ぶっ壊し文化の国・ニッポン。
地震大国というエクスキューズはあるけれど、歴史的建造物をあっさりと壊していく。
東京では100年イチョウさえぶった切られる予定だし、ゴジラの出番なし。
国立劇場が57歳、国立演芸場はまだ49歳。
一体、どこを理解すれば、この建物をぶっ壊して立て直そうという気持ちになるのか。
役人の考えることは到底わからない。
結局、いまだに入札不調を繰り返し、誰が立て直すのかも決まっていない。
10月に閉館が決まり、サヨナラ公演《講談の部》。
国立劇場の《歌舞伎の部》に続き、2度目のサヨナラ公演に馳せ参じた。

講談レビュー
《国立講談三夜〜講談協会・日本講談協会・なみはや講談協会 三派の会〜》

「安政三組盃」より「羽子板娘」(田辺いちか ★3.)

「天明白浪伝」より「徳次郎生い立ち」(神田阿久鯉 ★3.)
開口一番から続けて2題は、講談にありがちな「お楽しみはこれからだ」と序幕で高座を降りる。
講談馴れしていないから、これはさすがに残念無念。
こんな感じが続くのなら、帰ってしまおうか。と思いきや…

「重成血判見届け」(旭堂南海 ★5.)
著名講釈師が参加せずに、女流講釈師の会となった千穐楽だけが、唯一前売りチケット完売せず。
《さよなら国立演芸場》に出掛けることが目的だったから、それはそれで仕方がない。
その中で黒一点。旭堂南海だけが魅せてくれた。
おいらが講談に臨むのは、1年に1度が精々。
知っている講釈師だって、伯山、南湖ぐらいしか思いつかない自分だけれど、南海も記憶に留めておこう。感動の20分だった。
南海師匠の、長講釈をもっと聴きたくなった。

「蜀山人」(神田愛山 ★4.)
マクラなのか、すでに本題なのか。
まるで笑点の喜久蔵のような内輪話に終始して、途中までは★1.
あまりにもつまらないので、鼻くそをほじっていたら鼻血が出た。これも減点材料。
中盤以降に本題突入してからの挽回力は凄かった。
それだけに中途半端なマクラがもったいない。
伯山兄いに伝えておこう。
ちなみに、この3夜。このうち2夜目に伯山も香盤に名を留めていたけれど、当日キャンセル。全くやる気なし。
講談を日本に広めた功績は、間違いなく伯山にあるけれど、このところの伯山。ちっとも好きではない。
―仲入り―

「棋士伝 藤井聡太物語」(旭堂鱗林 ★5.)
読み方は「りんりん」。これは大ヒットだった。
藤井聡太くんと同郷(といっても、愛知県まで)。
小学生棋士だった時代から、イベントなどで付き合いがあったという自己紹介。
国立演芸場の高座に座るのは最初で最後だそうで、関東にも馴染みがない。
それを踏まえての藤井聡太物語序章は、2016年、藤井くん14歳、加藤一二三76歳との最年長・最年少プロ棋士のクリスマス初対決までの読み切り。
彼女はそれからも取材や勉強を重ね、藤井聡太物語8集までの創作を果たしている。
藤井名人就位式祝賀会では本人の前で祝辞まで披露するようになるまでに、藤井聡太講談師として名をあげているという。
今年から東京でも舞台に立っているとのこと。少し追いかけてみようかな。

「源平盛衰記」より「青葉の笛」(神田織音 ★4.5)
舞台出身の講談師とあって、滑舌の滑らかさが聴き易い。
誰もが知っている(←知らない)源平物語・敦盛と熊谷の章。
歌舞伎もいいけど、なるほど、こんな形で源平合戦を脳内で投影するのも悪くない。
ヒマがあったら広小路にでも行ってこようかな。(←激務)

(旭堂南海=作)「奴の小萬」(旭堂南華 ★3.)
女流講釈師としてはベテランの域にあるそうで、年齢はおいらの1つ上。
マクラに「え〜、え〜」とシロウトのような継ぎ口が多く気になったけれど、本題に入ってからはさすがのプロ。
ところが、終盤、2つほどトチリを交え、いささか面目ないオオトリになった。
講談でトチリは禁物。厳しい採点をしておこう。
こんな感じで7席、たっぷりと2時間30分。落語よりはコスパ良し
やっぱり、早いうちに広小路へ行ってこよう
何ひとつ傷んでいない演芸場。
講談はこれで終わりを告げて、あとは落語が千秋楽までを務めていく。
■藤井七冠が先勝=将棋・竜王戦
(時事通信社 - 10月07日 17:31)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=7589745
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