「〇〇するべきだ」「〇〇に行くべきだ」とか「普通は〇〇だよね」みたいなmust語。
相手と同じステージで指示されたりするのがあまり好きではなく、自分自身でも使わないようにと心掛けている。あなたの「普通」と私の「普通」は違うのだ。
ところが、この「べき」は絶対に実行しなくてはならない「べき」だった。
《あなたはこの展覧会にいくべきだ》
『シュルレアリスムと絵画』-ダリ、エルンストと日本の「シュール」-(ポーラ美術館)
慌てて駆けつけたのには理由がある。展覧会は4月5日まで開催されているが、このところのコロナで、いくつもの展覧会が途中打ち切りの目にあっている。
箱根の山奥とはいえ、世間の風当たりはどこに吹くかもわからない。
突然の中止に備えてポーラさんに電話をしたら、

「明日は予定通りです。その後はホームページを確認してね」と、やはり世間の風を気にしているアンサーだった。
これもコロナの為せる技なんだけど、土曜日の箱根路がガラガラに空いている。
例えば、箱根湯本駅に降り立つインバウンダ―はほんとに数人だし、自撮りカメラを構えた人は皆無。
外出自粛を自粛中のおいらにとっては、天国のような観光地。
湯本から駅伝ランナーが走る坂道を、黒マーチで走ること20分ほどで、国内では五本指ミュージアムに入るほど大好きなポーラ美術館に到着する。
一体、何度目のポーラだろう。いつ来ても、どっぷりと幸せに浸かることができる。
企画展唯一、撮影可能な『目』のスポットからキリコが見える
展示室、ほぼ貸切り。意地でも感謝しないぞ、コロナ。
1919年、ブルトンが提唱した「シュルレアリスム」の解説を聞きながら、贅沢に蒐集されたシュールな作品をゆっくりとたっぷりと堪能する。
嬉しいことに観覧客の多くに、若いカップルが目立つ。
答えのないシュールな絵画に、それぞれの感想を加える若者の語りを聞くのも、また楽しい。
例えば上部の作品。諸橋美術館が所蔵する《ビキニの3つのスフィンクス》
若いカップルはタイトルになっている《ビキニ》の意味を知っているだろうか。
そんなことも気にしながら、本企画のメイン、マグリットへとたどり着く。
《生命線》1936年
そして、ぼくはこのタイトル《生命線》の意味をキュレーターを経て、間接的に教授いただくことになる。なんとも贅沢な美術鑑賞だ
ほかにも書くには余りあるほどの作家たち。デルヴォー2作品にも出逢うことができた。
紛うことなく「行くべき展覧会」であった。★10.
シュールのラスト、束芋さんの奇怪なアニメーションを観て、いきなり場面転換のコレクション展。
これが、シュールの真逆。
ポーラが誇る印象派のコレクション、ベストオブベストを惜しげもなく。
ゴッホ4作品。これだけでもゲロを吐きそうなのに、次々と名作が並べられている。
所蔵品につき撮影無料、並べてしまおう。
ゴッホ作品ではマイベスト5に入る『アザミ』

ベスト5がなんだと問われても内緒である。
ポーラで知った岡鹿之助の作品。近くで観るほどに惚れてしまう
茫然自失。何度見ても震えがくるほどあれなスーラ。
やはり、おいらはモネやゴッホやマグリットよりもスーラなようだ。理由はない。
「パリはないけど…」と、何かがありそうなデュフィ。
香水瓶の部屋に入ると燦然と輝く1枚。
もう倒れてしまいたい。
ランチタイムすら外に出ることを躊躇し、滞館時間は川オス史上最長の5時間
美術館ハシゴがルーティンだった箱根の杜に、この日はポーラに浸りつくす。
都会のコロナから逃げたければ、箱根に行くべきだ。Just Now

仏ルーヴル美術館が休館、新型コロナ拡大懸念で職員が就業拒否
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=63&from=diary&id=5993209
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