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2019年05月11日22:44

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《アート》ギャラリートークおじさん遭遇の巻

令和最強の恐ろしい話。
招待券が手に入ったというのでやってきた上野トーハク。
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『美を紡ぐ日本美術の名品‐雪舟、永徳から光琳、北斎まで‐』(東京国立博物館)
このところトーハク、近代、西洋と国立美博物館づいている。
平成館で開催中の『東寺』は混雑の模様ながら、本館で展示が始まった企画展はそれほど多くの観客を迎えてることもなく、1点1点を吟味しながら鑑賞できる。
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中学生か高校生、或いは大学生の頃に一度だけ訪れたことがある日本国最高峰の博物館本館。メトロポリタンやロンドンやアムステルダムと同様のナショナルミュージアムの誇りと威厳を感じることができる場所。
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いきなりの国宝屏風・永徳『檜図屛風』や、つい最近ファンになった芦雪『花鳥遊魚図巻』。

他人(といっても、レジのおねえちゃんやウエイトレスさんや受付嬢)に話しかけるタイプのおいらとあって、逆に他人からも話しかけれることが多い。話してちょうだいオーラか、さびしんぼオーラのどちらかを発しているようだ。
令和の出典となった万葉集写本が展示されていた。
しかし「令和」の巻ではなく、別の万葉集。
蟹座「どうせなら令和のやつを展示すればいいのに」と語り合っていたところ、右からやってきたおばさん(当社比)も、
ひよこ「そうですよね。わたしも「令和」のやつかと思ってさがしちゃったわるんるん」と、会話に加わってきた。
それは親しみの湧く同じ意識の共有で、美術館や博物館ならではの品位ある雰囲気。

事件はその後、この作品を観ていたらやってきた。
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蟹座「百人一首みたいな屏風だな」
屏風を見ながら感想戦に耽っていたところ、背後から滑舌が安倍ちゃんな声が聴こえてきた。
ブタ「栗田美術館」
んっ、なんだ?
後ろのおっさん(65歳ぐらい)が、間違いなくおいらに1単語で語り掛けてきた。
知らんぷり(平成語=しかと)を決め込むと、さらに畳みかけるように、
ブタ「栗田美術館にあるんです」と、おいらの眼を見つめて語っている。
げっそり
この刹那のおいらの脳内は、以下の通り。
「知り合いか?」「なぜ、おいらが栗田美術館へ行ったのを知っている」「栗田美術館以降の単語が全く聞き取れない。聞き直すべきなのか、無視するべきなのか」
即座にはじき返した答えが、情けないことに栗田自慢。
蟹座「栗田美術館、先週行ったばかりです!」
この返答でおじさんとのコミュニケーションが成立する。
ブタ「栗田美術館にあったでしょ、この×〇△△※■が」
残念ながら、何がなんだか聞き取れない。
聞き返すのも億劫だし、そもそも栗田美術館の展示品はワイフさんとともに行ったのだから、瞬間移動につきほとんど観ちゃいない。
しかし、その事実を答えるにはおじさんの寂しいオーラが、おいらには痛すぎる。
蟹座「あっ、はい。2階が回廊になっていた展示室の1階にありましたね」
一体、何があったんだ、オスカー?お前はちょっとワイルドすぎる。
ブタ「〇△×の作品は■◇♭※で…(略)」
とにかく、何を言っているのかよくわからなかったけど、結局、その作品の前に20分立たされて、おじさんのクソ長い話を総合すると、こんな感じであった。
もう一度書く。
その作品の前に20分立たされて、おじさんのほぼ自慢話を聴かされたおいらたちの身にもなってみろってんだ。
といいながら、それほどおじさんに対する嫌悪感は芽生えていない。
なぜなら、この日記をはじめ、クソ長い日記をほぼ読まされるマイミクの皆さまの、つらい立場をおいらは知っているからだ。

