『頭を下げて頭を下げて牛丼を食べて 頭を下げて暮れゆく』(萩原慎一郎)
彼の命日にあたる6月8日。
遅ればせながら、過去にベストセラーとなった彼の歌集の存在を知る。
コロナの3文字がこの世界に漂うことのなかった晩冬。
『氷河期支援対策』と銘打った厚労省のプロジェクトが予算化され、1300億円の税金を投入して非正規雇用の人たちを正規雇用化する事業が、骨太方針としてスタートするはずであった。
しかし、我が国もコロナ禍の直撃を受けて、緊急支援は全国民に横断させる超大型対策にとって代わり、いわゆる『氷河期世代』は景気悪化とともに、さらに捨て往かれることとなる。まもなくすれば、令和2年に職を失った多くの人々さえ『コロナ氷河期』と称されるようになるのだから。
萩原慎一郎の人となりはほかに譲るとして、歌集『滑走路』に書き記された31文字の叫びは『サラダ記念日』のたおやかさとは比較にならないほどの底辺。
彼が詠み書き遺してきた295句を読みこんで、共感を得るものは(実は)ほとほと少ないが、かような境遇の人たちに思いやりを持って接していきたいと、あらためて誓うことができた。
『滑走路』をオーダーして、ちょうど宅配されたか、1ページ目を開いたかぐらいの日。
朝刊。
クソ下らない国会の記事や、ゴールの決まっているコロナ対策のコメントや、その他、どれほどの肥やしにもならない芸能記事に埋もれて、生涯忘れないであろう記事に出会う。
「携帯電話の充電がなくなりまずいと思った。必死になって周りが見えていなかった」。休業中だった横浜市中区のインターネットカフェに侵入したとして、建造物侵入罪に問われた住所不定、無職の被告(41)。
横浜地裁で開かれた初公判では、新型コロナウイルスの影響で根城だった東京都内の店舗を追われてからの苦悩と事件までの経緯を明らかにした。
被告は工場や警備の日雇い労働で月9万円ほどの収入を得ていた。しかしコロナ禍で2月から仕事がなくなり、3月には暮らしていた都内の店舗も休業に。「目標の1人暮らしのため少しずつためていた」貯金を減らす日々が始まった。
訪れた都内の市役所で本格的な支援は得られず、横浜市に流れ着く。中区で長年活動する生活困窮者などの支援団体に助けを求め、関係者からの返信を待つ間に魔が差した。
営業自粛中だったネットカフェの非常口が開いていた。夜中に忍び込み、コンセントから携帯電話充電を借用している時に防犯装置が起動して警察官に取り押さえられる。
裁判長の判決は「罰金10万円」
住所不定者に給付金は届かない。ただ、牢屋に入っていれば手続きは可能だという。
給付金は罰金として国庫に納付される。これで、いいのかな、安倍総理。
『夜明けとはぼくにとっては残酷だ 朝になったら下っ端だから』(萩原慎一郎)
縁あって清澄白河は『霊巌寺』を訪ねる
もともとは中央区新川にあったこの寺は明暦の大火によって焼失し、現在の白河へ再建されている。
明暦の大火と聞いて思い起こすのは振袖火事、八百屋お七。
歌舞伎ファンなら中級クラスというところか。
境内には東京六地蔵の1つ『銅造地蔵菩薩坐像』とともに、国指定史跡『松平定信墓』が堂々と建立されている。
中学時代の社会で習ったが江戸三大改革の一つ《寛政の改革》を完成させた名政治家・松平定信。中でも各世帯に2枚ずつ配布されたサダノマスクは、230年後の令和にその偉業を引き継いだこととして、今もって評価が高い。コロナの時代に、松平定信さえあれば。
ところで、霊巖寺を参拝した6月14日。
松平定信公の命日であったことは、全くの偶然である。
そもそも、偶然を必然にするのが川崎オスカーのレゾンデートル。
『今日という日もまた栞 読みさしの人生という書物にすれば』(萩原慎一郎)
■「1回きりの10万円では足りない」…給付金アンケートに切実な声続々
(まいどなニュース - 06月15日 10:30)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=262&from=diary&id=6120186
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