横須賀線に乗ってWINS新橋に寄り道してからの北の丸
小春日和の日曜日は、こんな過ごし方を目論んだ。
自宅最寄りから電車に乗ると、白杖を持った青年がベンチシートの隅に腰かけている。
彼の正面に掛けて様子を眺めていたら、巧みにスマホをタップしながら、スピーカーに耳を当てて何かを聞いている。そもそも、文字盤すら見えないのだから、何をタップしているのかわからなかったが、駅に着くころになるとその動作を欠かさない。
きっと、下車駅情報なのかな。
いずれにしろ、新橋を目指していたおいらは、少なくとも東京駅までは、その青年と向かい合わせを共にしようと決めていた。
電車が新橋に到着すると、青年が白杖を持ち立ち上がる。
すぐさま駆け寄って声を掛ける。

「どちらかまでご案内しましょうか?」
青年は少し考えると、おもむろに、

「では、京浜東北線のホーム、秋葉原方面へご案内いただけますか?」
車内からホームに出て、青年をホーム中央側に誘導し、「肘か肩か?」「エスカレーターか階段か」を問いかける。
肩に触れていただいて、点字ブロックに沿って階段へと誘導する。

「踊り場になりますよ」「右に曲がりますね」「それほど混雑はしていないです」などと、マイルールのガイドをしながら、青年との小さな会話が弾む。
聞けば、秋葉原のミーティングへ10か月ぶりに参加する。なんのミーティングかはわからないが、趣味に関係するようだ。
神奈川県の南端・横須賀からやってきた。新橋からの乗り換え導線は、どうやら習慣に入っている様だが、それでも地下4階駅から階上ホームまでの道のりは、一苦労に違いない。

「先ほど、スマホで何か聞いていましたね

」

「イベントの口コミとかを聞いてました

」
秋葉原へ行くのがとても楽しそうに、マスクに隠れた口で笑顔を作る。
山手線がやってきた。ややシートが埋まっている状態だったので、車内のシートに案内しお役御免。
少し予定が押したけど、WINS新橋に行けばJAPAN CUP

を買えるだろう。
…新橋から10分かけて、かなり昔から行き慣れたWINS新橋へ到着する。

「閉館しました

」
聞いてないよ
調べると、新橋にはすでにWINS汐留が稼働しているし、内幸町地区の大規模再開発にかかり、6年も前に閉館されていた
OMG。
先週、松任谷由実がブラウン管にバシバシ登場していたのを敏感に感じて、ジャパンカップは《コントレイル》優勝と信じていた。
きっと、府中競馬場の直線。前を走るアーモンドアイを一気にゴール前で交わし、先頭でゴールインのコントレイル。
ウイニングランのBGMに流れるユーミン《ひこうき雲》
そんなシナリオを抱き、枠連

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で全財産(およそ3億円)勝負をかける計画が、WINS新橋の閉館で潰えた巻。
コントレイルと決めておきながら枠連というのが、ばくち打ちの神髄をついている。
ただ、これについては「やっぱり買いなさい

」という、天使からの後押しを受けて、ネット投票

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大勝負。投票金額はいろいろ事情あって、〇分の1に削減されたが、結果的にはJRAからお小遣いをかすめ取る
冒頭のお話なんて、本来は他人にさらすようなものでもない。
ただ、こうして書くことによって、川オスごとき(←おいら)すらが視覚障碍者たちに手を貸しているのだから、自分もできないわけがない(←できる)。と、感じてくれれば、ホーム転落の犠牲者を減らすことができるのだ。
転落した男性がもしこの日、おいらと出会っていれば確実に助かった。
情けは人のためならず。
新橋地下駅の長いエスカレーターに青年と並んで立っていると、後ろから歩いて上がってきた女性が「邪魔だ」とばかり、おいらの右わきを追い抜いていく。
彼女には何も見えてないらしい。杖を持つべきは彼女なのか。

白杖の男性 ホーム転落し死亡
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=2&from=diary&id=6324183
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