
恋人の好物だったから… 苦手だったものが食べられるようになったきっかけ
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納豆を筆頭に、ネバネバ系が超絶に苦手なおいら。
オクラ、山芋、メカブ・・・驚いたことに、ワイフさんの郷里・山形名産が多いのは皮肉なもの。
奥さまに迎えるにあたっては、酒が苦手でネバネバがダメだってことを結納の身上書に書いておいたので、この点に関する障害はない。
それにしても部類の酒好きで、和食系ファミレス行けばネバネバ丼を幸せそうにかっ食らう女子と、よくぞ契りを結んだものだなあ、にんじんだもの。
納豆が嫌いなので、自ずから茨城県が苦手ということになる。
もう数十年も過去に戻った頃の思い出なので正確ではないが、仲良しだった後輩ちゃんを連れて茨城県某所へのピクニック。
ヤーホーホーットランランランとスキップしながら芝生の広場にシートを敷いて、お手製のお弁当でランチタイム。
お重にピッチリと詰まったおかずのあれこれは、

「お弁当持参でデート(自称)なんて、生まれて初めて。早起きして、お母さんと作ったのよ

」みたいな。
書いていて、すでに恥ずかしい
大好物の一つ、揚げ餃子を箸で掴んで一口でパクリ
ネチャ
口の中に広がる違和感と拒絶感。
これはなんだ?
いよいよ、おいら、毒殺なの
2度目の噛み込みができずに、アホズラを後輩ちゃんに晒すおいら。
おそらく、涙目

「特製の納豆餃子だよ。美味しいでしょ

」
いかん。
後輩ちゃんには身上書を渡してないや。
どぼじよ。
まずは涙目を誤魔化さなきゃ。

「あたしゃ幸せもんだよ。手作りお弁当なんて、涙がでるほどうれしい

」
少しでも納豆との接触を避けるため、カリカリの皮だけを甘噛みしながら、会話をする。
その時、後輩ちゃんの後方でバドミントンに高じる子供たちを見つけた。

「あっ、あの子、バドミントン超上手だよ」
指をさしながら、別になんの特徴もない子供たちに振り向かせる。
視線が外れるやいなや、口に手を突っ込んで悪魔の納豆餃子を掻き出して、尻の後方に隠しておいた。
後輩ちゃん、何ひとつ面白みのないバドミントンから視線を戻す。
セーフ。

「美味しいね、この揚げ餃子

」
↑
この辺が、どうにもイヤらしい男性である。

「もっと食べていいよ」
困ったことに、あと4つも作ってきやがった。
3つは後輩ちゃんに食べてもらうから、せめてあと1つ。
ヘビでも出てくれればいいのだが、茨城県のヘビはこんな時に限って冬眠中のようだ。
唐揚げやウインナー、卵焼きと安全地帯を箸さばきしながら、納豆餃子の御し方を考える。
このまま空にぶん投げてやろうか、それとも星一徹のようにブルーシートごとちゃぶ台返ししてやるか。
いやいや、それでは後輩ちゃんに嫌われちまう。

「そうだ、このあと観覧車に乗りに行こうか。ここの観覧車は1周12分かかるから、今のうちにトイレ行っておいたほうがいいよ

」

「えっ、まだお弁当食べてるのに?ポカーン」

「今、行っておかないと忘れちゃうからね

観覧車でおもらししたら大変だからね」
先輩の指示に忠実な後輩ちゃん、首をかしげながらお手洗いに立って行った
そのスキに、お重に残された納豆餃子1つを30mの遠投で花畑へ放り込み、先ほどゲロした1噛み歯型のついた納豆餃子は、芝生を掘って土の中に埋めてあげた。
二度と出てきませんように。

「あれ、オスカー先輩、手に泥がついてますよ?」

「さっき、ここにモグラがでてきたから、ひっぱたいてやったんだ

」

「へぇ〜、モグラたたきって本当にあるんですね〜」
そんなわけで、おいらの苦手な食べ物はネバネバ系。
納豆、一番の思い出話を記してみた。
今後、いつの日か、お弁当を作ってくれる女子(熟女可)は、気を付けようね。
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