トリペナートというワードがある。
英語で tripenart
2019年、コロナ前。アメリカ辺りで使われてきたと言われる新造語で”Trip & Pen & Art”
「旅をしながらアートをながめ、記録をしながら楽しむこと」或いは「アートのために旅をして記録を残す」。
大袈裟だけれど、日本人として生を受けた限り、日本全国津々浦々へと旅をしたい。
大学生時代は「旅打ち」と称して全国各地の競馬・競輪・競艇・オートレース場巡り。
神社仏閣巡りで御朱印は800柱を超えた。
やがて、目覚めたアートや建築物巡り。tripenart は永遠に
《福岡1》
炭鉱の町・筑前地方へ初めて訪れたのは学生時代の飯塚オート。
イメージは麻生太郎だらけの町。今もなおフィクサーとして永田町を牛耳っているのだから、実力者であることに違いない。
オートレースがWEB投票に頼り6場の併催がなくなってからは、本場開催でレースを見る機会がことごとく失われてきた。
競馬と同じぐらい、オートレースは本場で観戦して味があるもの。
「こんな迫力を目の当たりにできるのだから」と、外れた言い訳にもなる。
《田川市美術館》
福岡県の筑前地方に点在する小さな美術館。おそらく、ここともう一つをクリアすればパーフェクト(当社調べ)。
企画展の開催はなく常設展示『極彩色の立石大河亜』
タイガーアートがたくさん見られるものかと、微かな期待もものかわ。
展示品は『ネオン絵画 富士山』(1964/2009)
そして、タイガー作陶による『アーティストシリーズ』(1996)8点。
キャプションを取り忘れたのでうろ覚え。
『太郎』『ミロ』『セザンヌ』『ゴッホ』
『ピカソ』『キリコ』『ゴーギャン』『劉生』
この美術館に好意を持った点が2つ。
まずは無料。これはありがたい。
そして、おそらく館長のセンス。
子ども用のプレイルームに置かれている芸術参考書の質が高い。さらには、かなり広範囲の美術館ポスターやフライヤーが掲示されていて、これからの tripenart のトリガーすることができた。開催を知らない展覧会だったから、これはありがたかった
美術館に隣接するレストランは廃館となっており、これがシンボリックのように、街のあちらこちらが”死んでいる”。
街巡りアートウォークのリーフレットが置かれていたけれど、これがほぼシャッター通りを歩くコースで、あまりにも寂しすぎる限界集落。
「日曜日だから」なのだろうか。商店街のすべてが閉まっていて、その3割は完全に閉鎖されていた。
そんなデスタウンに場違いな駅舎。田川伊田駅
田川市を挙げての町おこし。
そして併設されている《田川伊田駅舎ホテル》
偶然、階上から降りてきたおっさんに声を掛けられて、趣味で美術館巡りをしていることを伝えると、

「それはいいねぇ。すごくいい!」
どうやら気に入ってくれたようで「お茶(←コーヒー)でも飲んでいくかい」と、誘われた。急遽、お客さんが来てしまって、コーヒーのお誘いは叶わなかったけれど、このおっさんこそが衰退した街を救うために久留米からやってきたホテル王(自称)。

「小さな小さなリッツカールトン」と照れながら、赤字垂れ流しの苦悩を深い皺に刻んでいた。
スタッフに部屋を案内していただく厚遇付きで田川市の行く末を伺った。
芸術祭を開催するには、それだけの魅力的な場所もなく、半導体工場からは声の掛かりようもないぐらい、もともとは炭鉱の町。手の施しようはあるのだろうか。
オーナー氏に別れを告げる。するとオーナー氏、手を出して握手を求められた。
いつもなら「また必ず来ますね」と小さな約束をするのだけれど、そんな言葉が出せなかった。でも、飯塚オート観戦がてら、宿泊するのも乙ではある。
駅前の神社に一期一会の御礼。
《風治神社》
拝殿で頭を垂れていると、いつものように神風が吹き、来社を歓迎してくれた。
お陰様。
神社名の「ふうじ」から転じて、境内社は《封社》(ふうじしゃ)。
ストレスに陥った人たちや、アルコールやギャンブル依存症を封じる効果があるようだ。
特に願うものもなく、お賽銭を入れて手を合わせてみる。
案の定、宍戸錠、神風も吹かず「お前にはストレスなどないだろう」と耳打ちされた気分。これもまた、いつものこと。
さて、筑前地方の美術館はもう一つ。
初めて訪れる町。
(つづく)
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(TRAICY - 06月15日 12:50)
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