持っている。
自分でいうのも恐ろしいが、確実に持っている。
今日はTSUTAYAにそれがあった。
FIN日記を書くたびに、どうしてももう一度観たいと心に秘めていた映画。
これをFINロスというのであればそうなのであろう。アフター5に映画館へ行く気力はまだ湧きあがらずに、帰り道にふと立ち寄ったTSUTAYA矢向店。
入り口の貼り紙に『完全閉店』の告知。貸し出しは8月4日で終了し、18日に閉店するとされている。その脇に「レンタル品中古販売」と書かれているのを見逃さず、バイクを置いて入店した。
すでにスカスカになった陳列棚にはわき目もふらず、目指すは邦画→ドラマ→「カ行」。
実は帰国早々、メルカリやヤフオクで検索をしていたが安くても1500円UP
この価格が高いのか、安いのか判断がつかず入札を躊躇していたが、邦画→ドラマ→「カ行」の棚に並ぶDVDから1枚だけ残っていた『かもめ食堂』

を即座に抜き取り、レジへと走る(←走らない)
レジのおにいちゃんにプライスを尋ねると「1枚540円均一です」と明瞭なアンサー。
買わないわけがない(←買う)。そして、観ないわけがない(←観る。いや、観ている)
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1972507227&owner_id=8666179
(承前)
《FIN4》
白夜の朝はいつ明けるのだろう。
そもそも海外に来て夜通し飲むことなどないし、そもそも誰からも誘われない。
日本にいる時のように22時を過ぎれば床につくが、街中は夕方のようにまだ明るい。
駅前のホテル。8階から朝のヘルシンキ中央駅を覗き込むと、人もまばらでトラムが縦横無尽に走っていく。
モーニングブフェで1日分の栄養を確保して、いざ、眼下に見えたへんてこな”茶筒”へまずは飛び込もう。フィンランド、特別な1日が始まった。
《カンピ礼拝堂》
地球の歩き方は読んできた。それでも、こんな駅近センター街に異様でしかない木の教会が鎮座して、異国から来た無教徒を迎え入れてくれるとは。
入館料を取らないものだから、礼拝用のキャンドルを1ユーロで仕入れ、この日誰も立てていないキャンドルサンドにローソクを優しく置いた。
静寂に包まれた教会。
いつもなら、この素晴らしい内観を写真に収めようと試みるおいらなのに、スマホを持ち歩くことすら躊躇する。
結局、スマホのセンターボタンに手をかけることなく、ゆったりした静寂に親しんだ。
至福のひととき。
次の礼拝堂が開く時間まで、前日見逃した(ことに気が付いている)アアルトの代表作品を訪ねてみる。
《フィンランディアホール》
観光のためのツアーはないけれど、ホール内カフェでオープンの準備をしていたおねえさんが笑顔で話しかけてくれた。いや、笑顔で話しかけたのかもしれない。
いずれにしろ、笑顔が一番だ。
アアルトを知るならペンダントライトを刮目せよ(川オス)、と昔から言われているごとく、天井からぶら下がるスタイリッシュなライトたちにアイコンタクト
いかにも北欧らしい石城は国立博物館に姿を変え、国会議事堂と競うかのように聳えている。
小さな街であることは気が付いていたから、歩き続けて石畳の坂道を登り、そしてたどり着いた緑のドーム。
《テンペリアウキオ教会》
早朝が木の教会なら、ここは石の教会。
日本の築城よりも雑な石積みに囲まれて、厳かな礼拝堂がそこにはある。
いや、あった。
今回のFIN旅行、唯一の喧騒と嫌悪感がいきなりやってきた。
中国人ツアー客。
礼拝堂が団体に埋め尽くされ、荘厳だったパイプオルガンがかき消され、祈りの場に立ち上がりヒールを鳴らして写真をねだるご婦人たち。2階のバルコニーでは、まるでシンデレラになったかのような気分で両手を掲げ、自撮りポーズに余念のないおねえさん。
讃美歌はいつのまにか中国語と英語のアナウンスへと変わり「静かに見学をしてください

」の繰り返し。
日本人のみならず、白人たちも呆れはれてて、この上々颱風が過ぎ去るのを頭を垂れて祈っている。
時が来れば去っていく。まさに台風と同じ。
彼らがやってきてくれたおかげで、思いのほかたくさんの時間、石の教会で恵みある時を過ごすことができた。これもまた、旅行の醍醐味と知れば想い出になる。
時間を見ると11時。ほぼ計画通りに進んでいる。
ここからはトラムを乗り継ぎ、いよいよアアルト自邸へと針路を変える。
スマホの告げる通りにトラムを下りてから、右や左へと彷徨っていると、後ろから声が掛かる。

「May I help you?」
人通りなどほとんどない閑静な住宅街。
目の前にいた日本人が彷徨っているのではなく、迷っていることに気が付いてくれたおばあちゃんが、おいらと同じ程度の英語力でわざわざ声を掛けてくれたのだ。

「I wanna go The Aalto house

」
おばあちゃんと同じぐらいにシンプルな英会話で、どうにかたどり着くことができるのだが、そんなことより、おばあちゃんは16℃にも満たない涼しい夏を詫びてくれた。
おばあちゃんの優しさは、間違いなくおいらの日本での優しさへと恩返しされる。
誰もがみなそうであれば、憎しみなど産まれはしないのに。
迷った割には予約時間よりもずっと早く到着したアアルト自邸。
このあとの予定も詰まっていたから、近くのカフェを見つけてライトランチ。
これがまた、思いのほか想い出のひと時となったのだが、これはまた別の話。
ちょうど、今、観ていたDVD『かもめ食堂』が終わり、井上陽水が唄っている。
涙が出そうなくらいステキな映画だった。
「かもめ食堂が満席になりました」…このエピソードが日記に記されるまで、あと何話のFIN日記が続くのか。あと何度『かもめ食堂』を観ることになるのやら。

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https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=128&from=diary&id=5737583
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