビビリィ3700。

総合順位は2位に2万点の大差をつけての優勝。
賞状とレプリカトロフィーを手にして、やがて全国大会へと進んでいく。
都道府県の団体戦のみで個人賞はなし。闘う相手は240人の牌士との2日間。
戦いを終えて感じたのは、アタマの中が見事にスッキリとする感覚。
なるほど、健康マージャンの名の通り。いい1日だった。

果たして平成の初期にMリーグがあったなら。
いや、なくていい。今のままでいい。
You rise me up ワイングラスそんな you たちに感謝する。

記録に遺しておこう。
さすが、昔取った杵柄。闘牌の記憶に優れている。



ドル袋「世界サーバ投げ選手権」2026年も開催 チャンピオンはSAP従業員
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