男性社会における、女性に対するルッキズムという呪いに掛かって、苦しい思いをしている女性を描いた意識高い系フェミ映画が、今話題になっている・・・と聞いていたのだが、実際に観たらとんでもない映画だった。
かつて人気スターとして活躍して、50歳を超えたにしてはスタイルも良く、若々しく見えるのだけど、結局は年齢を理由にテレビ番組をクビになった主人公を、かつて人気映画スターとして活躍していたデミ・ムーアが演じている。
観客は、役者と役柄を混同してしまいがちだが、それも計算した上でのキャスティングだろう。
主人公は、若さを取り戻せるという怪しい薬品に手を出す。この辺から世にも奇妙な物語的な展開となる。予告編では全然そんなこと言ってなかったぞ。
薬品の効果で主人公の身体は2つに分裂。若い肉体の主人公と年寄りの肉体の主人公は、その肉体を維持するために互いに協力することが必要なのだが、それぞれ自我は別なので、両者共に自分勝手な行動をして、最終的には肉体の崩壊が始まる。この辺から遊星からの物体X的な展開となる。予告編では全然そんなこと言ってなかったぞ。
めちゃくちゃ面白い映画だったのだが、オープンなSNSで「モンスターが出て来て、面白かった」などと書こうものなら、「女性の生き辛さに目を向けてない。これだから男は」といった反応が飛んでくるので、なかなか素直な感想が広まらない模様。結果、モンスターが登場する映画だというネタバレが目に入らず、映画館で新鮮な驚きを得られた。自分が観に行ったのは公開3週目だったのに、それまでネタバレを踏んでなかったのは、ラッキーだけじゃなかったと思う。
サプライズ・ニンジャという言葉がある。映画のシナリオ等で、いきなり忍者が出てきて面白くなるなら、そのシナリオはダメだという意味だ。だが、いきなり忍者が出てくるより面白いシナリオを作る方が難しいだろう。
ゴジラ/キング・オブ・モンスターズの監督マイケル・ドハティは、七人の侍は傑作だが、ゴジラが登場したらより傑作になるだろうと言っていた。更に、ゴジラ映画にもう一匹ゴジラが登場したら、もっと面白くなるはずだとも言っていた。ゴジラ過激派のドハティらしい考え方だが、非常に分かり味がある。
映画を観ていて、ちょっと退屈した時に、ここで怪獣・宇宙人・ロボットが出てきたら面白いのにと想像したことは、誰にでもあるのではないか。ならば、面白い映画を観ていても、いきなり怪獣・宇宙人・ロボットが出てきたら、もっと面白いに違いない。世の中に、そんな映画が増えてくれたらいいなと思う。
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