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2025年08月31日21:17

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《アート》ひっそりと戦争記録画

日本の右傾化が現実となった参院選。
これまで選挙に無関心だった人の中から、短絡的思考の偏りで湧き出てきた仇花。
瞬間のブームで終わることを願いたい。

アートアートレビュー
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悲劇的な敗戦から80年。
戦争を知らない子どもたちのために、ひっそりとひっそりと開催されている国立近代美術館での企画展《コレクションを中心とした特集 記録をひらく 記録をつむぐ》。
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個人的には西暦2025年に660年プラスして「今年は2685年だ」という人がかなり苦手である。できれば付き合いたくはないし、可能であれば声も掛けて欲しくない。
今から85年前に開催されるはずだった日本万国博覧会。開場は東京+横浜。
どんなイベントが企画されていたのやら。
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ほんとうに珍しい展覧会である。
ポスターも作らずにメディアにも開催をアピールしない。
知る人しか知らない展覧会。
その理由は幾つかあるけれど、過半の理由が戦争に舵を切った大日本帝国や大政翼賛会への皮肉的なキャプション。或いは、占領国に対する謝罪的な書きぶりの数々が、高市早苗を代表とするような右側への反プロパガンダにつながるのを避けるため。
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戦時中のポスターに書かれた標語を読むたびにぞっとする。
「撃ちてし止まむ」「一億総火の玉」…馬鹿か。
大政翼賛会という発音が参政党に似ていて、それもまたイヤだ。
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占領した満州へ日本国民を送る誘致ポスター。曰く、天国のような場所。
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福沢一郎が作品『牛』(1936)で描いたのは豊穣の国のはずである台湾なのに、そこにいるのは穴だらけ、継ぎはぎだらけの『牛』というアンチテーゼ。
猪熊弦一郎は『長江埠の子供達』(1941)で、日本に占領されて笑顔のない不安顔の地元民を描いている。ガザの子供達を描くように。
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戦争画家の代表とされる藤田嗣治。遺憾だったのか、それとも勲章だったのか。
『あんぱん』の奥さん、ノブがそうであったように、戦争を絶対的英雄であると描かなければならなかったのか。
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特に藤田嗣治の描いたそれぞれは、悲劇的であるのに英雄的である。(個人的には好きになれない作品群)
故に、戦後戦犯扱いされ(戦犯としては免れたけれど)、日本の画界を追い出されるように逃げ出してフランス国籍を取得し日本のすべてを捨てた。
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今回、竹橋で貴重な作品群を鑑賞した感想は、やはり藤田嗣治はやり過ぎたということ。
例えば、山口蓬春は『香港島最後の総攻撃図』(1942)で、芸術性を捨てずに明るい青の岩絵の具で画面を彩っている。
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ぼくの大好きな画家の一人、松本竣介は戦時中である1943年においても『並木道』をほっこりと描く。この年、彼をはじめとして靉光、麻生三郎、糸園和三郎、井上長三郎、鶴岡政男、寺田政明、そして大野五郎の8人は『新人画会』を結成し、決して戦争画を描かないことを確認した。つまり、藤田嗣治や宮本三郎、向井潤吉とは距離を置いた。
抵抗の画家たちに喝采を贈りたい。
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御厨雄一『ニューギニア沖東方敵機動隊強襲』
伊原宇三郎『特攻隊内地基地を進発す(一)』
こんなクソのような絵画で若者の命を無駄にさせ戦欲発揚。
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やがて、軍部は本土決戦の”練習”として、沖縄の人々を見捨てていく。
誰ひとりとして抑止の効かない異常な時代。やがて、特攻隊。
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坂本繁二郎の描いた『肉弾三勇士』(1935)を見つめながら、3分、5分と佇む若者がいた。
正直怖かった。坂本繁二郎が好きなアートファンには見えない。
敵に向かって爆弾を抱えて自爆した3人の若者に憧れの視線を送っているようだった。
本当に怖かった。
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やがて戦局は破綻の一途をたどり、ポツダム宣言の受託を既読スルー。
そしてピカドン。
悲しい歴史を国立近代美術館で目の当たりにする。
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カウチに座って作品を眺めているデーブ・スペクター氏。
疎開した農村を描く作品を観ながら、隣にいた三浦瑠璃女史に「ぼくは長野へ疎開していたんだ」とつぶやいていた。瑠璃女史が無視していたら、「そこは『そーかい』って答えて欲しかったな」と、甲高い声で囁いている。
展示室全体が零下5℃ぐらいまで冷え切った。
なるほど、酷暑にはデーブ・スペクター。
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戦後食糧難に陥って、自らの肉を喰らう。
早瀬瀧江『自嘲』は1951年作。
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真喜志勉のコラージュ作品も面白い。1977年の作品。
画中画には宮本三郎『山下、パーシパル両司令官会見図』(1942)
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最後に向井潤吉2題。戦時中1944年『マユ山壁を衝く』。
彼は戦争画において写実的な作風を維持していたけれど、戦後は一変して「無くなっていく田舎の民家」がメインモチーフへと一変したという。キャプションによると「戦争画家であったことへの黒歴史」から逃れたいゆえの変心だとか。
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思いのほか男性鑑賞客の多い展覧会だった。いつもの展覧会とは雰囲気が異なっていた。
戦争礼讃から特攻隊、原爆投下、敗戦への導線。
答えがあるから「大東亜共栄圏」のマヌケさが理解できるけれど、その場にもし生きていたらぼくはどうしただろう。非国民であり続けることができただろうか。

少しだけ休憩して、気を取り直して4階へと向かおう。
竹橋ではコレクション展が一番過ごしやすい。
名品を鑑賞して、冷えた心を豊かに戻そう。

(つづく)



■英・EUが共同声明でロシアを非難 ウクライナへの大規模攻撃で
(TBS NEWS DIG - 08月30日 00:34)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=8454451

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