中川一政と佐川一政。
一字違いだが、かなり違う。
ただ、生半可な知識(←おいら)程度だと、たまに同一人物へと錯覚を得たりする。
多くの和風美術館に展示される中川一政の作品が、ほんの少しだけゴッホのようなもやもや感を認めることがあったから、混乱したのかもしれない。
ちなみに、佐川一政はフランスでカニバル殺人を犯したが、精神鑑定により不起訴となって収監されることなく今でも日本で過ごしている小さい人である。
湯河原から黒マーチでわずか15分。
真鶴半島の奥地、中川一政美術館に着く。
月曜日でもあるからなのか、駐車場には美術館のバンが1台止まるのみで、いささか経営の心配をしてしまう。
ただ、心配はご無用。私設ではなく、湯河原町立のハコモノ。町民の税金でなんとかなるものだ。
展示室は1階、2階の5室。すべてが中川一政の作品で埋めつくされている。
展示室内は一切撮影禁止なので、ネットから集めてみたが、彼の作品の特長はイタリア花瓶に挿された花や、或いは真鶴や箱根の風景画。
20歳代の作品を少しだけ見ていくと、あとは彼の最盛期である60代から90代に描いた迫力の作品ばかり。
額縁の柄も自身で描き、97歳で亡くなる寸前まで筆を握っていたという。
かまぼこ型の美術館は隣町・小田原を意識したものでもなかろう(←ない)が、館内はコンクリート打ちっぱなしの何となく安藤忠雄。実は竹中工務店設計部。
館内なら構うまい、とシャッターを押したら、階下からやや怒りの声がする。

「館内撮影禁止ですよ

」
ケチ臭いことには違いないが、素直に頭を下げて作品鑑賞を続けていく。
ロビーに降りていくと《アトリエガイドツアー》の案内を発見。スタートはまるで計ったように5分後のスタートにつき、5分待つ。
受付の人から案内されて、ガイドさんを紹介される。
さっきの、やや怒りのおっさんじゃんね。
本館を抜けて、別館アトリエの道すがら、人たらしの実力を見せてやろう。

「中川先生はどなたか影響された画家はいたんですか?」
待ってましたの質問だったようだ。彼は、すっとおいらに引き寄せられ答えを披歴する。

「ほぼ独学だったようです。ただ、翻訳もしているようにゴッホや、それからセザンヌにも影響を受けていると作品を見ると思われますね

」
ほらね、やっぱりセザンヌだよ。

上:中川一政、下:セザンヌ。そっくりでしょ。

「このアトリエはレストランと併設されていたのですが、レストランは(客がこなくて)閉店したので、アトリエだけはガイドツアーのときだけカギを開けて公開します。ここなら写真を撮っていただいていいですよ

」
もう、この時点でやや怒りのおっさんから、笑顔のおっさんへと変化して仲良しになっている。
一通り、中川画伯の生涯を語ってくれたあと、彼の生家が真鶴駅付近にあるとワイドな話題に振られていく。
ついでに、真鶴ガイド。

「これからランチを摂りに魚市場へ行こうと思ってるんですけど

」

「あそこはオープン当時、町役場の人が運営していたんですよ。酷いもんですねよね。今は経営が変わって行列もできるようになりました」

「どこかお薦めはありますか?」

「(役人的な立場なので)名前は出せませんが、(地図を指して)この辺りに3軒食堂が並んでいて、その真ん中。いい値段しますけど、美味しいウニが食べられます。生き造りの船盛とか。土日は予約しないと入れないでしょうが、今日ならそれほど込んでないかもしれませんね。誰もいないので店の名前教えちゃいましょうか?…うに清っていうところです。ちょっといい値段になりますけど(←あと3回繰り返す)

」
ガイドさんのお陰で、中川一政が近くなった。さらには、真鶴が近くなった。
1時間ほどの町立美術館。終わってみると、やっぱり好印象。
同じ趣味にある人との会話は常に楽しく有意義なものだ。
《うに清》★5.
コスパ最高。湯河原の旅館で相当な朝めしを喰っていたので、船盛は遠慮して鮮魚尽くし。次々に出てくるサカナ、魚、さかな。
すべては美術館のガイドさんのお陰。
せっかく、真鶴半島入りしたので、突端である《ケープ真鶴》へ
直訳すると《よだれ掛け真鶴》という感じかな。
名勝《三ツ石》
まるで鳥羽二見が浦の夫婦岩。
ここで懐かしい想い出が蘇える。
初めての二見が浦は大学時代、学友が免許を取ったと男女7人で行った伊勢志摩ドライブ
初めての真鶴は、これも大学時代。同じように免許取った記念と称して、中学時代の学友と男女7人での真鶴テニスドライブツアー
実は神奈川県にありながら、真鶴はその時以来、35年ぶり2回目という近くて遠い町。
そもそも、この辺りのどこにペンションがあって、テニスコートがあったのか。
嗚呼、遥か彼方のバブル時代。
《貴船神社》
そろそろ真鶴を離れよう。湯河原と真鶴での思い出に感謝して、二礼二拍一礼。
社務所のお兄さん、シーボースのような出で立ちだなと思っていたら、御朱印さえ骨皮筋衛門。

バンクシーがクリスマスプレゼント、サンタのそりにホームレス
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=14&from=diary&id=5898380
ログインしてコメントを確認・投稿する