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2025年06月21日10:18

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《2025KYOART2》乳母車

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土曜日なのに日曜美術館。
これで骨董に興味があったら、休みなく美術館通いが続いていた。助かった。

《KYOART2》承前
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メインタブロー『オクタビオ・パスのために』に感動している暇もなく、左手に目を移す。
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『オーロラ』(2019–22)
広島の原爆ドームを感じさせるむき出しの鉄骨は、同じく広島市内にあった小学校の校舎であるとか。もちろん、原爆投下という取り戻せない時間軸のあとの光景。
そこに括りつけた錆びだらけの乳母車。
キーファー研究家の談によると「ベビーカーではなく乳母車であることに意味がある」ペンギン
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瞬時に浮かんだ『戦艦ポチョムキン』の一場面。
ぼくは、クソプーチンチンが愚かにも爆撃を行ったオデッサの地に想いを馳せた。
どうやら、これはそののちに観た日曜美術館で正解であったことが証明された。
”ぼくの学校は映画館だった”…教室ではこんなこと、教えてはくれていない。

書き残しておくことも躊躇する残念な光景を見た。
展示室の周遊が終わり、再び『オーロラ』に戻ると、乳母車に手を携えたシーンが取れるような遠近写真を笑顔で撮影している異国の2人。
或いは『オクタビオ・パスのために』の前に笑顔で並んで、自撮りで撮影している異国の夫婦。
ホッとしたのは、いずれも日本人ではなかったこと。
太平洋戦争の悲劇。原爆を2発も喰らった日本人にあっては、決して原爆ドームを前にして満面笑顔の記念写真は撮らないはず。
ニューヨークのグランドゼロで記念写真は撮りたくない。
これと同様に、キーファーのテーマやメッセージを知った上でこの展覧会にやってきている本邦の人たちは、祈るような視線で作品を見つめ、多くの人たちが無言で城内を歩いていく。

彼女たち、彼らの口から中国語が流れてきて、これは仕方のないことなんだと得心する。
まるで十字架の上のキリストになったような気持ち。
「父よ。彼らをお赦しください。彼らは、何をしているのか自分でわからないのです」そう心の中で語っていた。
ぼくたちはそうでなくて良かった、との感謝とともに。

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第一印象の思いをずっと引きずったまま、展示室を回遊する。
”南條先生とキーファーは、どのような感性でここで展覧会を開催する気持ちになったのか”。
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とにかくぴったり。巡回などしなくていい。巡回できるわけもないが、ここでこその作品群。まったく不思議な感性である。
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イヤホンガイドでは田中泯が何かを語っている。
800円をケチったわけではない。(←ケチった)
作品ひとつひとつの意味を自分自身に説いてみたかった。近しい人に判断を委ねてみたかった。そう思わせてくれたインスタレーションの数々だった。
ゆえに、日曜美術館での予習を避けていたのかも知れない。
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無理難題。実現不可能ではあるけれど、もう一度鑑賞してみたい。
これだけの完成作が6月22日を過ぎたのち、どこへ行ってしまうのか。
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ひとつの展覧会を鑑賞する”ためだけ”に京都にやってくる。
さもありなん。
知人の先生は国宝展を見るために、日帰りで奈良・京都・大阪を廻ってきた。
有意義な時間とワイズスペンディング。見習いたいものだ。
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ドイツ語を知っていたら記載してあるタイトルもわかって鑑賞できたけれど、それはこの時間の重要なことではない。
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いつか彼のドキュメンタリー映画を見なければならない。
この日を境にその目標がマストとなる。
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さらには名古屋市立美術館、豊田市美術館。
そしてもう一度、南青山マカフィー。
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ますますアート時間の割合が増えてきて、映画ファンを名乗るには恥ずかしい自分ができてきた。この際、川崎オスカーから川崎モネに改名してしまおうか。←してしまわない。

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麦畑の意味を伺ったのはキーファーショップの快活なおねえさん。
テントの下で法被を着こみ、エクスペンシブなお土産物を売っていた。
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お客さんがいるのに、と横目でアイコンタクトをしてみたけれど、解説は留まることなく神奈川県からやってきた似非キーファーストに語り掛けてくる。
蟹座「マカフィーの方ですか?」
ひよこ「いやいや全然手(パー)ただのアルバイトです(笑)」
時給0円か。
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乳母車の逸話を聞いてみた。
すると、「お客さんにその話題に触れていた方がいました。『戦艦ポチョムキン』だって」
良くご存知だと褒めちぎってみると「門前の小僧です」。二条城、まさに文字通り。
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図録を眺めていると手が止まる。
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『アンゼルムここにありき』
ひよこ「ご覧になりましたか、この作品?」
蟹座「え”っ、来ているんですか、これ?」
何人も「見ていない」という同様の鑑賞客がいたそうで、展示室の場所を教えていただいた。すぐさま、二条城食堂に足を戻し、観ていなかった展示室で4つのタブローを見つけた。
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蟹座「ありがとうございます」
京都タワーに響けとばかりの大きな声で御礼を告げて、後ろ髪びんびん曳かれながら二条城をあとにした。
〆て2時間15分走る人
あきらめていたランチタイムが取れそうだ。
ぶぶ漬けでも食べようかおにぎり

(つづく)




■「悪夢です」美術館の作品が…ぐしゃり!記念撮影でバランス崩し、そのまま立ち去り
(TBS NEWS DIG - 06月19日 20:00)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=266&from=diary&id=8357333
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