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2025年11月15日21:39

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京都 東寺 秋季特別公開~1 (加筆)

11/11(火)、美術館「えき」KYOYOで生誕100年記念の牧野邦夫展を観たあと、駅八条口(南口)より西へ15分程歩いて東寺へ行った。秋季特別公開を行っているとの事だったので、この機会にと思ったのだ。
・秋季特別公開 9.20〜11.25

一昨日,昨日とレポートした牧野邦夫も、1983(昭和58)年から2年間、千穂と伴に京都に滞在、よく東寺に来てスケッチをしていた事が知られている。

東寺は平安京鎮護のため796年に建立がスタートした官寺。
803年に唐に亘り、新しい仏教(密教)を学んで806年帰朝した空海(774-835/のちの弘法大師)に嵯峨天皇が下賜した。

1994(平成6)年には、「古都京都の文化財」の構成資産として世界文化遺産の一つに登録されている。

特別公開では普段入場禁止の五重塔初層に入る事ができる。
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東寺の五重塔(国宝)は高さが55mあり、木造建築物として日本一である。
竣工は883年だが、その後4度も焼失し、現存するのは1644(寛永21)年、徳川家光の寄進により再建されたもの。
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内部は心柱を金剛界の中尊 大日如来に見たて、その周囲に4つの如来坐像、8つの菩薩が安置されている。うち西(西方浄土の方向)を向いているのが阿弥陀如来だ。
須弥壇の下にはガラス窓をはめ込んであって、心柱の根元が覗けるようになっていた。

金堂(国宝)は1486年に焼失、1603年、豊臣秀頼の発願によって再興した。
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先に触れたように、牧野邦夫が京都滞在中にこれを描いていて、展覧会の第3章に下が展示されていた。
《東寺金堂を描く画家R氏》(1983)

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タイトルからして、右下でスタンドを立てて金堂の絵を描いているのが「画家R氏」という事になるが、「R」は牧野の敬愛したレンブラントであり、また自身を重ねてもいるのだろう。
金堂の周囲では人々が歩き、子供らが遊び、市(毎月1回の弘法市か?)も出ている。
金堂は短縮遠近法で、屋根が反りかえり、小鳥もとまっていて、一層大きく見える。

堂内には薬師三尊(薬師如来+日光・月光菩薩)が安置され、薬師如来坐像の台座の下に十二神将が、ギリシャ神殿のカリアティードのように配置されているのは珍しい。(何れも重要文化財)
何れの堂内も基本的に撮影禁止。画像はHPなどから拝借した。
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講堂(重要文化財)は835年頃の竣工、台風や地震で壊れ、現存するのは1491年の再興。
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堂内は「立体曼荼羅」と呼ばれていて、弘法大師の密教の教えを表現する曼荼羅図を21体の木造彫刻で具体化している。
以下、21体を1枚の写真に収めるのは至難、まあイメージとして。
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壇上は4つのエリアに仕分けされていて、中央が「如来部」、その右が「菩薩部」、左が「明王部」、周囲を護っているのが「天部」である。
「如来部」5体(全重文)の中心にいるのが大日如来坐像、「菩薩部」5体(全国宝)の中心が金剛波羅密多菩薩坐像、「明王部」5体(全国宝)の中心が不動明王坐像、「天部」6体(全国宝)は四方の角に持国天、増長天、広目天、多聞天と、その間に梵天と帝釈天が挟まれている。
主役が重文で脇役が国宝というのは面白い。
ちなみに、密教 曼荼羅の教えによれば、金剛波羅密多菩薩と不動明王は、何れも大日如来の化身だそうだ。

「天部」の中でも、帝釈天と梵天は、誰か分からないものの、他と異なる仏師によると想像される。
白象に乗った半跏の帝釈天は、人間に近い自然な姿形をしており、足の指先に至る迄バランスが良い。
4羽の鵞鳥が支える4面4臂の梵天は、構造が深く立体性に優れていて、じっくりと観ていたくなる。
《帝釈天》
上の集合写真では左端近くに見える、ピントが合っていないが。
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《梵天》
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(続く)
 
・・・・・・

〈付記〉
あとから分かった事だが、荒廃していた東寺の講堂の21体の仏像は、1197(建久8)年から、運慶一門が修理を行っている。
具体的にどの像にどの程度の修理を行ったかは分かっていない。
そもそも東寺中門の二天像、南大門の金剛力士像は運慶作だという事が史料から知られているが、何れも現存しない。
東寺と運慶(1150頃-1223)には深いつながりがあったのである。
 
この修理時に、本尊 大日如来像以外の全像から、東寺の人々が「舎利」と信じた物が発見され、舎利信仰が大ブームとなった。
当初興福寺北円堂のために造られた四天王立像(現在は中金堂に設置)のうち、宝塔(舎利容器)を掲げている多聞天の肌(通例は黒ないし濃い青/群青)が白く塗られている訳は、この舎利信仰によるものだとの説(瀬谷貴之)がある。
 
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