雲海に浮かび上がる冠雪富士山。
そういえば、旅のほとんどは空路使い
一体、いつ以来になるのか久しぶりに下りの山陽新幹線に乗ってみたら、車掌さんからのプチガイドがアナウンスされている。
スタートは新関門トンネルで、関門海峡の長さや深さ、そして潮の流れを語っていた。
やがてタメになったのは姫路城のライトアップ予告。しっかりとE席の窓から白鷺の輝きを見極めた。
新神戸に近づくと淡路島の面積を語っている。
山陽新幹線って、いつもこうなのか
《奥能登8》承前
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気がつくとすでに日曜日で幕を閉じていた《奥能登国際芸術祭》。
雨除けに350億円を使うようなイベントとは違い、地元市民と芸術家たちが一蓮托生で造り上げるハンドメイドのアートイベント。未だに日記の完結を迎えないけれど、それだけ思い出深い証左。
『松雪海風艀雲』(牛嶋均)
潮騒レストランが同居する廃校小学校校庭。
ここに遊園地のような遊具を取り付けて、大人も子供も迎えてくれた。
アタマをぶつけたのは痛かったけれど、誰にも見られていない。ガマンガマン。
『石の卓球台第3号』(浅葉克己)
100円でラケットとピンポン玉を借りることができるけど、強敵相手に臨むほど冒険心もなく「こんな卓球台が大田区の神社にあったもんね」みたいな記憶を蘇らせてしまいにしよう。きっと、もの凄いスマッシュなんだ
『スズ・シアター』
北川フラム氏イチオシの、体育館を改装した常設シアター。
地元住民が断捨離で廃棄するはずだった家財道具を、国立博物館の学芸員の手を借りて、ここへの保存がスタートした。
なんと、国立民族学博物館(千葉県佐倉市・みんぱく)と学術連携までしてしまったそうだ。
民間市民の総ざらえのほかに、アーチストが6人。それぞれのブースでインスタレーションを展開する。
時期が合えばここのステージで田中泯の踊りや、誰かさんのトークイベントも鑑賞できるのだけれど、すでにイベントは時期を終えていた。
大谷地区をコンプリートして、いよいよフライト時間も近づいてきた。
寂しさを振り切ってレンタカーは一気に南下を企てて、再び廃駅を巡る。
『おはなしの駅 すず』(佐藤悠)
珠洲駅。
ここに若手芸人のようなアーティストがワンマン車掌の出で立ちで参加者を待ち構えている。
原則として参加者は3名。思い思いに登場人物を決めて、佐藤悠の巧みなマジックがホワイトボードに描かれていく。
アーティストが物語を紡いでいくのかと思いきや、そうではない。
あくまでも彼はペインターであり、物語の趨勢はすべてが参加者任せ。
なるほど、こんな参加型芸術祭も楽しいものだ
続いての廃駅は飯田駅。
『小さい忘れ物美術館』(河口龍夫)
駅に忘れられた傘や水稲が、哀し気に黄色に縁取りされている。
ホームへと向かうとコンテナに落書きされた旅人のあと。
珠洲を、そして芸術祭を愛する人たちの忘れ形見。
あと2時間ほどで、奥能登に別れを告げるフライトが飛び立つはず
(つづく)

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