2018年、Mauritshuisのフェルメールルームで赤い液体がかけられる前の『真珠の耳飾りの少女』をお一人様で鑑賞できた。嬉しかったのは門外不出の『デルフト』も貸切鑑賞。
天国のような時間。次に行った時は、少しだけ赤くなっている真珠を見られるのか。
ウサギを追いかけて禁断のどこでもドア

アートレビュー
『これらの時間についての夢展』(宇都宮美術館)★5.
マスターピースであるマグリット『大家族』
リニューアル閉館後の再開。そんなコレクション展は、所蔵作品の大盤振る舞い。
展示作品のカタログを少しだけ覗いてみたら、世界の果てまで追いかけたくなるほどの作家名を発見。
行くしかない
目標となるカラーをあらかじめチェックしたら「ピンク色」のサイン。
残念ながら、その目標は見失ったけれど、無事に宇都宮美術館へと到着した。
それほど便利ではない場所にあるのに、ここにやってくるのは3回目か4回目。
ウサギを追いかけたり、マグリットを訪ねたり、或いは大谷石のライトに憧れて。
カウンターでは栃木と茨城の違いをアートファンにレクチャーするスタッフたち。
とても笑顔がステキで好印象。おいらですら、茨城=群馬=栃木は同一視している派なので、とても勉強になった。
以前、ライトの大谷石作品が置かれていたアトリウムには、大巻伸嗣『Echoes Infinity』。自然光を受け入れて、青空の借景が美しい。
タブローは撮影禁止だけど、このインスタレーションは撮影可能。
といっても、立ち止まって写真撮影している人は少なかったかな。
ウォーホルの段ボール箱同様に、こんな感じの作品に共感を覚える人はそれほど多くはない。必要なインスタレーションなんだけど、わかる人がわかれば良い
コレクション展の内容は期待通り、いや、期待以上。
第一展示室の1作品目からため息が漏れて、足を止めた。
荒井孝『坐す少年』。
写真はセキュリティスタッフが陣取って、記憶は脳内に留めるだけ。
例えばシャガール。
『青い恋人たち』のピンクの頬は希望の色。
そして『緑、赤、青の恋人たち(街の上で)』は、木曜日のシャガールくんに捧げたい。
こんな作品すら涙が潤ってくる。
国吉康雄『仔牛は行きたくない』。この作品のガイドが可愛かった
そして、海老原ブルー満載の『雪』
学芸員さんはこう教えてくれた。
「作家さんのマスターピース的な作品は持っていませんが、少し技法の違う枝流の宝庫と言われています

」
高橋由一『中洲月夜の図』は、視力が悪い我ながら、重要な小舟を見落としていた。
2周目にチェックをしたら、ちゃんと小舟が見つかった。
金色の満月に視線が集中してしまったようで、これもまた美術鑑賞の深み。
『街』を目の前にして、膝が折れる。
松本竣介を深く知ったのはほんの4年ほど前なのに、日本国内の竣介を追いかけてきた。

「この作品は最近、他館への貸し出しをしていますか?」の質問に、学芸員さん曰く、

「この作品は少なくとも5年間は貸出していませんね」
やはり初見。色違いの街はよく見ているけれど、茶の街も緑の街も青の街も素晴らしい。
これほどの名作に囲まれながら、一番インパクトが強かったのが秦テルヲ。
展示作品『無題』は、やはり写真撮影に成功できなかったけれど、気になるシーンを捨てきれず、学芸員とその助手にお出ましとなった次第。
路線はデカダンス。印象は鴨居玲。
学芸員の登場に15分ほど待たされたけれど、それはわざわざ図録をコピーして興味深く鑑賞している神奈川県からの来客に手交するための作業時間。
画題が『無題』なのだから、どう解釈しても自由。

「なるほど、そんな見方もできますね

」は、誉め言葉として受け取った。
正解もなく、点数をつけることもできないアートの素晴らしさ。
助手さんも連れて、松本竣介や海老原喜之助、ほかの質問にも丁寧に答えてくれた。
同級生である山本画伯出世作のモティーフともなった難波田龍起の大作にも出会うことができた。痺れてばかりの2時間40分。
ほんとうに来てよかった宇都宮
でも、いつものようにランチの時間がない。餃子はあきらめよう。
高橋銑『二羽のウサギ』。
これは良かった。とても良かった。
9分33秒のビデオ作品で、群馬県館林にあるフラナガンと、ここ栃木県宇都宮にあるフラナガンの愛情比較。
果たして、子どもたちがウサギの背中に乗ることのできる宇都宮フラナガンと、立入禁止となっている館林のフラナガン。どちらがあるべき姿なのか。
路線バスの運転手さんに「ウサギを見てきます」と断って、走ってたどり着いたフラナガンのウサギ。
前回訪れた時は、クソガキがずっと乗っていやがったが、この日にウサギには誰も載っていない。
近くにベビーカーが置いてあるのは、子どもが近づいてきたのに「あっちへ行ってなさい

」と、強制的に写真撮影の時間をいただいたわけではない。
ありがとう、少女。ありがとう、バスの運転手。
宇都宮美術館のコレクション展は11月13日で終了する。
行きたいところに行く。どこでもドアは、いつも心の中にある
■「真珠の耳飾りの少女」に頭突きつけ抗議 環境活動家ら3人逮捕
(朝日新聞デジタル - 10月27日 23:02)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=7165230
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