フィンランドと日本が仲良くなって100年。仲佳きことは、素晴らしきこと哉。
これを記念したのかしてないのか、最近はフィンランドの国名をよく見聞きする。
今夏、出掛けたものにとって、絶対に行かなければならなかった展覧会。(←行く)
『カイ・フランク展』(神奈川県立近代美術館・葉山)
先日、鎌倉別館に行ったばかりだけど、ロケーションは葉山の大勝利。
しおさい公園とハヤキンを間を縫って海岸へと向かう《スナフキンの小径》には、見事な陽光が射している。
(この道の愛称は、「トトロの小径」は誤りで「スナフキンの小径」が正しい

)
偶然にせよ、これすらフィンランド関連なのだ。
ハヤキンは屋外展示も数点在って、美術館の周囲を散歩できる
開館早々に出掛けたので貸切鑑賞を目論んだが、カマキン(鎌倉別館)よりも相当に込んでいる。いや、込んじゃいないし、空いていたけど、貸し切りじゃない。
イサム・ノグチのこけしや、清澄白河の《MOT+》(東京都現代美術館)にもいくつかあった足跡。
高台から海岸を望むとヨットが一艘浮かび、どうしたってスーラの点描画を思い浮かべずにはいられない。(←浮かべる)
カイ・フランク。
いつものようにガイドさんによると、ロシアやドイツに隣接し戦争に巻き込まれることの多いフィンランド事情を鑑み、ファミリー用に揃えた食器が1つ壊れても、買い替えができるようにイージーなデザインで、コスト的にもチープでありながら、スタイリッシュな北欧デザインを追求しているという。これが「フィンランドの良心」と言われる所以。
なるほど、丸、楕円、円柱、円錐、四角、三角というダイソーでも見かけるような単純な形が並んでいる。
それでいて、ダイソーのそれとは輝きが違う。100円じゃ売ってくれないはずだ。110円でさえも。
展覧会では、イッタラとかアラビアとか、ヘルシンキで見掛けた固有名詞がたくさん並んでいる。にわかフィンランドファンだけど、とっても嬉しい。
コレクション展では朝井閑右衛門の作品が秀逸。
写真撮影不可なので、紹介することはできないが、彼の名前をローマ字表記するときは、
「Kan'emon Asai」とアポストロフィが入ることを覚えておきたい。
せっかく葉山までやってきたので、御用邸にも入りたかったが惜しいことにおいらは皇族ではない。ならば、ハヤキンから徒歩5分、山口蓬春を学習しよう。
《花鳥風月-山口蓬春、日本の美を描く-》(山口蓬春記念館)
珍しく不愛想な受付おばさん1が入場券モギリにどーーーんと構え、冷やかしなら通さないぞの構え。かなり怖い。
近代美術館とは違って、ここの客層は和装を着込んだ老齢のご婦人方が目立っていた。
山口蓬春の多くを知っているわけではないけど、設計者・吉田五十八には最近、四方八方に出掛けて眺めている。
おそらく、それが伝わったのだろう。
不愛想なおばさん1が、ぼくに入場券を売ってくれた
とても鑑賞しやすい小さな展示室が3つ。作品数は多くないが、まるで歌舞伎の筋書表紙に描かれているかのように上品な花鳥風月を鑑賞することができた。
特に『冬』は、京都苔寺で写生した枯山水の庭石にツグミが1羽。なぜだか、目に焼き付いた
記念館の見どころは吉田五十八設計の画室。
初冬になれば庭木の紅葉が咲き乱れ、作品のモデルになっていたようだ
マイベスト山口蓬春『望郷(小下絵)』
山口蓬春が誰かのために書いて、誰かに贈ったとキャプションに書いてあったけど忘れた。展覧会来館記念にこの作品のポストカードに選んだら、不愛想で怖い受付おばさん1から

「マグネットとクリアファイルも安いから買え

」と、低い声で薦めてきた。

「今なら定価の半額

」だと、洋服の青山のようなセールスをしてきたが、ご存知のようにおいらについては、生涯クリアファイルを買ってはいけない身。
しかし、そんなエクスキューズの通じる相手(←

)でもない。
団体さんが入り口に押し寄せてきた時を見計らって庭園へと抜けだした。
庭園を散策して退館しようとすると、庭木を剪定していた庭師のおばさん2が声を掛けてきた。

「千両、万両、見てきたかい?」
いや、もっと違った問いかけだったかもしれない。
とにかく、川オス宅の庭に咲き誇る千両の話題を、花木の大好きなおばさん2に振ってみたら、こんな感じで会話のキャッチボールが始まった。

「十両、百両もあるよ

」
十両、百両は初耳だ
おばさん2は剪定鋏を持ったまま、千両の咲いている場所まで案内をしてくれて、

「これが十両。本当の名前はヤブコウジ

」

「あっ、寿限無ですね

」
寿限無ちゃんのミドルネームが、やぶこうじ。1年中、丈夫な強い花であることから和尚さんが選んでいる。ちなみに、ヤブコウジに続くぶらこうじ、というのはドリフターズの中本工事が女装してブラジャーをつけるあれだ。それではない。

「これが百両

」
草木に付けられた名札を読むと「唐橘」と記してある。
この台風でモミジもミモザも打撃を受けたそうだ。

「これからモミジがどう咲くか心配でね。ミモザはあと3年かかるわ

」と、寂しそうに溜め息。
花木にはちっとも詳しくないんだけど、わざわざ手を止めて庭園を案内してくれた優しいおばさん2のお陰で、山口蓬春記念館の印象がすごく良い。
そもそも、それほど訪れることはないけれど、混雑しない夏以外の葉山が好き

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https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=5854153
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