おじさんダイジェスト。
・自宅に4000点の美術品がある
・西麻布に住んでいる
・国立博物館にはよく来ている
・世界の美術館を回っている
・ボストンからクルマで2時間走ったところにあるなんちゃらミュージアムは最高!
・鍋島も伊万里も国立や栗田美術館より優れた作品を持っている
・大観の作品はクソだ
・これからは山元春挙を勉強しなさい
・大観の作品はクソだ2
・日本画家では加山又造を超える作家はいない
・大観の作品はクソだ3
・あなた(←おいら)は美術芸術に詳しい(←詳しくない)
・大観の作品はクソだ4
この会話の最中に何度も何度も(マジ、何度も)ご教示いただいたお礼を告げて、マイケル・ジャクソンよりもスムーズなムーンウォークで後ずさりを試みたが、おじさんのストーキングはNGT48のキモヲタたち以上に粘着であった。
結局、20分立ち続け、おじさんとの会話を楽しませてもらったが、怖くて名乗ることも名前を伺うこともできなかった。というより、早く忘れてしまいたい出来事でさえあった。

ようやく、百人一首みたいな屏風とおじさんから離れることができて、次の屏風を静かに眺めていた。
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ブタ「青がないんだよね」
げっそり
逃げ切ったはずのおじさんが、後ろから忍び足でやってきて、再びおいらの耳元にロックオン。
同じ展示室で起きた出来事であり、責任の半分は別の展示室に逃げ込まなかったおいらにある。自覚なう。
蟹座「MUGON…色っぽい」否、無言で聞き捨てようと思っていたが、今度の話題は色についてらしい。自然に首はおじさんへと振り向いてしまった。
これで、リレーションが成立したと、おじさん極解。
ブタ「この作品、緑色は赤色に、黄色は紫色に対応しているのに、オレンジ色、というより金色かな、これに青がないんだよ。補色になってないよね」
これを聞いて、うっかりさんのおいら。スーラを持ち出した。
蟹座「点描画ですね」
この答えで、リレーションはパートナーと地位を上げ、さらに以下のうんちくを傾けてきた。

おじさんダイジェスト2
・自宅に14振りの刀がある
・ここに置いてある刀よりも私が持っている妖刀正宗のほうが価値が高い
・西麻布に住んでいる
・大観の作品はクソだ5
・大観の作品はクソだ6〜8
・日本画家では加山又造を超える作家はいない
蟹座「ありがとうございました。では」
7分我慢したのちに、御礼を告げおいらたちは立ち去った。
おじさんは依然として、その場でひとりで語っている。
恐ろしい27分間。
このおかげで、16時まで開放されていた庭園散策の機会を逸したばかりでなく、東京国立博物館滞在時間2時間20分という自己ベストを記録した。

気を取り直して拝観を続けていく。
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歌麿の作品解説にあった「遊女と禿」の文字。
蟹座「ハゲてないじゃんね、この女性」
そんなことを言いながら、歌麿の作品を眺めていたら、やはり右後方から本日第3のおばさんが現れて、
猫「かむろ」
と、告げてきた。
蟹座「かむろってなんですか?」
女性に対しては世界一の優しさを誇るおいら(自称)につき、答えやすい駄問をあえて聞いてあげる。いわゆる、会話のキャッチボール。これが優しい男のマナーでさえある。
猫「遊女になる前の女性のことよ」
蟹座「ハゲじゃないんですね」
猫「(笑)」
ほらね、これでおばさんも川崎オスカーファンの一員だ。
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常設展示の最後に掲示されていた日本洋画。
作家名・吉田博。
ほらね、ふと訪れてこんな感じで好きな作者に出会えるのだから。

15時15分に入館して、17時30分の大観。否、退館。
それにしても、大観はクソだ。(げっそり洗脳なうげっそり)



■「令和」墨書、2年後に公文書館に=一般公開、商業利用可能に
(時事通信社 - 05月11日 15:01)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=4&from=diary&id=5615111
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