梅雨本番
逗子行きの横須賀線は、クソコロナブーム終焉を暗示するかのように、多くのファミリーやカップルが乗り込んで、30分もすれば到着する鎌倉に思いを馳せている。
プラットホームから東に向かう9割5分の乗客を尻目に、まるで五輪賛成派の小さな小さな集会に出掛けるように、ほとんど人のいない西口に降り立った。
《樹ガーデン》
晴れていれば駐車場満車、階段の大行列は必至の樹ガーデンも、今日はルーフ付きテラスに2,3組。多くのテーブルに余裕を残し、雨露に輝く新緑に埋もれている。
誰が名付けたのか「天空のレストラン」
たくさんの階段を登って、マスク越しの息を切らして汗をかいたから、大きなアイスティーで一息つく。
規則正しく赤レンガに覆われた城壁のような壁に、お日様のように大きなあじさい。
日が照っているなら野生も現れるようだけど、今日は玄関のリス像がお出迎え
鎌倉の東しか知らない川崎市民にとって、まるでペルーのような異国。
昨秋出掛けた時は、改修工事中で断念した旧前田家別荘《鎌倉文学館》
岩屋のトンネルを抜けると、小さな丘にそびえる洋館が堂々と見えてきた。
これにで、駒場東大の本邸とともに前田家コンプリート。
玄関では文学館職員が立礼で迎えてくれて、なにやら来賓モード。IOCバッハになったような感覚さえ覚えた。
アールデコの内装は、庭園美術館や古河邸、鳩山邸にもよく似てる。
写真撮影は禁止だけど、先生の許可で撮りすぎたポラロイド写真。
バラの開花は30%と記されていたが、バラ園ではそれなりに華やかさと芳しさ。
文学館の性格なのだろうか、インテリジェンスな若いカップルに何組も出会う。
作家名や作品名は知っているけど、結局は教科書だけで知った暗記用の記憶ばかり。
自慢できるのは宮沢賢治の作品完読数ぐらいかな
鎌倉から佐助、長谷と辿って、右手を見ると長谷寺への参道は傘が連なる大混雑。
大仏や長谷寺のあじさい。解き放たれた観光客の集いには見向きもせず、由比ガ浜から江ノ電で鎌倉へと戻ってきた。
ふたたびの鎌倉駅、ふたたびの西口。
これまで知る機会もなかった「御成通り」は、きっと「小町通り」にたむろする観光客の100分の1
ところが、ここには魅力的なショップやカフェが並び、まるでパラレルワールド・カマクラ。
これまで食べたクレープの単調さとは一味も二味も違う《コクリコ》のクレープ(チョコバナナクリーム)を満腹堪能して、最後に小さなギャラリーひとつ。
《地平線ギャラリー》
商品として並べてある陶器とともに、壁に掛けられていた版画や絵本原画。
江ノ電沿線に住まうファミリーなら誰もが一冊蔵書して、孫に読み聞かせさせるという地域ベストセラー『えのでんタンコロ』
昭和30年代後半の江ノ電沿線の情景を描いたノスタルジックな原画が6枚。
ゆっくりと解説を聴きながら鑑賞していくと、レジに座っているほぼ同年代のおばさんが、より詳しい解説を重ねてきた。まるで、自分が描いたかのように。
「もしかして、…作家さんですか?」の問いに、

「はい…名乗り出るのが遅くなりまして

」
キターーーーーーッ。またもや、作家さんに出会うの巻。

「私の絵本を読んでいただいて、身近に思っていただき、とても嬉しいです。ここのギャラリーのオーナーなんですけど、ほんとうにたまに、サインをくださいというファンの方がいらっしゃいます

」
あいにく、この日は著作を携えていなかったので、サインは後日再訪として、原画1枚1枚に込められたエピソードを聞かせていただいた
いつもながら、ありがたいことだ。
御成通り、ただものではない

加山雄三、“エレキギターの神様”寺内タケシさん追悼「また、一緒にエレキやりたかったよな」
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=6561605
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