パルコ劇場こけら落とし公演に抜擢されたのは、十数年にわたり旧パルコ劇場で「志の輔らくご」を披露し続けていた立川志の輔。
パルコ改修中は場所を赤坂ACTに移して「志の輔らくごin赤坂」。
『中村仲蔵』の大ネタ披露に徹してくれていた。
漢字ファンなら周知の事実だが、こけら落としを漢字で書くと「杮落し」。
この「杮」が「柿」ではないことは漢検2級ホルダー(←川オス)なら知らないわけがない。
カキはなべぶた、コケラは突き抜け。書き順が違う。
残念ながら、新劇場の導線の悪さをメモしておきたい。
まずはトイレ。モーグルスキーのゲレンデを思わせる最大斜度35度にも及ぶ階段を26段降りることが必須であり、かなり多くの婆さんたちが転げ落ちていく。
終演が階下のパルコショップ閉店時間を過ぎていたら、トイレに続き再び悪魔がやってくる。
健脚確かなら舞台下手の出口から、渋谷の夜景を見ながらウッドデッキを5フロア降りていくのがいい。3階につけば、そこからスペイン坂がむかえてくれる。
もし、観客の流れに紛れるまま舞台上手から退場すると、エスカレーターはすでに動きを止め、唯一の導線となるエレベーターを待つ500人の大混雑に加わることをあながえない。
せっかく抱いた舞台の感動が、人いきれに紛れていく。
但し、名誉のために付け加えるなら真紅に染まる劇場内のレイアウトは、演劇の伝統を思わせる見易さと心地よさを感じることができた。
十分なほど前列との高さが保たれて、シート前スペースも、立席することなく横列を行き来できる。
国立競技場のあれよりも10 倍のスペースはあるだろう。
余談だが、親しみやすい愛称を募集していた国立競技場は、4月1日から「スペースゼロ」と呼ぶことを決定したとか、しないとか。
さらに余談だが、この日記自体が余談である。
幕があくと猿楽師に扮した志の輔が三番叟を舞い、新装舞台を祝う。
衣装を変えて高座へつき、636席の心地よい観客席を見回しながら、渋谷パルコ劇場の想い出と、こけら落としを務める抱負をたっぷりとマクラで語ったのち、一席目は古典滑稽もの『ぞろぞろ』★4.5.
これには、最近の御朱印ブームをおちょくったマクラも挟み、会場内に爆笑を誘う。
新作落語とはいえ、初演は2003年『メルシー、ひな祭り』★4.
やや冗長なやり取りに隣のワイフさんはグラリと船を漕いでいたが、こちらも他人の素振りに漏れず、やや船を漕ぐ。
中入り。
締めの一席が始まるころは、すでに腕時計は21時を指し、2時間を優に超えていく。
ネタは『八五郎出世』★4.5
もはや立川流の重鎮であり、紫綬褒章も授かって風格も十二分。大笑いを取るよりは《志の輔》の存在を楽しむ噺家になっている。
★5.を付けられないもどかしさ。
後輩の談春に名人の座を譲り、若手には一之輔の台頭。
無理篇にゲンコツと、さらなる無理がまかり通る談志界で生き抜いた強さと自信。
立川流でなければ大名人だったのか、それとも定席を埋めるだけの落語協会重鎮の一人に落ち着いてしまったのか。
富山県の聖火ランナーにオーラが見えた。
ガッテン、志の輔。大入袋ありがとう

好きなNHK放送アニメは? 3位「忍たま乱太郎」、2位「クラシカロイド」、1位は…
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