果たして自分はハルキストなのか。
気象キャスター・朝岡さんの引退当日。諮られたように映画館に忍び込み、最終上映回、最後尾のシートに腰を埋め、3時間に及ぶ長尺映画の上映開始を待っていた。
そもそも西島秀俊が演じる気象キャスターが朝岡さんという名だということは、先ほど毎日録画してある『モネ』を見て知ったことで、自分にとって”朝岡さん”とは、学生時代にお世話になっていた実麗さんしか、実は知らない。

映画レビュー
101『ドライブ・マイ・カー』★5.
果たして自分はハルキストなのか。
作品を観終えた翌日、まるで老女が8時になるとNHKの画面前に座るのが当たり前のように、おいらも書棚から1冊の単行本を引っ張り出した。
『女のいない男たち』(村上春樹)
当時のマイ書評が見つからないので不確かなイメージになるが、とってもドスケベな短編小説集だったと記憶している。
その小説集のトップノベルが『ドライブ・マイ・カー』
珍しい村上春樹自身の「まえがき」に続き、すぐさま本編ページを開き、登場人物ほぼ3人、49ページの短編を15分ほどの速読で読み終えた。
わずか50ページにも満たない原作を3時間の作品に仕上げた濱口竜介監督の能力。
ちょうど『キネマの神様』が原田マハの原作を破壊した駄作である、と結論付けるなら、『ドライブ・マイ・カー』は村上春樹原作のエッセンスを、世界一のパティシエが焼き上げるスフレチーズケーキのように、見事なまでに無駄なく膨らませてくれた。
村上春樹の長編小説を読み出すと、いつもいつも「終わらないで欲しい」と願いながらページを開いていく。
この映画にも、間違いなくその瞬間があった。それも、極めて早いシーンに一つ。
そして、どうしても観て欲しいのだと、近しい人に捧げたい2つのスポット。
あっという間のエンドロール。秀作の証左。
チェーホフは『桜の園』しか知らなかったけど、とりあえずwikiで『ワーニャ叔父さん』のあらすじだけ復習しておいた。
そう遠くない過去。
西島秀俊を『B級映画の主役級』と揶揄していた自称・映画評論家の川崎オスカー(←おいら)は、河村たかしの反省よりも数倍相当な心持ちで、彼の成長に喝采を贈らなければならない。
原作では黄色だったサーブは、スクリーンでは赤に映えていた。
みさきと家福。原作ではそんな素振りさえ見せなかった広島から北海道への自分探しの旅。関越自動車道を通ったのは、新潟からのフェリー利用だったのか
時間の流れに違和感が残るけど、これぞベストルート。ゆっくり休め、みさき
村上春樹原作映画化作品では、これで5本目の鑑賞となるが、ベスト・オブ・ベスト。
もう1度観るには勇気がいるが、2021年ベスト級。
但し、自分がハルキストだと仮定して。

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https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=25&from=diary&id=6640305
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