嫌いなもの――つまり苦手なもの、それが人間であれ、教科であれ、食物であれ、何であれ、苦手であれば苦手でなくなればよいのだ。嫌いであれば嫌いでなくなればよいのだ。それがどんなに、自分の人生を伸び伸びと生かすことになるか、測り知れないのではないか。
向こうから人が来る。あの人は嫌いだ、さあ別の道を行こう、と思っている人と、ああ大好きな人が来た、何とうれしいことだろうと、駆け寄って行ける人では、人生の内容がちがう。生きることに、万事積極的になれるということはすばらしい。
(三浦綾子『風はいずこより』)
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