Go To な日曜日の朝、静寂が戻ってきた空港ラウンジ
搭乗3日前に座席調整のメールが雰囲気を予測させたが、案の定、ドル路線であるはずの羽田-伊丹便の搭乗率はおよそ3〜4割程度といったところ。
自粛要請に従っているのか、秋口に見られた敬老会の団体旅行は一切息を潜め、わずかに黒マスクの若者たちが我が物顔で円陣を作っている。
機内では、2つ後方のシートで若いねえちゃんが、マヌケ声で彼氏と具にもつかぬ会話を愉しんでいた。
1つ後方の冷静可憐なレディが、おもむろに立ち上がり前方へとシートを変える。
おいらもレディに着いて行こうかと思ったが、迷惑を察した彼氏が会話を止めるよう若いねえちゃんに諭していた。これなら大丈夫。ソフトモヒカンの彼氏、かっこいいぞ。
できる限り密なる空間を避け、対話も最低限。
go to マイスターの良識。
10月に東京へのgo to がスタートして、かなりインモラルな旅人たちに溢れたが、クソコロナが拡散を続け、go to はピークアウトの兆し。
伊丹空港へはフライト時間60分
エスカレーターを右に立ち、ガラガラのモノレールに乗り込んだ。
蛍池で飛び降りて、炎上中の大阪をスルッと関西。
川崎では2番線だったはずの「2号線」ホームで十三から岩屋へ向かう
『今こそGUTAI』(兵庫県立美術館)
鑑賞中の声出し評論が当たり前の関西圏美術館。
チケット売り場で列を共にしていた、地雷臭プンプンの親子連れ。
クソガキ、否、おぼっちゃまは声の質もいでたちもしんのすけそのもの。
静かな第一展示室の森の陰から、マヌケな響きのしんのすけボイス。
さて、どうするか。一度、彼らを見送って、先に野外展示を見てしまおうか。
静かに芸術を見るという伝統がないから、しんのすけ、騒ぎっぱなし。ご両親、もちろんほったらかし。
「これも風土」と諦観した束の間、お父さんがひとこと、

「リンゴ見に行くか

」
そして、親子3人がわずか30秒で展示室を去っていく。静謐がまた訪れた。
ちなみに屋外展示は無料スペース。野原家、チケット買って何しに来た。
展示室内に非常ベルが鳴り響く。
誰一人として動揺することなく鑑賞が続いている。
これもアート。
展示室にボタンが置かれてあって、「鳴らしたい方はビニール手袋をお貸しします」。
鳴らしてみると、非常ベルの仕掛けが展示室周囲にされていて、音が一周回って帰ってくる。良識人がこれをみたら、とんでもない!と激怒することだろうが、ニューアートの展示室にそんなクソのような人間は来やしない。なので、大丈夫。
企画展は(残念ながら)北九州市立美術館に引き続き、具体派の作品展示。
俺でも描ける。
なので、鑑賞時間は30分。相当に時間を持て余すことになりそうだ。
インスタレーションには、いつものようにリーウーファン。
石を落としてガラスを割ったやつ。
無料の記念室展示には、兵庫出身作家の小磯良平と金山平三が並び立つ。
小磯良平に関しては、続きもあるのでここでは割愛。
これにて兵庫県立美術館、屋内展示はおしまい。
ここへやってきた最大の目的は安藤忠雄。
アーカイブスが充実していて、絵画展示よりも時間をかけて復習・予習。
「コロナにつき入場は予約制」なんてマウントポジションを取ってはいるけど、実際の入館客は1時間に10人もいない。メインのグリーンアップルには川オス独りきり。
青リンゴに頬よせて、ゲンコツで叩いてみたら、コツっコツっと木製の響き。
結局、予想通りの2時間コースで安藤忠雄の自信作をあとにした。
海側に向かって大階段を降りていくと、ヤノベケンジ。
石段に座ってランチしている女子高生4人組がいぶかしげに「おたくじゃね?」という視線を投げかけていたが、そうではない

現代アートのファンである。(←おいら)
展示作品の最高傑作オスカー賞は福田美蘭『淡路島北淡町のハナモクレン』
作品の下部に阪神淡路大震災の報道写真がコラージュされていて、写真には「この木を残してやってください」という被災者のメッセージ。
福田美蘭さんは、この写真の先にあるべき枝や花を写実的に描き、永遠に咲き誇るハナモクレンを完成させた。
感涙。
そして、つづく。青森もつづいているのに。
■東京・名古屋向け一時除外=GoToトラベルで政府調整―14日に対策本部
(時事通信社 - 12月13日 13:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=6341206
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