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2019年02月17日17:25

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《アート》スルガ銀行の功罪(静岡長泉1)

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静岡には名門地方銀行が2行ある。
チャレンジングな融資は絶対にお断り、晴れの日に傘を貸すのが銀行の役目という社是で”しぶぎん”と揶揄されるも、経営状況絶対安定型の「静岡銀行」と、その地方銀行の雄に対峙するべくかなりチャレンジングな融資展開を行って、地元のみならず、多くの投資家に対してもwin-winのスキームを構築し、金融庁からも”リスク経営の模範”ともてはやされた「スルガ銀行」ドル袋
そのスルガ銀行が「かぼちゃの馬車」の幻影に悪乗りしてシェアハウス詐欺に加担。1兆円を超える不正融資が発覚し、今期1000億円弱の赤字決算となることが確実視され、創業者一族は総退陣に追い込まれた。
創業者・岡野喜太郎氏の人生訓「欲を離れるのが長寿の秘訣である」が守られたのは101歳まで存命した喜太郎氏唯一で、2代目以降はその遺訓よりもなお欲深き一族の繁栄が先行してしまったようだ。
スルガ銀行3代目頭取・岡野喜一郎氏が建前上、メセナ活動として地域振興文化活動に貢献したのが「クレマチスの丘」構想。

ここの一角に、岡野喜一郎氏が懐具合に任せて蒐集したベルナール・ビュフェ、2000枚以上の作品を所蔵する『メルナール・ビュフェ美術館』が建立されている。
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『ベルナール・ビュフェ再考』★5.
当地には新東名高速が一部開通した2012年に一度訪れている。
その際はワイフさんも帯同。従って、美術館滞在時間はカップヌードルができるのを待つ時間よりも短かったマル秘
今回は静岡ぶらり独り旅。時間もあるので、ゆったりとアートトリップ車(セダン)
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シンボリックなトンボとチョウチョのブロンズが迎えてくれる。
快晴の日曜日、客と云えば子供連れの家族が数組と、老夫婦1組たらず。
つまりはガラガラのミュージアムで、心地よい鑑賞環境。
もちろん、メセナ事業ゆえ収益度外視。スルガ銀行創業家が展開する『クレマチスの丘』は、完全に赤字事業なんだけど、これも本体からの莫大な「関連会社への投融資」で、しっかりと支えられている。
今後、創業家から経営権を引き継いだ新経営陣が、創業家の趣味であるアート事業に支援を打ち切る可能性(当社調べ)も懸念されており、名画をゆっくりと鑑賞できる期間も、もしかしたら、もはや限られているのかもしれない。
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ビュフェの作風は、ピカソのそれのように時代によって判り易く変遷する。
初期のころはパリやニューヨークの街並みを、尖った擦過傷のような線で描いている。
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『ニューヨーク:マンハッタン』(1958)
この辺りがいわば中期。
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『モンマルトル、モンマルトルのサクレ・クール教会堂』(1967)
ユトリロも、川崎オスカーも立ち寄ったと言われる『サクレ・クール聖堂』。
ビュフェもモンマルトルが大好きなようだ。
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年代ごとにテーマを決めて作品を仕上げてきたビュフェ画伯。
おいら的には、カンバスに絵具を贅沢に重ねた、豪快な初晩年期の作風が好みである。
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『ピカドール』(1962)
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『狂女:二人の狂女』(1970)
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『皮を剥がれた人体:頭部』(1964)
印象的過ぎてポストカードまで買ってしまった、気味の悪い生物室に置いてあるような作品。

パトロンである岡野喜一郎の私的交流が盛んとなり、美術館新館開館や収蔵品を増やすたびに日本にやってきたビュフェ画伯。おそらく、自分でも「なぜ、こんなに気に入られているのだろう」と思っていただろうが、感謝のしるしとして日本でのスケッチも寄贈されている。
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『相撲:睨み合い』(1987)
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『日本女性』(1980)
随分と古めかしい日本女性がいたものだ。1980年だというのにげっそり
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『自画像』(1946、1958)
ここで、ビュフェ画伯のセルフポートレートで、作風の変化を学習しよう。
左が18歳で、右が30歳。これが、53歳になると、こんな人になる。
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『自画像�機戞�1987)
最晩年のテーマは『死』。
自らの死をテーマに16作品、描いたという。
そのテーマについては2作品が所蔵され、最後に遺作となった『死 16』で彼の人生が閉じられた。
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『死 16』(1999)

圧巻は展示室を出てからの発見となった。
2012年に初訪した時には、おそらくワイフさんの背中を追いかけることで通り過ぎてしまったのだろう。出口へのスロープから左手に《大展示室》のボードぴかぴか(新しい)
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オランジュリーを模倣したのだろうか。天光が差し込む高い天井に、悠々とした265×477の2作品『キリストの受難』と、さらに横長となる250×580『ダンテ地獄篇』。
センターには三角形に設えられた鑑賞用ソファ。
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睡蓮は描かれていない(…どころか、暗澹とした作品だ)けど、贅沢な空間を味わえた。
これもカボチャの馬車のお陰である。24時になったら消えてしまうようだけど。
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右下、銘板に書かれた岡野喜一郎の言葉。
「一人の天才の才能を通じ、この大地に文化の花さくことをのぞむ」
創業者一族のこの言葉が、まるでアベノミクスを忖度する官僚たちと同様に、スルガ銀行の行員たちに無言のプレッシャーを与えていることは、想像に難くない。
ボンボン育ちの道楽の継続のために、返せるあてのない支援をしていかなければならないのだから。

滞館時間55分。
クレマチスの丘には、まだ行くべきところがある走る人

(つづく)



家再現度高すぎな“ダンボールアート”がSNSで反響、捨てられる宿命の素材を作品に
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=54&from=diary&id=5501566
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