都民の日。
渋谷区立松涛美術館は「渋谷区民」のみ無料の日という中途半端なサービスだった。
川崎市民なので、まったく関係ない。ところが、お陰様でこの日の展覧会も無料入館。

アートレビュー
『火遊び』《ギャラリー小柳》
銀ブラついでに立ち寄ったギャラリー。
杉本博司の新作をのんびり観覧していたら、慌ててスタッフルームに駆け込む婦人1人。
この慌て方は忘れもの。しばらくしたら出てくるに違いない。
案の定、宍戸錠。1分もせずに展示室にやってきたオーナー女史に御礼とご挨拶。

「もろちん、覚えてますよ

」
杉本新作への感想と、企画展を開催中の松涛美術館へ伺うことを伝えると、オーナー女史、すぐにスタッフに招待券を渡すようにと指示してくれた。

「VIPルームにも新作が展示してある」とのオーナーのお薦めで、スタッフさんに案内していただいた。

「この作品(上段)が束芋さんの作品です。いま、あちらで打合せしている背中向きの方が束芋先生です」
普段ならご挨拶してサインをお願いするのだけれど、オーナーからVIP待遇を受けてしまった手前、今回はノーアクション。常に冷静だ
若いスタッフさんと、アートワークについての会話を愉しんだ。
自分自身は観ること専門だけれど、例えば直島に3か月ぐらい滞在して、自分が蓄えた知識を旅行者たちにガイドするアルバイトなんていうのがあれば魅力的だな
『本歌取り 東下り』(松濤美術館)
日を改めて松涛美術館。白井晟一の代表作品
松涛の名が静謐な雰囲気を醸し出し、鑑賞後には日本一のチュロスが約束されていた。
オペラ座ガルニエのシャガールをモチーフにした置時計は、逆回転で時を刻む。
三面鏡仕立てになっているから、両側の鏡面に映し出された時計は順回転となり、正確な時を刻んでいる。
春日厨子の天井には2枚のガラス。新素材研究所作。
「安土城図屏風」を本家取りした『姫路城図』と、「凱風快晴」の本家取り『富士山図屏風』。見事なまでのピグメントプリント。
おそらくウソであろう「春日大社についたら満開の藤棚だった」というキャプション。
もともと知っていて訪ねたはずだ。
ことほど左様に、杉本作品のキャプションは常に疑ってかかるべし。
この展覧会で一番感激した海景3部作。
『海景:アドリア海、ガルガーノ』(1990)、『海景:南太平洋、テアライ』(1991)『海景:地中海、ラ・シオタ』(1989)。
この作品に感動できる自分に感動している。作品の背景を知る者だけが、その感動を得る。そして、テラスでのモーニングコーヒーとマカロン。知行合一
『いろは歌(四十七文字)』
自分自身は尊敬していた優しい祖母から教えてもらったいろは歌。幼稚園児で覚えることができていたと思う。
令和のいま、いろは歌を伝承するものも少なくなり、小学校ではDVDが教員に代わって教えていくらしい。あらためて、ありがとう、おばあちゃん。
そして、杉本博司新シリーズ『Brush Impression』
『水』『火』『狂』。
銀座で観た『月』もそうだったけれど、渋谷でも『月』が一番輝いていた
新作の推理模型『クエン曲面』
外人さんが目を皿のようにして眺めていたけれど、日本人にだってこの模型の美しさが伝わってくる。杉本博司、恐るべし。

「どうせ本気取り(ダミー商品)の陳列会。行かなくてもいいんじゃない」という自分だったくせに、ギャラリー小柳からいただいたチケットで役得。
もし招待券をもらえてなかったら、きっとそのままスルーしていたに違いない。
来てよかった。やはり気になる展覧会は、世界中どこにでも追いかけてこそ吉。
お見事、杉本博司
■10月1日は都民の日 学校休みは関東ローカルだった! 年2回の“最強”自治体とは
(弁護士ドットコム - 10月01日 11:11)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=149&from=diary&id=7581853
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