苦境にしかない観光業界。それでいて声をあげられない分断社会。
「自粛」こそが正義と旗を振り、不寛容の良識だけが跋扈する。
Go To の早期再開を祈り、旅先で笑顔の再会を願う。一期一会であったとしても。
《しまなみ2》承前
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因島の投宿地は土曜日にありながら、30の客室に4つの予約しか入っていない。
夕陽が一日の仕事を終えたのちの素泊まりチェックイン。
フロントにお薦めの地元食堂を尋ねてみると、港周辺の食堂を幾つかと、小さな声で「…うちでも食べられますけど…」と遠慮気味にホテル内レストランをレコメンド。
街灯のない山道を下るのも躊躇して、貸切のレストランでいただいた海鮮丼は、リーズナブルで瀬戸内の恵みある清らかな香り
テレビのリモコンは電池が切れていたが、そんなもの手動でなんとかなる。
客がいなくて寂しい地下温泉は、早朝入浴をするとお湯が出ない。きっと、ボイラーを点けていないのだろうが、湯船に溢れる温泉を頭からかぶればいいことだ。
こんなことも(客がいないんだから当たり前だと)素直に承知できるほど、フロントマンもレストランのスタッフも快く迎えてくれて、十分なホスピタリティを得た。★5.
7時4分。部屋から日の出を堪能し、いつものように早々にチェックアウト
早く活気を取り戻してほしいと応援できる良い宿だった。
広島+しまなみTripenart最終日。
広島→愛媛→広島のロングディスタンススケジュール
瀬戸田SAで広島の朝陽を眺め、多々羅大橋を渡り愛媛の朝陽に涙した
大三島ICを降りていくと、道の駅が見えてきた。
モーニングも食べてなかったので、レモンそばでも食べようかと立ち寄ってみたが、時計はいまだ8時前。
道の駅・多々羅しまなみ公園すら人がいないので、開いているわけがない
絶景。
感動の鳥肌がびんびん屹立
海外に行くことのできない令和2年と令和3年の仇を瀬戸内で討つ
サイクリストの聖地。
おそらく来年になれば、この地にもアジアや欧州からのインバウンドがやってきて、日本の多島美を眺めながらしまなみ海道にペダルを漕ぐ人々で溢れてくれるに違いない。
そういえば、瀬戸内のトリエンナーレも来年か。
大三島。目指す美術館は1つ、さらに神社を1つ。
それでも窮屈な時間設定にモーニングはファミマのサンドウィッチという、いつものスタイル。
《今治市伊東豊雄建築ミュージアム=TIMA=》
大三島最大の目的地だったはずなのに、結果を記せば★1.
理由は3つ。1つ目がフロントマンのおばちゃんが、ほとんどやる気を見せず「こんなところにほんとにきやがった」モード。しかも、マスクは途中からの鼻マスクで、さらには咳きこむ有り様。お陰で、この館にはできる限り留まりたくなくなって20分での退館。
2つ目は入館料840円という驚きのハイコスト。これと併売する市内3美術館共通券1,000円というお徳用チケットに気が向いたのも、大正解の判断だった。
3つ目がほとんど観るべき作品が見いだせない。
ミュージアムというよりも伊東豊雄設計アーカイブ。外観だけなら吉。
しかし、この3つの理由のお陰で大三島の滞在時間が思ったよりも確保できて、さらに★5クラスの市営美術館2軒に行くことができたのだから、やはり人間万事塞翁が馬なのだ。
もし、伊東豊雄ミュージアムが優れたスポットだったなら、次なる2館には立ち寄ることはなかっただろう。なので、これから大三島に行くなら、ここTIMAは外観だけで良し。
その代わり、次の2館はマストゴー
予定にはなかったが存在は知っていた。カーナビによるとわずか3分
《岩田健 母と子のミュージアム》
★5.の評価はTIMAとの比較でもあるし、チケットをもぎってくれたフレンドリーなおばさんへの評価でもある。
岩田健なる彫刻師の存在も知らなかったし、この屋外ミュージアムの造形が伊東豊雄のものであることも知らなかった。
テーマは『母と子』。しかし、白壁に刻まれていた実兄に対する兄弟愛に、より以上の感動をした。

「向かいの木造建物が廃校になった小学校。いまは泊まれる宿になってるんですよ。これが、結構高いの!最近はずっとお客さんがいなくてね…」
美術館の解説や彫刻家の人となり。さらに、帰りかけた神奈川県民を呼び止めて、

「そこの脇から浜に出られるわよ。キレイだから行ってみなさいね

」
この時点で伊東豊雄の咳込みおばちゃんのことはすっかりと忘れ去り、母と子ミュージアムのおばさんへの感謝と大三島への記憶が最大限に達していた。ありがとう。
3館共通チケットのラストはコンテンポラリーアートなミュージアム。
《ところミュージアム大三島》★4.
時間もないだろうとスルーを決めていたのに、お陰様でこちらも貸切。そういえば、午前中に廻れた3館とも貸切で鑑賞し放題。こんなに幸せな時間を、どう表現すればいいのだろう。
実業家で篤志家である所敦夫氏が、老後の趣味で開いた現代アート美術館。
日本全国を回った末にこの地に建築を決めて、平成16年に設立。
大雑把な説明をチケットブースのおねえさんから伺った。
展示品はもとより、ここでの楽しみ方は岸壁に沿って建てられた斜形設計とオープンテラスから眺める瀬戸内の借景
《母と子》と《ところ》に望外の感動を得て、伊予一之宮へと安寧旅の御礼参りへ向かっていく
《大山祇神社》
さすがは一之宮。さすがは大山祇神社総本山。
お祝い事もあったのか、或いは1月の晦日に初詣の参拝者か。
大三島の島民すべてが訪れているのではと錯覚するほどの人たち。といっても、20人〜30人程度なんだけど、この島で一番の人だかり。
伝承樹齢2600年の楠にも霊気を感じ、ますますパワーアップ。
因みに、樹齢2600年の楠ではなく、伝承樹齢2600年。
つまりは、いつの時代からか、どこからか眉唾である。
立ち寄ることはなかったが、神社境内前にある今治市大三島美術館が、《母と子》や《ところ》の本館という建付け。
大三島(おおみしま)も愛媛県も、これにて別れを告げよう。
次回はきっと、今治ルートから伯方の塩を舐めにやってくる。
正午を迎え、駐車場が満車になっていた道の駅・多々羅しまなみ公園を左に見て、しまなみ海道を広島に還っていく。
次なるは10年振りの生口島。いや、初めての生口島(いくちじま)。
(つづく)
■大江戸温泉物語、全国39施設を休業 3月7日まで
(TRAICY - 02月08日 17:51)
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