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2022年12月05日18:24

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ギレルモ・デル・トロのピノッキオ(ネタバレ)

これは面白い。

正直、NETFLIXの配信で見た方が安上りだよなと思いながら、でもやっぱ大きいスクリーンで観たいなと映画館に足を運んだら、これが大正解。とても面白かった。

近場の映画館で上映していないって人は、NETFLIXで見られるので見て欲しい。見ないより見る方が断然いい。

ピノッキオの物語自体は誰でも知っているだろうが、少しでも興味を持ってほしいという意味で、以下にネタバレとなるようなことも書く。ネタバレが嫌いな人は、読まずに映画を見て欲しい。

今回のピノッキオは、オタクがみんな大好きな「違う時の流れを生きる者たちの出会いと別れの物語」だ。

いきなり決めつけるのも何だが、やっぱりオタクはみんな好きでしょ。エルフとか、神様とか、リュウソウ族とか、長命の種族が人間との友情を育んだり、恋をしたりするやつ。今作は、命を宿した木の人形ピノッキオと、生い先短いゼペット爺さんの疑似親子の物語なので、正にそういうネタだ。

だから、そういうのが好きな人は、そういうオチだってことは一旦忘れて、とりあえず映画を見て欲しい。でも、まだ躊躇している人のために、さらにお勧めポイントを挙げておく。

デル・トロは、怪獣映画パシフィック・リムでも人気の監督だが、本領はパンズ・ラビリンスのようなダーク・ファンタジー。そして、このピノッキオもダーク・ファンタジー的なアレンジがされており、ディズニーアニメのピノキオとは味わいが異なる。もちろん、子供が楽しめないようなものではないが、大人にも刺さるようなものとなっている。

時代背景はファシズム政権下のイタリアで、サーカスにさらわれたピノッキオは、ムッソリーニの機嫌を取るためのショーに出演させらたりする。また、原作のようなロバに変身して売られるという展開が無い代わりに、政治家がピノッキオを少年兵として戦場に送り出すために訓練を受けさせたりする。

不死身の人造人間だから兵器として使おうぜ、というのがもうオタク的な発想だ。模擬戦をゲームだと思って頑張るピノッキオの姿を見ると心が痛むのだが、その痛みすらオタクの好物でしょ。

ディズニーアニメのピノキオと違っている点として、今作がストップモーションアニメであることは重要。木の人形の物語を人形のコマ撮りで描くのは、視覚的な意味も大きいが、何よりわざわざ手間暇・予算が掛かるやり方で映画を製作したデル・トロの心意気が感じられる。実際、企画は一時停止されたこともあり、2Dアニメで作ることも検討されたのだとか。

また、キャラクターの素材が全て人形なのに、人間のゼペット爺さんと人形のピノッキオで質感が違って見えるとか、なんかもう全部すげーよ。

あと、木の人形に命を与える妖精のデザインが恐い。地獄の番人みたいな感じ。コオロギのクリケットは、なぜかゴキブリに変更されている。あまりリアルなデザインじゃないから「コックローチ」という単語が耳に入らなければ、変わった形のコオロギとしか思わなかっただろう。ゴキブリが苦手な人も、多分大丈夫。

デル・トロは、シェイプ・オブ・ウォーター辺りから家族が一番と公言し、オタクが親近感を持つスーパーオタク映画監督キャラから、若干常識人っぽいキャラになってたりして、作風にもそれが出ていたと思うのだけど、このピノッキオは製作開始時期が古いせいか、ちょっと前の親しみやすいデル・トロ風味が存分に出ている気がする。

ピノキオは原作が有名だし、何度も映像化されていて、最近でも複数のピノキオ映画があったりすることから、もうピノキオは別にいいやとか思われてしまいそうだけど、このピノッキオは本当に面白いので、超お勧め。

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